HSP(Highly Sensitive Person)

わたしは「とても敏感な人」と表現しています。

 

HSPを知った当初から

HSPを「繊細な人」と表現することに

違和感を覚えていました。

 

これからお伝えすることは

何かを否定するものではなく

 

わたし自身が感じる

「sensitive」についての表現に対する思いです。

 

 

わたしは英語ができません。

 

ですのでわたしの解釈は間違っているのかもしれません。

 

でも

HSP自身を「繊細な人」と表現することは

なんとなくニュアンスが違うと感じてしまいます。

 

それにはいくつか理由があって…

 

 

まず

博士の書籍ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。

 

 

こちらのP7「はじめに」の冒頭で書かれているこの言葉

 

「泣き虫!」「弱虫!」「シラけさせるなよ」

聞き覚えがありませんか?あるいは「あなたは繊細すぎるのよ」というありがたい忠告。

 

実はわたし自身がずっとこう言われてきたのです。もし、あなたが私と似たタイプなら、今までに同じようなことを言われて、自分はどこかヘンなんだ、と思ったことがあるのではないでしょうか?

私は、自分には隠さなければならない致命的な欠点があり、二流の生活を運命づけられているのだとずっと信じ込んでいました。私は他人よりも劣っているのだ、と。

 

わたしがHSPの書籍を読んだのは

こちらの博士の書籍がいちばん最初でした。

 

そしてこの博士の言葉がとても印象的に残っています。

 

「繊細すぎるのよ」とありがたい忠告を受けたと伝えている人が

「繊細な人」と自身を表現するとは思えなかった

 

原文を読んだワケではないので

博士の表現したかったことを受け取れていないかもしれません。

 

もちろん

英語がわからないので「繊細な人」という表現が違うとは言いません。

 

英語のわかる人に聞いたら

「sensitive」を日本語で表現するのは難しいと言っていましたし。

 

間違ってもいないし

かと言って的確でもない、と言った感じでしょうか。

 

でもわたしは

博士のこの冒頭の言葉が強く印象に残っていて

「繊細」と表現することが違うように感じる、ということです。

 

 

「sensitive」の日本語訳については

上に記した通り表現が難しいとして…

 

もうひとつ

博士の言葉でやはり印象深いところがあります。

 

書籍のP11

「好意的な呼び名とタブー」の章

 

長い間私はこの「神経の細やかさ」「高ぶりやすさ」にどういう名前をつければいいか、一生懸命考えていました。

 

他の心理学者たちはこの特徴を、内向性や内気さ、堅さと混同するような間違った名前をつけてきました。私はそういう過ちを繰り返したくなかったのです。今までつけられた名前には、この特徴の短所ばかりが強調され、長所が反映されていません。

 

「敏感さ」は刺激に対する感度の高さを示す中立的な表現です。

 

HSPに対する偏見を返上するためにも、そろそろ私たちは自分たちに好意的な呼び名をつけてもいいのではないでしょうか。

 

博士は呼び名について

そうとう考えられたのではないかとわたしは想像します。

 

それは過去に誤解され

偏見に苦しんだという経験があるからだと思います。

 

 

「繊細」という日本語は

細やかでキレイな美しい印象を受ける言葉

 

そう感じますが、同時に

 

壊れやすく弱く扱いづらいといった印象もあるように思います。

 

日本語は意味そのものと

その言葉に含まれるニュアンスが深く結びついていて

解釈が難しい言語なんじゃないか…と思いました。

 

人によって受ける言葉の「印象」が違う。

 

それはおそらく「敏感」も同じだとは思います。

 

 

ですが

 

わたしが注目したいのは

書籍の中の刺激に対する感度の高さを示す中立的な表現という部分。

 

HSPは脳の

「島(とう)」と呼ばれる内外を統合して認識する部分や

「ミラーニューロン」ものまね細胞と呼ばれる部分が

そうでない人よりも活発に動いていることが研究でわかっています。

 

→参考書籍ひといちばい敏感な子

 

つまりこの「刺激に対する感度の高さ」というのは

心理的なものではなく「脳の反応」についての感度の高さだと

わたしは解釈しています。

 

心理的にも敏感だ、と言う方がいるかもしれませんが

それはそもそも「脳の刺激に対する感度の高さ」あってこそなので

 

HSPの概念そのものを表すのであれば

「sensitive」は日本語では「敏感」と表現したほうが

わたしはしっくりくるのです。

 

※心理的に何を敏感と感じるのかは、

 環境や経験で作られた自分のフィルターを通して認識したものになるので、

 同じ刺激を受けてもどこを認識するかは

 「フィルターによって異なる」のでそこはHSPだからとは言えない部分。

 

 

それともうひとつ

 

辞書で「sensitive」を引いてみました。

 

「敏感な」「感じやすい」「微妙な」「感受性が鋭い」

「傷つきやすい」「影響を受ける」「よく反応する」

「扱いにくい」「高感度な」「慎重に扱う」

 

などなど

幅広い訳が出てくるのですが…

 

何に対して「sensitive」が付くかによって

その意味は大きく変わるんだな…と。

 

機械などですと「感度がいい」となりますし

温度などだと「影響を受けやすい」といったように。

 

 

もちろん「繊細な」との訳もありました。

 

ですが、

辞書って例文があってそこで、そういうこと…!と思ったのですが

 

例)a sensitive pianist

 

もし「sensitive person」が「繊細な人」ならば

「a sensitive pianist」は「繊細なピアニスト」となる

 

でも

「繊細な演奏をするピアニスト」とあったので

ピアニスト本人が繊細なのではなく演奏(表現)が繊細なんだと思いました。

 

 

「繊細な」と日本語訳にする場合

「表現が」や「精神的に」といったものを指すようで

 

「敏感な」と日本語訳にする場合は

「刺激に対して」とか「他人の感情に」や「問題に」を指すようでした。

 

もし

辞書に忠実に従うのであれば

HSPは「表現がとても繊細な人」や「刺激に対してとても敏感な人」となり

 

理屈でしかないのかもしれませんが

 

わたしは博士の意図するところが

先にあげた書籍の中の「刺激に対する感度の高さ」であるならば

 

「sensitive」は

「表現の繊細さ」よりも「刺激への反応の敏感さ」なんじゃないか

と、わたしは理解したんですね。

 

 

ただ、

何度も言いますが、

 

わたしは英語がわからないので

わたしのこの解釈が正しいとは言いません。

 

もちろん「敏感さ」だけでなく

「表現の繊細さ」「感受性の鋭さ」

「痛みなどの感じやすさ」「外からの影響の受けやすさ」

 

そのような思いも込めて

「sensitive」と名付けられたのかな、とも思います。

 

 

ですが、いちばんの元にあるのは

「刺激に対する感度」だと思うので

 

わたしはHSPを「とても敏感な人」

とすることがしっくりくるのでそう表現しています。

 

 

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