ふわっと重ねたくちびるが熱くて…
僕も、熱くなる。
ユノさんに添えられた手が僕を支えてる…そうじゃないと、すぐに倒れそう。
目を開けると…僕をハムハムするユノさんと目があって…
うわ~、どうしよう…
心臓がキュ~ってなって目を閉じる。
このあと、どうなるのかな…緊張する。
「…ふふっ」
ユノさんがそんな僕に笑うと、おでこにくちづける。
「かわいい…」
そう言われて…もっと熱くなる 僕の身体。ユノさんがそっと抱きしめる。
ユノさんの腕の中……
ふたりの間に静かに時間が流れる…特別なことは必要ない。
こうしてるだけで…ドキドキして、幸せだから。
「今日は眠れないかと思ってたけど…」
ユノさんが僕の背中をなでる。
「…はい」
あんなことがあったから…
「…別れる前くらいから、寝れなくなってしまって…それから、ドフンを抱いてると、眠れるようになったんです…」
ユノさんがつらかった時のことを話してくれる。
知らなかった…寝れなくなるほど、心をなくしてたんだ…過ぎさった過去のことだけど、胸が苦しくなる。
それだけ、ドフンくんの存在がユノさんを癒してたってこと…ドフンくんにしかユノさんを守れないのかもしれない。
「そうだったんですか…」
ユノさんの強さと優しさは…人を思いやる気持ちから…だからこそ、傷つきやすくて、壊れやすい。
…ユノさんを守れる存在に僕もなりたい。
ユノさんの繊細な心を、僕が守れたら…ユノさんの背中に腕をまわす。
「でも、先生が一緒だと…寝れるんです…出会ったばかりなのに不思議ですね…もう、僕の大事なひと…なんです」
ユノさんの腕が大切そうに僕を抱く。
ユノさんにそんな風に思ってもらえてたなんて…
好きだと言われるより、嬉しい言葉…おさえきれなくて、涙がこぼれる。
…僕が、ユノさんをあたためてあげる。
「寝ましょうか…」
ユノさんと手をつないで、ベッドに入ると…
「ユノさん…」
横になって、両手を広げて、ユノさんを待つ。
びっくりしたユノさんが、嬉しそうに微笑んで、僕の胸に顔を寄せる。
すごく、愛しい…それだけで幸せで、ユノさんを抱きしめる。
「僕が、ずっとそばにいますから…一緒にドフンくんを待ちましょう…」
広い背中をなでて…目を閉じる。
「ありがとう…」
そう言うと、僕の腕の中で…寝息に変わる。
つづく
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