ギフテッドを観てきました。
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※画像はお借りしました


ギフテッドって学問や芸術の能力が幼い頃から突出していて、精神性も高い子どもの事です。
能力は必ずしも学校の成績には反映せず、興味の範囲が広かったり、突出していたり、物事をとらえる視点が画一的でなかったりします。


【あらすじ】
数学者の母が自殺した事により、母の弟に引き取られた少女。小学校に通うものの、余りの能力の高さから授業が退屈に。担任の女性教師が彼女の能力に気づき他の学校へと親がわりの弟と話し合う。しかし弟もまた英才教育の犠牲者であった。少女の幸せを考える中、自殺した姉や弟を育てた、イギリス人の祖母が現れる。



映画のストーリーよりも、場面ごとの少女や自殺した姉や親代わりの弟の心情が入ってきて考えが巡りました。
典型的なイギリス人と表現される祖母との関係。




自由と束縛

自立と依存

母親と息子の関係

コントロールする側とされる側

親子とは?

愛とは?

親がいないということ





複雑な物語ですね。
とてもリアルな人間関係だと思います。
そして体験した理解者も少ないかもしれない。
体験した人間でないと、救えないですからね。





体が小さいからといって大人の事情に気づかないわけじゃない。だけど、独り立ち出来るほど肉体も精神も鍛えられたわけじゃない。まだ、扶養されないと生きられない女の子。



学校の勉強は答えを知ってるから、退屈。
毎日毎日同じ事の繰り返しにイライラする。
先生を馬鹿にしてる訳じゃないけど、先生だってその歳で積み木遊びしてなさいって幼稚園に入れられたら、3日ももたないでしょ?同じよ!



そんな気持ち。



外から見た少女は、冷めてて、どこか大人を馬鹿にしたようにも見えてて、近寄りがたく誰も少女の気持ちに寄り添うことが出来ません。




ママは既になくなっていて、私を抱きしめてはくれないし、頼りは育ててくれるおじさん(母の弟)だけ。この人が私のたった1つの命綱




親がおらず、誰も少女の能力に気付かなければ、少女はどうにかして周りに溶け込むしかなく、世の中の事象に気付かないフリをしたり、勉強の出来ない道化役に転じて凡人のように振る舞うしかないのです。誰も理解者がいなければ、誰もいない場所で、たった1人で難しい本を読んで思索する。そんな日常を送った事でしょう。



皆んなは10本の細い綱を持ってるから、1本切れても尖った崖から落ちないけれど、私の綱は太い1本だけなの。これが切れたら私は死んじゃうのよ!




どれだけの人がこの女の子の気持ちを体験しているでしょうか。
小さな胸の中に抱える孤独や不安。





彼女が心を許せる人は
同じ痛みを知っているおじさんだけ。





だからおじさんはおじさんなりに
イギリス人のおばあちゃんのような育て方はしたくないと思っています。





自分や姉と同じように能力の高い子ども。




イギリス人の母はこどもの心を理解しない人。同じ痛みを持った姉は死んでしまった。
少女のおじさんも命綱が1本もない状態が長く続いているのです。命がけの緊張も疲労もピーク、
イケメンでモテるけど、おじさんの心は深く傷ついていて自分の命を守るのがやっとこなのです。





少女に経済的にも環境的にも充分な場所をと、周りが騒ぎ始めます。





理解者がいれば、
少女はきっと転校・留学だって出来るけれど、





イギリス人の祖母も
裁判官も
教師も
里親も






少女の孤独を知らない。






命綱が1本しかない
それが切れたら終わりなのだと知らない









当然のようにママやパパがいて
当然のようにお小遣いを貰い
当然のようにワガママを聞いて貰い
当然のように学校に通い
当然のように習い事をし
当然のように家庭料理を味わい
当然のように給食費が払えて
当然のように可愛い服を着て
当然のように足し算しか覚えなくて
当然のように好きな大学に行って
当然のように仕事を選び
当然のように好きな人と結婚をして
当然のようにパートナーに依存し
当然のように子どもを望み
当然のように子どもに依存し
当然のように子どもを支配し
当然のように次は孫をと考える







ずっと依存し続けている






愛するとは、相手の自由を尊重すること。
愛するとは、孤独と向き合って生きること。
愛するとは、『死』が訪れる事を胸に刻んで生きること。
愛するとは、相手の人生経験を邪魔しないこと。






心を真っ直ぐに立てる







崖を見下ろしながらおじさんは考えます。
(心象風景)





助けて貰おうか?
自分が育てようか?




少女の可能性を潰したくない
自分が与えられないものは与えてやりたい





環境と愛情




最善のものを。





おじさんの苦渋の選択
少女の気持ち









教師が少女の飼い猫が
保健所にいることに気づきます。







人生の選択。





おじさんも少女もお互いをよく知り、愛している。









イギリス人の母と向き合う息子。









隠されていた、姉の遺言。








子どもの心がわからないあなたなんかに、死んでもコントロールはさせないわ!









そんな強い意志を感じる結末でした。







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