看護師さんが知らないと損するコツを臨床工学技士が伝授します

毎日多くの看護師さんや先生から医療機器の使用方法や操作のコツについて相談を受けます。頂いた相談に対する答えをブログを通してみなさんに伝えることにより、少しでも多くの人の悩みや疑問を解消できるお手伝ができればと思いブログの開設を行いました。

生体情報モニタ使用中の確認事項

前回は生体情報モニタのアクシデント事例について書かせてもらいました。

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今回は生体情報モニタ使用中の確認事項についてお話をして行きたいと思います。

 

前回のおさらいとして、生体情報モニタにはベッドサイドモニタ、送信機、セントラルモニタがありましたね。機器が何かわからない方は先に上の記事をご覧ください。

 

生体情報モニタはセンサーを装着すれば何となく使えてしまいます。しかし、正しい使用方法を行っていないと思わぬトラブルが発生してしまいます。そのようなことが起きないよう、使用中に点検することもとても大事なことです。

 

 

1.生体情報モニタの機器の汚れや破損がないことを確認して下さい。トラブルは送信機に関連したものが多く報告されていますので、送信機は特に注意して確認して下さい。

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送信機は電池ブタが壊れることがあります。壊れたままだと気付かないうちに電源が切れてしまうことがありますので、修理に出すようにして下さい。

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ベッドサイドモニタは血液や薬液の付着がある場合があります。汚れに触れ、感染を広げてしまうことがありますので清拭を行って下さい。

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2.電極リード線、SpO2プローブなどに破損、汚れがないか確認して下さい。

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たまに、SpO2プローブとコードをロックする部品がなくなっていることがあります。プローブが外れてしまうことがありますので、買い替えをオススメします。

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.電源コードがコンセントに接続され、電源ランプが点灯していることを確認して下さい。点灯しない場合はコンセントの断線や、機器の故障の可能性があります。長時間点滅が続く場合は、バッテリが劣化していますので、交換をオススメします。

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4.セントラルモニタに送信機の電池切れ警報が表示されていないことを確認して下さい。電池切れ警報はアラーム音が発生しませんので注意して下さい。また、いつ電源が切れるかわからないので、気が付いたらすぐに電池交換を行って下さい。

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5.各項目の波形・数値が正常に表示されていることを確認して下さい。間違った設定によって波形が出なくなったり、画面の故障で波形が出ないことがあります。

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 また、波形は出ているが、数値が出ない場合があります。この場合、電極シールが浮いていたり、患者さんの皮膚が汚れていることがあります。清拭し、乾かした後に電極シールを貼り直してみて下さい。それでもダメな場合は、誘導を変えたり、電極位置を心臓の近くにしてみて下さい。

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通常は問題なく波形表示を行っているが、たまに電波切れが発生する場合、機器の故障か、受診するケーブル類に問題がありますのでメーカーさんに連絡して直して下さい。

このまま放置すると受信できない時間が長時間になってしまう危険性があります。

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6.タッチスクリーンを押したら反応することや、押した場所と同じところにポインター表示が出てくることを確認して下さい。ポインターがずれると入力に時間が掛かってしまいますね。ポインターの位置調整が可能なので、臨床工学技士さんかメーカーさんに相談してみて下さい。

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7.各項目毎に適正なアラーム設定を行っている。また、アラーム音は原則、最大音量の80%以上に設定されていることを確認して下さい。

 で囲まれた場所がアラーム設定値ですので、Drの指示通りになっているか確認してください。正しい設定にしないと誤アラームが頻発し、対応しなくなり、本当に必要な時に気付けない危険性があります。

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アラーム音に関しては、モニタ装着患者さんが音がうるさいと嫌がったため、音を最小にし、緊急時アラームが聞こえなく亡くなってしまったということが報告されています。どうしても下げる場合は、スタッフがいる場所で音がはっきりと聞こえることを確認して下さい。

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8.時刻が電子カルテ時間と同じであることを確認して下さい。電子カルテが導入されていない場合は、日本の標準時間に合わせて下さい。時刻がずれてしまうと、アクシデント発生時、いつ・どのような事が起きたのかを確認するのが難しくなります。

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この他にも確認した方が良い事があると思います。必要に応じて確認項目を増やしていって下さい。

 

今回の確認事項の中で特に行って欲しい事は、⑦のアラーム設定値をしっかり行う事です。誤アラームを減らしすことと、必要な時にアラームが発生し、スタッフが対応しやすい環境を整える事が大切だと思います。

お忙しいと思いますが、1日1回確認してみて下さい😊

 

 

 

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