イラスト:角砂糖

 

オーブランス王国騎士団長:コンラート

リニス王国貴族令嬢:リディア(18)

 

○あらすじ

結婚式間際、リディアは突如現れた暴漢たちに浚われてしまった。連れていかれたのは外遊に来ていた大国の王子の船だった。

しかし、それは花嫁間違いで、王子は恋人が望まぬ結婚を強いられているのを助けるつもりだったのだ。

 

間違いに気が付いたものの、船はすでに出向しており、王子の恋人もすでに結婚式を終えているであろう。

リディアの処遇に困った王子に、実行犯であるコンラートは国の後宮に入れてはどうかと持ち掛けるが、リディアは固辞する。

それというのも、リディアは貴族の娘でありながら、社交界にでたこともなく、きちんとした教育も受けていないからだ。とても大国の王子の後宮に入れるような身分ではないと、断ったのだった。

 

妻を亡くした父が結婚をした継母は、リディアに対して冷酷だった。そのことで父と継母は不仲になり、父は体調を崩して領地に引きこもってしまったのだ。そして、その間、継母と義妹たちの散財によって、家の財政は傾いていた。そこで、継母たちは30歳も年上の富豪とリディアを結婚させるところだったのだ。

 

リディアは、一人、近くの港に卸してもらうことを希望した。そこから教会にいって、仕事を探し、一人で生きて行くと言ったのだが、それに反対したのはコンラートだった。

そこで王子はコンラートに命令をする。「では、お前が責任を取って彼女と結婚をしなさい」と。コンラートは二つ返事で了承した。

 

船内で式を挙げた二人だったが、騎士団長とはいえ、やはり自分とは身分が釣り合わないと、途中寄港した港で逃げ出すのだが、コンラートはそんなリディアを追いかけてきて、リディアが逃げ出せないようにと、既成事実を作るのだった。

 

○感想

このコンラートさま、ちょっと女性に偏見があるみたいで、最初にリディアをさらった時、王子の恋人ではないのは知っておりました。

王子の恋人は、不本意な相手との結婚と言っておいて玉の輿を狙っていたのですが、実はそんなではなかったんですねえ。むしろ偶然居合わせたリディアの方が悲惨な結婚だったんで、王子の後宮に入れば、喜ぶだろうと浚ったんですね。そんな女性ばかりを見てきていたので。

 

ところが、コンラートの予想に反してリディアは後宮入りを拒否。さらにコンラートとの結婚も逃げ出す始末。コンラートも大国の騎士団長であり、いいとこの出だったし、条件は悪くなかったのに、喜ぶどころか困惑顔。

そんなリディアにコンラートは好意を抱き始め、本気で妻にしたいと思うんですね。ただ、これらのことは、無表情で無口なので最後らへんに語られます。

 

実は、このあとラキア国の国王にリディアを譲ってくれと言われるんです。リディアもその方がいいというんですが、コンラートはまたリディアをさらうようにして連れ去ります。

そして、きめ台詞「どんなことでもします。かならずあなたを幸せにする」ってさ!

ここまで言われちゃ、落ちないわけにいかないよね!

 

濡れ場シーンは、わりとあっさりした表現ですが、コンラートさま自体は結構粘着系言葉責めみたいです。

スペックは高いのに、不器用なコンラートさまに星4つです。