a sweet scent 53 | ある日突然、東方神起sec

ある日突然、東方神起sec

ある日突然、東方神起からのお引越しです。

夢中でチャンミンを抱きしめていると、少しだけ重くなる君の身体。

「眠くなってきたの?」
こめかみにキスを落とすと、

「…うん、シャワー浴びてくる」
言葉とは裏腹に、もう寝ちゃいそうな声。


このまま抱きしめていたい…だけど、ゆっくり離れる体温に…

「…洗ってあげようか?」
離れたくなくて、すぐに君の手をとる。

寝れなくなるから…とはにかむと、シャワーに向かう後ろ姿。
もう一度愛してると心の中でつぶやき、見送る。


まるで蜜月のような同棲生活。
こんな幸せ…いつまでも続かないと心のどこかで気づいていても、このままずっとそばにいたいと願ってしまう。
僕が呪われた力を持ってるから?
愛する人は、みんな離れていく。
それは本人が望んだ別れじゃなくても…
僕の幸せは、水風船のように脆弱で、いつ壊れるのかわからない。

きっと…チャンミンも……

僕の心の奥底には、こんな感情が隠れてる。いつ来るかわからないその日に怯え、君の残り香を胸いっぱいに吸い込む。




恐れていた日は、それからしばらくしてから。

「チャンミン…どうした?」
いつもと様子が違うチャンミンの肩を抱く。

「明日…僕の母さんがここに来るって…水道代が高くなってるから…心配してるみたい。」

どう言ったらいいのか迷ってる…君の気持ちを表すような、さまよう瞳。

「僕は…いない方がいいよね…荷物ごと。」
君に言われたくなくて、自分から…


「…うん、ごめん…」

しばらくは離れないといけない、かも…

泣きそうな君を見つめながら、
…暗闇に落ちていく。
離れたくないなんて、僕には言えない…静かに闇が僕を包む。



つづく



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