なぜ蜃気楼は見えるの?簡単に原理を解説!

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最近は新しいことに色々と手を出していたので、久々にちゃんとした身近な疑問ということになります!

いよいよ梅雨に入り、夏が近づいてきたなというところ。

夏と言えば海!山!川!虫!など、楽しみがたくさんある季節かと思います。

そして、そこで忘れてはならないのが砂漠ですよね。

更なる暑さを求め、砂漠に行きたくなってくるのではないでしょうか。

日本に巨大な砂漠はありませんが、鳥取砂丘に行けば、体感することはできますよね。

いや、更なる暑さは求めないか。。。。

話がかなりそれてしまいましたが、夏や砂漠と言えば、『蜃気楼』を思いつくかと思います。

もちろん冬にも見える場合もありますが、あるはずのない場所にオアシスや、ビルなどが見えるのも蜃気楼。

アニメやドラマなんかではこの蜃気楼といえば砂漠というイメージがありますよね。

ん?私だけですかね。

もちろん海でも見えるはずのない船が見えたりすることもあります。

とまぁ、そんな蜃気楼は科学が発達し、光の性質がわかってきた現代だからこそ、そこまで驚かない現象かもしれませんが、昔の人にとってはすさまじく衝撃的な現象だったことは間違いありません。

そのことは蜃気楼の文字を見てもわかります。

蜃気楼の『蜃』という字は蜃気楼を作り出すと言われる伝説の生物であり、かつてその生物が気を吐くことで楼閣(高く立派な建物)が現れると言われていました。

また、その生物とはハマグリであったり、龍であったりとされていたそうです。

かつて蜃気楼は巨大な生物が産み出すものと言われていたんですね。

では、あるはずのない場所に物が見える蜃気楼はどうして見えるのでしょうか?

それは、大気に温かい場所と冷たい場所の温度が異なる所ができた時、光が屈折し冷たい方へ進んで行くので普通は見えない場所に物があるように見えてしまうのです。

そんなことを言われてもいまいちピンとこないかもしれません。

今回も順番に詳しく解説していきます!

1.光の屈折

通常光はまっすぐに進んで行きます。

例えばレーザーポインターで示したい場所を照らすと、まっすぐに赤い光がその場所を示してくれますよね。

もし曲がってしまっていたらレーザーポインターが使いにくくて仕方がありません。

このように本来、光は大気の中をまっすぐ進むのです。

しかし、そうでは無い場合もあります。

大気の密度が異なれば、光はまっすぐ進まなくなってしまうのです!

それこそが蜃気楼が起こる原因なんですが、一体どういうことでしょうか。

最初から大気中の話だとイメージが付きにくいので、光が水の中に進んで行った場合、どうなるのか?というところからお話していきましょう。

例えば、水に自分の腕を突っ込んでみて下さい。

恐らく、空気中にある場合とは自分の腕が違うように見えているのではないでしょうか?

これは密度が異なる水から空気に出てくる時に屈折しているからです。

水の方がいっぱい詰まっていて密度が高いですが、空気はスカスカで密度が低いですよね。

光は密度の高い水の中では進みにくいですが、密度の低い空気では進みやすくなり、その結果、屈折が起きるのです。

私たちの目は、光がまっすぐ進んでくるものだと判断しているので、やってきた光を直線状になぞった部分に物があるように見えてしまうのです。
 

では、簡単な実験をしてみましょう!

10円を器の底に入れます。

 この角度から見ると、ほとんど10円は見えていませんよね。

しかし、水を入れると!

なんと、水が無い場合だと、全く見えなかった10円玉が、見えるようになったではないですか!

このように光は密度の違う物質を通る時、屈折するというわけですね。

空気だって同じです。

温かい空気は密度が低くなりますし、冷たい空気だと密度が高くなります。

このように空気でも密度が違えば、光は屈折してしまうのです。

2.蜃気楼

光が密度の違う物質で、屈折するということはお分かりいただけたかと思いますので、いよいよ蜃気楼の説明をしていきます。

普通では考えられない場所に物体を見せてくれる蜃気楼には、実は以下の3パターンの種類があります。

①.上位蜃気楼
②.下位蜃気楼
③.鏡映蜃気楼

それぞれ、大気の温度の状態によって見え方が異なる蜃気楼となっており、どの蜃気楼も空気の密度(温度)が異なる層となってしまった結果、光の屈折が起こり、みえるのです。

また、①上位蜃気楼と②下位蜃気楼が良く見られる蜃気楼となっています。

では、それぞれ詳しく説明していきましょう。

3.上位蜃気楼

名前の通り、上側にあるはずもないものが見えるという蜃気楼です。

例えば、冷たい海によって大気が冷やされ、地平線の先に沈んでいて見えるはずの無い船が見えたりする現象。

つまり、下側に冷たい大気、上側に温かい大気が来た時、光が段々と屈折していくことで冷たい空気(密度が高い)の方へ進んでいくことで起こります。

※あくまで図はイメージを優先しています。

このように本当は下の方にあるものが上側にあるように見えてしまうというわけです。

4.下位蜃気楼

こちらも名前の通り、下側にあるはずのないものが見えるという蜃気楼です。

さきほどの下位蜃気楼とは逆に、地面によって大気が温められ、ビルや島、オアシスなどが浮かんで見えてしまう現象。

下側が温かい大気、上側は冷たい大気がくることになります。

こちらも先ほどと同じく、光が屈折によって冷たい空気の方(密度が高い)に進んでいくので起こるということです。

※あくまで図はイメージを優先しています。

このように下側にあるはずもないものが見えてしまうのが下位蜃気楼というわけです。

5.鏡映蜃気楼

最後に鏡映蜃気楼ですが、とても珍しい現象で、滅多に見ることはできないそうです。

先ほどまでの蜃気楼は上下で大気の温度に差があると、起こる現象ですが、この鏡映蜃気楼は、左右で大気の温度差が無ければ起きないのです。

名前の通り、鏡に映したように、上でも下でもなく、左右に出現する蜃気楼。

確かに、平面方向ではなく、水平方向に温度が異なる状況というのは見つけるのが難しそうですよね。

日本でも九州に伝わる不知火という妖怪は、この鏡映蜃気楼が原因であるともいわれています。

6.さいごに

暑い夏の日のアスファルトを見るとなんだかもやもやしているのは陽炎といって、同じように光の屈折によって起こる現象なんですが、蜃気楼とは言いません。

この陽炎は熱によって起こる上昇気流などによって発生する小規模な物。

しかし、蜃気楼は層状の異なる温度の大気によって起こる大規模なものなのです。

どちらも光の屈折によって起こる現象ですが、規模によっても呼び方が異なるのですね。

そういえば、実は最近Youtubeを始めたのですが、この3つの蜃気楼を簡易的な実験で再現したりとかもいずれはしてみたいと思います。

その時まで楽しみにしていただけると幸いです。

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