デイキャンプをしてみよう! ルーを使わないビーフシチュー ビール編




近頃大分暖かくなり日陰の雪もようやく溶けてきて、朝の気温も低くても氷点下2~3℃位までになってきたので、アウトドア活動を再開しようと思い、デイキャンプをしてきました。

デイキャンプと言ってもホントに簡単なもので、自宅からすぐ近くの沢の上流まで行って、辺りに落ちている風倒木や枯れ枝で焚き火をして、ビーフシチューを作って食べてきただけのことですが、日中はほぼ現地で過ごし充実した時間を堪能できました。

今回は一般的なルーは使わずに牛肉をビールで煮込む方法でビーフシチューを作ってみたので、紹介したいと思います。

林道歩き

自宅からこの林道入口までおおよそ500m位です。轍が続いていますね。
地元の人が薪や山菜等を採集するため軽トラで良く出入りしているので、車で行くのはやめて歩いていきます。

林道入口

途中杉林を通り抜けると、車の轍も消えて落ち葉が目立つ林道になりました。

杉林 林道2

林道脇に薪にするのに丁度良いナラの朽木(直径約Φ15cm、長さ約L2m)を見つけたので、肩に担いでデイキャンプをする場所まで運んで行きます。
いくらか湿っているらしく重さは12~13kg位だと思います。

ナラの木

ナラの木発見現場から600~700mで林道終点に着きました。リュックを背負った上に10kg以上の木を肩に担いで林道を歩くのは正直疲れました。冬の間の運動不足を実感しますね~(-_-;)

この場所は、僕が子供の頃は人が一人歩けるくらいの細い道が沢伝いに続いていましたが、山林の手入れをする方の高齢化などで手入れが行き届かなくなり、土砂崩れ等で林道終点から先の道が消えてしまいました。

2~3年前に山林整備で、この付近の間伐作業をしたようなので、その時出た間伐材の枝の残り等が周辺に沢山散乱しています。それらを使って焚き火をしようと思います。

リュックの下には、山の斜面から転がってきた大きめの石があります。それをテーブルとして使います。

林道終点

カマドを作る!

今日は焚き火でデイキャンプをするので、一番重要なカマドを作ります。

地面に直接穴を掘ってカマドにしても良いのですが、落ち葉や枯れ枝が散乱していてそこに直接火を点てるのは危ないと思うので、石でカマドを作ろうと思います。

カマド予定地1

カマドを作る場所が決まったら、燃え移りやすい落ち葉や枯れ枝を除けて地面を露出させます。

カマド予定地2

山側の斜面のたもとや沢筋からなるべく平たい形状の石を集め、地面から少し高さを上げてカマドを組んでみました。
地面からカマドの底面まで7cmくらいの高さがあるので、周りに炎が燃え移ることは無いと思います。

カマド カマド2

薪集め

下から担いできたナラの木以外に、この場所の山側の斜面や立木の根本にまとめてある枯れ枝等を集め、小割にして薪を作ります。

薪集め 薪集め2

薪を作る!

5分位でこれだけ集めました。集めた枯れ枝は風化が進み大分軽くなっています。
細めの枝は手で簡単に折れますが、直径が6~7cmくらいの枝は素手で折るのはまず無理です。

枯れ枝

風化が進んだ木材をノコギリで一々切るのは面倒だし、時間的にも早く作業を進めたいので、下から運んできたナラの木に叩き付けて適当な長さに折るようにします。
僕はいつもこの方法で枯れ枝を薪にしています。

枯れ枝 薪作り1 枯れ枝 薪作り2

次は下から運んできたナラの木でメインの薪を作ります。

まずは玉切りの土台(近くに有った木っ端二個)にナタで溝を作ります。

少し分かりづらいですが青丸のところです。←玉切りにする時に転がってしまうのを防止するためです。

この土台は、太い方は薪割りの時の土台にして、細い方は椅子として使います。

土台1

溝を作った土台にナラの木を乗せて25cm位の長さで玉切りにします。
木自体が生木ではないことと、ノコギリの刃が荒目なので、5分位で玉切りは終わりました。

アウトドアでノコギリを使う場合、刃渡りが長めで荒目のモノの方が玉切り作業が早く行えて時間的に有利だと思います。

玉切り

使用したノコギリは、Silky(株式会社ユーエム工業) ゴムボーイ荒目240mm で、ナタの二本差しの鞘に入れた時に邪魔にならないよいうグリップを少し短く切ってつめてあります。(切ってある方は旧型です)

長さ25cm位の木っ端が7個程切り出せました。これだけあれば十分に足りると思います。

玉切り2

玉切りにしたナラの木の木っ端をナタで割って薪にします。因みに使っているナタは極普通の片刃のナタです。

片刃のナタで薪割りをするには、斧のように木っ端に直接振り下ろしても刃が食い込んでしまって一気に割ることができにくいので、画像のように軽く木っ端にナタの刃を当てて、割る面に刃を少し食い込ませてから木っ端と一緒にナタを振り下ろし土台に叩き付けて割ります。

一番重要なことは、しっかりとした土台を使って薪を割ることです。どんなに素晴らしい斧やナタを使っても、土台が安定しないと上手に薪を割ることはできません。
土台さえ安定したモノを使えば、多少刃こぼれしている片刃のナタでも薪割りはできます。

薪割り4

ある程度ナタの刃が木っ端に深く食い込んでいれば、振り上げる際手を添えていなくても木っ端が先に落ちてしまうことも無いのですが、振り上げる際危険防止のためにも土台に叩き付ける寸前までは木っ端に手を添えておきます。

薪割り2

土台に叩き付ける瞬間(正確には木っ端が土台にあたる寸前)に添えている手を離します。このようにすれば安定して片刃のナタでも薪割りをすることができます。

薪割り5

本日の焚き火に使う薪ができました。枯れ枝の薪はすぐ燃え尽きてしまうので、燃焼促進材として使う予定です。

薪

ナラの木の薪は、細目、中細、太目の三種類と太さを変えて割り、火力調整がしやすいように少し手間を掛けました。

薪2

ファットウッドで着火

薪の準備もできたので火を起こしてみます。着火剤にはこの山で採集したファットウッドを使います。

火付け一式

写真の撮り方がヘタクソで確認しづらいのですが、ファットウッドをナイフの峰で削っています。
峰で削った方が削り節のように薄く削れ、ファイヤースチールで簡単に着火させることができます。

(悩んだ末にようやくアウトドア用ナイフを購入しましたTerävä Jääkäripuukko, というナイフで、スウェーデンのミリタリー系ショップ(https://www.varusteleka.com)で購入しました)

着火準備 1

この日は少し風が有ってせっかく薄く削ったファットウッドが飛ばされてしまい、着火剤の量が少なくなってしまうのでナイフの刃で少し厚めにファットウッドを削り出し着火剤を増量します。

着火準備 2

薪集めの時についでに集めた杉っ葉を先にカマドに敷いて、その上に削ったファットウッド乗せてファイヤースチールをストライクさせて着火します。
見事一回のストライクで着火させることができました。

着火 着火2

枯れ枝の細目の薪からカマドに投入し、少しずつ太い枝にしていきながら熾火ができるようにします。

焚き火1

焚き火が安定して熾火ができるまでの間に、カマドから少し離れた場所にグランドシートを敷いてくつろぐ場所を作りました。
この場所は山側から崩れてきた石が鋭い形状をして散乱していてシート一枚では辛いので、クローズドセルのマットをシートの上に敷きました。そのおかげでシートの下に石が有っても全く気になりませんでした。

デイキャンプ地

そうこうしている内に枯れ枝の熾火ができたので、それを種火にしてより安定した熾火を作るためにナラの木の薪を井桁に組んで燃焼させます。

熾火 焚き火 井桁

ビーフシチューを作る!

本日の食材 (ビーフシチュー)
牛ステーキ肉  150g×2枚   安いもので十分です。筋肉が沢山ある場合は不要です。
牛筋肉       250g   同上
玉ねぎ      中2個
ジャガ芋     中1個
人参       中1本
350缶ビール     1本
コンソメブロック  4個
ケチャップ      適量
ウスターソース    適量   入れ過ぎに注意!
塩コショウ      適量
バター        適量
牛脂         適量
沢の水        適量   現場の水が飲めない場合は別に持参します。

上記以外に、ライ麦パン・チョコレート菓子・インスタントコーヒー・生茶・ジンジャーエールを持ってきました。

本日の食材

ナラの薪の熾火ができてきたので、いよいよビーフシチューの調理開始です。

玉ねぎを適当に細かく刻んでバターをひいたフライパンで色が付くまで軽く炒めます。

フライパンの蓋は家で使わなくなった鍋のもので、パッキングの邪魔にならないようツマミを外してあるので、木の枝で適当に取っ手を作りました。

玉ねぎ刻み 玉ねぎ炒め 玉ねぎ炒め2

玉ねぎを炒めている間に牛肉に塩コショウをふって下味を付け、炒めている玉ねぎに色が付いたら別の鍋に移し替え、フライパンに新たに牛脂をひいて牛肉の両面にしっかりと焼き目を付けます。

塩コショウ 鍋に移す 牛脂をひく 牛肉焼き

牛肉にしっかりと焼き目が付いたら、350缶のビール1本全量をフライパンに投入してなるべく弱火で煮込みます。

ビールを使う目的は、短時間の加熱で肉を柔らかくさせつつ味にコクを出させることです。
ビールは何でも良いです。今回はキリンの一番搾りを使いました。一口だけ先にいただきました。

一番搾り ビール投入 ビール煮込み

途中で筋肉を焼くのを忘れていた事に気付き、慌ててビールで煮込んでいるフライパンに投入しました。
美味しくいただくために、肉は必ず焼き目を付けてから煮込むようにしてください。
今回ビールで煮込むことで頭が一杯で、筋肉を焼くのを忘れてしまいました・・・・

筋肉投入 ビール煮込み2

ビールで牛肉を煮込んでいる間に人参とジャガ芋を皮を剥かずに少し大きめに切ります。
玉ねぎは、皮を剥いて根っこも切り取らずに横に二つに切っただけです。
大きめに切ったほうが美味しく感じますね。

玉ねぎ 人参 ジャガ芋

フライパンで牛肉を煮込んでいるビールが八割がた蒸発したら、先に炒めた玉ねぎを移してある鍋に全てをあけて、沢の水をフライパン一杯に汲んで鍋に入れてから、焚き火にかけて沸騰するまで煮込みます。
正確に計量はしていませんが、沢の水は1300ccくらいは入っています。

ビール煮込み3 鍋に開ける 沢の水汲み 沢水投入 焚き火にかける

火力調整しやすくさせるために簡単なポットハンガーを作ってみました。
これで鍋の高さを変えられるので、熾火や薪に直接鍋を置くより楽に火力調整ができますね。

ポットハンガー

熾火の弱火でじっくり約1時間掛けて煮込んで煮汁も蒸発してきたので、新たに沢の水1000cc(ケトル一杯が約1000cc)を足してから玉ねぎと人参を加えて更に煮込みます。
この時枯れ枝の薪も追加します。

牛肉煮込み 追水 玉ねぎ人参投入 煮込み風景

煮込んでいる間は結構暇なので、コーヒーでも飲もうと思いケトルで湯を沸かします。
インスタントでも十分に美味しいですよね~

ケトルで湯沸かし コーヒー1 コーヒー2

コーヒーを楽しんでいる内に鍋も沸騰してきたようなので、ジャガ芋、コンソメブロック、ケチャップ、ウスターソースを投入して再度煮込みます。
味付けはお好みですが、ウスターソースは入れ過ぎに注意してください。入れ過ぎると味がくどくなってしまいます。

ジャガ芋投入 コンソメ投入 ケチャップ&ウスターソース まぜまぜ

煮込みが仕上がるまで木っ端の椅子に腰掛けて、ホケーっとして焚き火を眺めます。
このゆったりとした時の流れが癒やされてトッテモいいですね~~

煮込み風景6

ジャガ芋を投入してから50分ほど煮込みました。
水分も多少蒸発してわずかながらトロみもでてきたようなので、焚き火から下ろして石のテーブルに移動します。
お味の方はどうでしょうか???

ビーフシチュー完成 石のテーブル

出来上がりはこんな感じです。ジャガ芋は一番最後に入れたので、溶けずに形を維持しています。

ビールで煮込み始めてから仕上がるまでトータルで二時間半くらい煮込んだので、肉がとても柔らかくできました。

ビーフシチュー

いただきます!

肉にがぶりつきます!

んまい!

持ってきたライ麦パンをビーフシチューにつけて食べてみます。
想像どおり牛肉と野菜の味がよく染み込んでとても美味しいです。

つけパン

ジャガ芋にもしっかりと味が染み込んで形が崩れずいたことがとても良かったです。
一番最後に入れて正解でした。

ビーフシチューのジャガ芋

今回のデイキャンプで使用した鍋は、snow peak フィールドクッカー PRO.1 の 180ビリーポットで、3000ccの容量があります。

ビーフシチューを煮込んで水分を蒸発させても、鍋の七分目くらいまでビーフシチューが存在し、その量を一人で食べきるのは結構大変でした。
容量は2100cc以上有ったと思います。どう考えても二人分以上の量でした・・・

ビーフシチューに使う肉は、ステーキ肉は少しモッタイナイですよね。
今回、筋肉だけでも十分に満足できると思いました。

20分くらいかけて何とか完食しました。とっても美味しかったです。

ビーフシチュー完食

  ご ち そ う さ ま で し た !

消火作業

ビーフシチューをいただいている内に、カマドの熾火も大分燃え尽きてきて白い灰が目立つようになりました。

熾火の灰

完全に燃焼さたいところなのですが日も傾いてきて気温も大分下がってきたので、カマドの横の地面に穴を掘り、そこにカマドの灰を移して沢の水をかけて完全に消火します。

完全消火を確認したら上から土をかけて整地しておきます。

消火作業1 消火作業2 消火作業3 消火作業4 消火作業4 消火作業5

灰を除いたカマドはまだ相当熱く、底石の隙間から地面に落ちた灰も有るはずなので、しっかりと水を掛けて消火させます。
五回沢の水を掛けました。

消火作業6

カマドの石が触れるくらいまで冷めたら、カマドを崩して先程灰を埋めたところにケルンとして積んで置き、底石の隙間からこぼれ落ちた灰と燃え残りの炭を集めてゴミとして持ち帰ります。

消火作業7 消火作業8 消火作業9 消火作業10

安全のためにもう一度カマドの有ったところに水を掛けて消火作業は終了です。

消火作業11 消火作業12

撤収作業

デイキャンプをした場所は割と広くて、奥行き25m、幅8m程あります。ここを一人で独占して使いました。
4~5人用のテントを二張くらいは余裕で張れると思います。

少し散らかしてしまったので、次回来るときのために作業しやすい状態を維持しつつ、なるべく自然の状態に近づけてから撤収します。

撤収前

焚き火で使い切れなかった薪は、山側の土手のたもとにまとめて置き、土台と椅子として使った木っ端は、カマドのケルンの横にまとめました。

撤収

カマドの有った地面に、元から有った落ち葉や枯れ枝を被せ、火を焚いた痕跡が残らないよう処置をして撤収します。

もう二度とこの場所に来ないのであれば、できるだけ元あったとおりの状態に戻してから撤収しますが、近い内にまた来る予定が有るので、今日はこの状態で良しとして帰ります。

撤収2

最後までご覧いただきありがとうございました。m(_ _;)m









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