禁パチは人と比べてはいけない。

ギャンブルによる借金

私には600万円を越える借金が有ります。

禁パチを始めた事で、「この借金が無ければどんなに幸せな生活だろう...。」と考える事も有ります。

お金だけを考えると0からやり直せる...ではなく、マイナスからのスタートです。
毎月の返済を考えると気の重くなる毎日なのは変わりが有りません。

本来であれば借金以外に遣い込んできたお金を考えると貯蓄だって有った筈です。

パチンコに限らず、ギャンブル依存症の多くはお金の事で悩んでいます。
当たり前ですよね。勝って勝って損益がプラスであればギャンブルを止めようとは考えないですもの。

マイナスを取り返そうとギャンブルに頼り、結果負債が増える...。
この様な毎日を過ごしているうちに後戻り出来ないくらいの状況になってしまいます。

私の場合、最初は小遣いで遊べる範疇での遊戯でした。
その頃はまだMAX機と呼ばれた機種が全盛で、1〜2万円の投資で勝つ時は10万円を超えたりと勝ったり負けたりを繰り返していました。

その後、パチンコに通う回数が増え、当たり前のように負ける回数も増え、いつしか貯蓄にも手を出すようになりました。

貯蓄を全て遣い果たし、いけない事と分かっていながら生活費までも遣い、最終的には消費者金融で借金までする事になりました。

1社では足りず、2社3社と借入先が増え、借りられる先は徹底的に調べ尽くしました。

借り入れが100万円の大台を越えたあたりで「大変な事をしてしまった」という気持ちになりつつも止める事が出来ず、借金は増え続けました。

その頃はまだ銀行系ローンも審査が厳しく無かったので数社から借り入れが出来たのです。

その後も毎日金利が上乗せされて借金が増えているにも拘らず、少しでも手元のお金を増やしてやろうとパチンコを打つ日々が続きます。

冷静に考えれば、数百万円もの大金をギャンブルで稼げる筈が有りません。
ただし残念な事に、その頃は既にギャンブル依存症なっているので冷静な判断が出来なくなっているのです。

今日、数万円勝てれば...と目先のお金だけしか見えずに、どんどん負けて行く。
根本的な考えが間違っていました。
今日1万円負けた...では無く、今までのトータル収支金額で考えなくてはいけません。

仮に今までに100万円負けていれば、今日1万円負けた事でトータル101万円負けたという認識が足りなかったのです。
それなのに、たまたま数万円勝っただけで「昨日の負けを取り返した」「これで今月はプラスだ」と足下しか見えて無く、当然その勝ち分は次の軍資金と消え、結局マイナスが増えて行くだけでした。

ステレオタイプのギャンブル依存症です。

本当に「勝った」と言える時はトータル収支がプラスに転換した時だけなのに...。

下には下がいる

ここまで読んで、「コイツよりかはまだマシだ。」と思う方もいらっしゃるかも知れませんね。

私もそう思っていました。
禁パチブログ等を読んでいても、私より多い借金を抱えていたり、ギャンブルが原因で離婚したなどという記事が溢れているので...。

お金にしろ、生活環境にしろ、ギャンブルのように簡単に行えて欲求や刺激の強い物事は下には下がいます。

そして人間はついつい自分より下の人間を見つけては安心したがります。
世の中に沢山の差別が無くならないのはそういった人間の本能が有るからなのかも知れません。

ただ、そうやって自分を見つめず、他人の事ばかり見ていると私の様にあっという間に堕ちて行きます。

堕ちるのは本当に簡単です。
環境を改善せず、今のままで良いのですから。
放っておけば勝手に今より悪化します。

いつしか自分より下だと思っていた人よりも多額の借金をしていたり、逆に他人に「アイツよりマシだ」と思われる様になっていたりします。

人と比べない

大切な事は人と比べない事だと思います。
最初に書いた私の借金の流れを見ても分かるように、止められたタイミングは何度も有ります。

小遣いの範疇を越えたとき、貯蓄が底を付いたとき、借金をするとき、借り入れが2社になったとき...。

今思えば本当に何度もチャンスが有りました。
「もう借入先が無い」と泣きそうになってからも結局は借入先を数社増やしてしまいました。

ただその時には漠然と止めたいなと思っていただけで、自分の事を真剣に見つめていなかったのでしょう。

他人は関係ありません。
他人の借金が私より多いからと言って、私の借金が減る訳では有りません。
他人の食卓が貧相だからと言って、私のおかずが増える訳では有りません。

逆に禁パチを数ヶ月、数年続けている成功者とも比べないようにします。

自分以上に苦しんでいる人を見ると安心したり、自分以上に頑張っている人を見ると不安になったりと、ついつい自分自身の立ち位置が分からなくなってしまいます。

向き合わなければいけないのは私自身の人生でした。

そこに気がつくのに本当に時間がかかりました。

過去を振り返らない