イタリアで追突事故 ( 余談はナスのケーキ風パスタ )

まるでF1レーサーでもあるが如く、ウィンカーも出さずに物凄いスピードで蛇行運転をしていく。

マイペースで運転しようものなら、後ろからライトでチカチカと煽られるか、ぴったりとくっつかれてしまうかのどちらかである。

これが日常茶飯事なので、もちろん車の事故は絶えない。

昨日は学校帰りに娘のクラスのお友達宅に急に招かれ、娘と共にお茶をしに立ち寄った。

娘はお友達とおやつ→宿題→ゲームと楽しんでいた。

日も落ちかけた17時半頃、お礼と共にお暇し帰途へと着く。

そして、山道のような細い道から大きな幹線道路に差し掛かる交差点で不幸にもその事故は起こったのだった。

細いがいつも混み合うその道から幹線道路に右折しようとしていたちょうどその時、突如信号が黄色に変わった。

ここで止まったらかなりの待ちぼうけをくらうこの場所。大抵のイタリア人は赤に変わってでも右折していく道なのだが、目の前の車は違った。

急停車したのだ。

慌てて私もブレーキを踏む。

大きな音がして娘のかなりの重さのあるであろうリュックが宙を舞う。

リュックが落下した後、大きな衝撃音と共に車が振動する。

その後、電子音らしき音がピーピーと5秒程聞こえたような、、、

頭が真っ白になる。

咄嗟に私が前の車にぶつかったのでは？という念に駆られるも、そうではない様子。

ほっと胸を撫で下ろす。

冷静なのは我が娘の方だった。

- 大丈夫だった？

娘に聞くと、うん、といつもと変わらない返事。

- でもきっとママが後ろからぶつけられたんだよ。後ろの車、かなり接近してるから。

娘に言われるまで自分がぶつけられたという感覚すら無くなっていた程に、私の頭の中は真っ白になっていた。

慌てて車を降りる。

確かにぶつけられていた。

後ろの車の運転手も私と同時に車から降りてくる。

陽気そうな太ったおじさんが、ヘラヘラと笑いながら話しかけてくる。

- もしかしてぶつかったのかな？僕は何も感じなかったけど。

- ええ、そうみたいです。凄い衝撃音を感じましたし、ほら、実際に車が損傷してますから、、

- これは僕がやったのかな？

- そうです。以前にはこんな傷はありませんでしたから。

- わかった、わかった。大丈夫。車は保険会社がなんとかしてくれるから、、、

確かにおじさんの車のように大きなジープだと、ぶつかっても分からない場合もあると夫が言っていた。

それにしてもなんだかお酒に酔っているかのような陽気さのおじさん。

単に人が良いのだろうか？

不幸中の幸い、交差点の曲がり角にいた警察官が顔をだしてくれる。

そうだった。

ここの交差点にはラッシュ時に常に警察官がいるんだった。

だから前の車は急停車したのか。

いつもは検問にビクビクしてしまう警察官も、この時ばかりは天使に見えた。

- 凄い音、聞いたわよ。あぁ、これはあなたやっちゃったわね。

とおじさんに向かっていう婦人警官。

-とにかく場所を移動して頂戴。

そう言って立ち去ってしまった。

とにかく車を移動しよう、そう言ったのはおじさんの方。

当て逃げされた事もある私は、念のためおじさんの車両ナンバーの写真をすかさずとる。

➡️当て逃げされた時も相手はすぐにいなくなったのだが、幸いにして、私がすぐに車両ナンバーを控えたので、保険会社がアフターケアをしてくれた。

幸いにしておじさんは良い方だった。

車両ナンバー、免許証等すべての情報をくれ、きちんと対処してくれるとのこと。

( 名字はイギリス名だったから、イギリスの血が入っている方だったのか。)

本来なら、CIDと言われる事故証明のような紙を書くべきだった様だが、お恥ずかしながら私はCIDの存在すら知らなかった。

おじさんがCIDは？と言ってくれていたが、分からなかったのだ。

夫はスポーツジムの真っ最中で電話は通じず、娘も早く帰りたがっていたのでCIDには触れず、必要となるべく情報のみ頂き帰宅したのだった。

➡️CIDはあるにこしたことはないが、どちらかと言うと相手が合意していない場合に必要とのこと。相手が合意している場合は相手の車両ナンバーや免許証、身分証などの詳細でなんとかなるようである。

帰宅した夫よりは、

精神的に少なからずダメージを受けた私は明日の料理教室を泣く泣くキャンセル。

( Aちゃん、ごめんね💦)

まぁ、確かに今日は買い出しすらいけないから仕方ない。

事故は心が緩んだ時に起こるともいうから、また気を取り直してとあらたに心を引き締めた私だった。

そして未だ動揺の収まらない私である。

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