もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

司法取引制度の導入に思う

2018年03月17日 | 与党

 日本でも司法取引制度が、6月から導入されることとなった。

 司法取引は、世界各国で様々な形で導入・制度化されているそうである。アメリカの司法取引はハリウッド映画ではおなじみの制度で、全ての犯罪に対して煩雑な捜査の短縮や裁判の放棄によって国費の節約をはかり、その代償として被告(容疑者)の量刑を軽くするもので、刑事裁判のほとんどがこのような自己負罪型の司法取引で結審するとのことである。日本で導入される司法取引では適用されるのは一部の犯罪に限られ、それも共犯者の存在と共犯事実を自供することで事件の解明に寄与する代償として量刑を軽減する捜査・公判協力型と呼ばれる制度であるらしい。司法制度について一般的な知識しかないので的外れであるかもしれないが、これまでにも共犯者を明らかにすることで情状酌量されることが映画やドラマで多く描かれているところを見ると、司法取引という明確な契約は別にしても同様の酌量はあったのではないだろうかと推測する。となれば、今回の制度自体が、裁判官の裁量に任されていた酌量の範囲と程度を法律に規定したもので、司法全体に及ぼす影響は極めて少ないと考えられるし、「虚偽供述のリスクを考慮すれば一部の企業犯罪や贈収賄事件に限られるのでは」とのベテラン裁判官の言も併せて報じられていることからも明らかであろう。

 サイバー犯罪やテロ等の犯罪の多様化と少子化による労働人口の減少を考慮すれば、現在の司法制度(特に警察職員数)を維持することが困難で治安が悪化する事態が早晩到来するであろうことは明白である。司法関係の人的・物的資源を有効に活用できる米国型の刑法犯への自己負罪型司法取引も導入しても良いのではないだろうかと考える。


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