2018年1月21日日曜日

韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)って何?


 触れると火花が散りそうな話題はできるだけ避けたいのだが、2015年の慰安婦問題日韓合意への韓国側追加要求については、リベラルとされている人たちの中にも驚きと呆れが生じている。文在寅大統領も、国内の支援団体の意見を考慮してのことのようだが、この団体の代表的なものが韓国挺身隊問題対策協議会(以下挺対協)であろう。

 私は、以前からこの団体に不信感を抱いていた。掲げている理想は高邁である。軍隊に従軍慰安婦などあってはいけないし、やむをえずそれに従事した女性たちを支援していこうという主張には私も同意できる。問題は、それを強烈な反日運動に結びつけている点である。もちろんある程度結びついてしまうことは仕方がない。しかし、本当に被害者の女性たちの側に立っているのかという点に不信感があるのだ。

 著書『帝国の慰安婦』で告訴されて有名になった朴裕河(パク・ユハ)氏だが、彼女が2006年に著した『和解のために―教科書・慰安婦・靖国・独島』は、すばらしい著作である。韓国(あるいは北朝鮮)の人々が、どのように日本の過去を許していけるのかを問うたもので、私は、「日本人だから」という理由からではなく、「許し」というのはこうあるべきだと共感した記憶がある。人類は残念ながら、多くの残虐行為の歴史を抱えているが、それをどのようにして宥恕するかという叡智も蓄積してきた。その叡智が活かされなければ、1990年代にルワンダで起きたツチ族とフツ族の対立のように、復讐の連鎖とジェノサイドが起きる可能性があるのである。

 宮沢内閣のときの「河野談話」に基づき、1994年に村山富市内閣総理大臣によるお詫びの表明、およびそれによる「女性のためのアジア平和国民基金」設置は、和解の大きなチャンスだったと思う。しかし、このときの挺対協の抵抗は根強かった。その中で、これは問題だと思えるのが、このときの見舞金を受け取った元慰安婦への暴言である。2000年から代表になった伊貞玉(ユン・ジョンオク)は、「(日本側が)罪を認めない同上金を受け取れば、被害者は自ら志願して赴いた公娼となる」という発言で、受け取った元慰安婦たちを脅しあげたのだ。このような脅しがあれば、受け取ろうと思っていた元慰安婦たちも断念せざるを得ないだろう。こういう発言が、本当に彼女たちのためになるだろうか。被害者がどのようにして安寧を得るかということを考えれば、とても被害者の側に立っているとは思えないのである。

 挺対協への支持者は韓国にも日本にも多い。この理由として、隠れた戦争犯罪を追及したいという人道主義に賛同したいという点は理解できる。しかし、被害を受ければ倍返しというように、徹底的に加害者を叩きのめすのが痛快だという理由で支持をしているならば、その点は切に改めて欲しいと思う。実際、何か発言しようとして、朴裕河氏のように挺対協に攻撃されたらたいへんなことになるということで、口をつぐんでいるサイレンスマジョリティも韓国人の中には多いということも忘れてはいけない。

0 件のコメント:

コメントを投稿