離婚も成立し、先ずはしっかり地盤を固めるべく、急いで姉と共にアパート探しをした。
部屋は、ほとんど陽が入らないが、こじんまりと暮らすには丁度良い2LK車庫付きで木造2階建てアパートの2階。家賃は4,0000円である。
車は、姉からボロボロな軽自動車をもらい、子供達を向かい入れる事も考慮して準備を進めた。
着々準備を進めている中、子供達はビンゴ君の実家に居るので安心していたのもつかの間。
ある日、電話をすると子供達はビンゴ君と出かけた、今は居ない、もうすぐビンゴ君が帰ってくる等の理由でなかなか子供達には会わしてはもらえなかった。
そうこうしていると、今度は電話に出なくなったのです。
イヤな予感がした。
ワタシを、我娘の様に大事にしてくれたビンゴ君の親を心底信頼していたので、最初は何か事情があったのかな?程度に考えて、なるべく迷惑かけない様遠慮していたのです。
ところが、月日が経ってもそれは続き、そのうち不信感を抱く様になりました。
なんで?なんで?どうしたのだろう?
子供達に何かあったのかな?何かワタシに知らせれない事情があるのかな?
どんどん不安がよぎり居ても経っても居られず車を走らせたのです。
ビンゴ君の実家の前を通ってみると、ビンゴ君の車が無かったので勇気を出してチャイムをならすも出ないのである。
玄関の硝子からは居間の光が漏れているのに、居留守を使う程拒絶されているのか不安だった。
いったい何が起きているのか、このまま会えないのか。
不安と共に、苦しみが押し寄せて来た。自分はこれからどうしたら良いのか途方に暮れ焦りが増して来たのです。きっと、何かの間違いであって欲しい。そう願いながら帰宅したのです。
そんな時、ビンゴ君から電話が着た。
電話に出ると、ビンゴ君は明るい声で子供達に会えない苦しみはどうだと言って来た。
辛いだろう。悲しいだろう。と。
そして二度と実家にも来るな電話もするなと言って来た。
義母さんはなんて言っているのか聞くと、ワタシに接触するなと言ってあるから頼っても無理だよと笑いながら言い放った。
ワタシの中で、大きな計画と大きな安心と大きな信頼がガタガタと音を出して崩れて行った。
まさか、あの優しく声をかけてくれた義父さんが、安心してて良いよと言ってた義母さんが、ワタシを守ってくれ見方してくれた唯一の2人が、一気に敵になってしまった。
信頼しきってただけに、完全なる予想外だったのです。
それから、毎日毎日朝も昼も夜も夜中も、ビンゴ君からののしる電話・留守電・メールがひっきりなしに続いたのです。
それは、寝る隙も、そして1分1秒たりとも他の事を考えさせないかの様に続いた。
電話の内容はいつもこう。
最初は、辛いなら戻ればいい我慢なんてしなくていいんだよと明るく優しい口調で話していた。
そして電話を切って2・3分後くらいにまた電話が鳴り、子供達の為だ、何迷うんだ、なんでこんなに言っても解らないんだ!と今度は怒り出した。
そして又電話を切って2・3分後くらいに電話が鳴り、子供達が寂しがっている、オレも寂しい、戻って来てくれ、お前が居ないと何も出来ない。と今度は泣き始めるのです。
と思ったら、又電話を切って2・3分後くらいに電話が鳴り、オレは頑張っているんだ、オレは変わったんだ、以前のオレとは違うんだ、子供達の面倒もみている、こないだはイルミネーション見に行ったんだ。とケラケラ笑っていた。
泣いたり笑ったり怒ったり、クルクルと感情を変えてそれはずっと続くのです。
電話に出ないと、これと同じ様なメールが交互に何十件と受信になっていた。
説教、依頼、説得、脅し、愛の告白、泣き落とし。更に子供達に会えない苦しさがプラスして精神状態がガタガタに崩れて行った。
話を聞く度どんどんと、ワタシと言う人物が卑劣で卑怯な存在かと、自分自身恐ろしい程醜い存在の様に感じてきたのです。
ワタシの心理状態を支配し始めるビンゴ君。
いわゆるそれは、マインドコントロール状態だったのかもしれません。
どんどん憔悴してくワタシの姿を見た、かつてのママ友の1人だった友人が、以前ビンゴ君の義母さんとも仲が良かった為、ワタシのこの状況を見かねて直談判しに行った様です。
結末は、惨敗だったとの事。
説明してもお願いしても「困る」の一点張りだったそう。
せめて写真だけでもと友人は使い捨てカメラを渡すが、息子に知れると怒られる、勝手な事をされると迷惑だと言い放ち、門前払いされたそうでした。
断固なる拒絶。
決定的なる断絶。
子供達は?何があっても会わせるって言ってたじゃない?
約束は?もう二度と会えないの?
信じてたのに!信頼してたのに!
この世の終わりとばかり、まさにお先真っ暗。
もぬけの殻となり途方に暮れ、人生が終わったとさえ思えた。
ワタシは毎日泣き、自分の愚かさに苛立ちを覚え、自分を攻めて攻めて攻めて寝れない日々が続いた。お酒にも頼る様になり、ママ友が見かねて毎週毎週様子を見に朝迄付き合ってくれた。
もう、戻るしか無いのかな。。。
いつしかそんな思いが出て来たのです。
そんな時、ワタシの噂を聞いた元同僚である友人が、元上司にワタシの話をした様なのです。
その上司はビンゴ君と結婚した時の仲人さんでした。
その元上司から電話が来て、話しをしました。
ビンゴ君の暴力の事、離婚の事、子供達の事、会えなくなった事。
そして戻ろうか考えて居る事。
元上司は、少し強い口調でこう言いました。
お前が戻ったって何にも解決しないぞ。
同じ事の繰り返しになる事なんて目に見えてるだろ。
あいつは変わったと言っても変わらないだろうな。
昔から、ビンゴ君の事を知っている元上司の言葉には説得力があった。
性格を知っているからこその助言なのです。
そして、うちの会社に来ないか?と言ってくれました。
上司の居る会社は、我街ではその業界では有名な大手企業でした。
そこで役職に就いている元上司が部長に話しておくからと言ってくれたのです。
そこには、元同僚も数多く居て、ワタシをこのまま1人にすると潰れてしまうと悟った元上司は、なじみのある顔ぶれが居る場所だと気晴らしにも相談相手にもなるし安心して生活して欲しいとの善意での話でした。
もう、それは感謝しかありませんでした。
こんなワタシにも、手を差し伸べて助けてくれる人がたくさん居る事。
こんなワタシを、想ってくれる人が居る事。
大丈夫だ。なんとかなるよ。
元上司のその言葉が、ボロボロになったキズだらけの心に痛く深く染み込んだのです。
そして、その会社に就職する事になりました。
右見ても左向いても、そして前を向いても暗黒の世界。
それでも皆の支えで自分の足元に灯りを照らし、確かめながら1歩1歩前へ歩く事を決め、少し安心したのもつかの間。
入社する1週間前、それは始まったのです。
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