満月のスープ 2017年12月 | 風のたまごを見つけた   

風のたまごを見つけた   

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ひんやりひんやりひんやりひんやりLetter from December Fullmoonひんやりひんやりひんやりひんやり

 

銀河の源の光が

 

太陽系にとどき

 

私にとどき

 

あなたにとどく。

 

 

あなたは

 

そう想像して

 

自分を

 

小さく感じてしまう。

 

 

ほんとうは

 

あなたの光が

 

私にとどき

 

宇宙に届く。

 

 

光の

 

はじまりは

 

あなたのひらめき

 

小さな純粋。

 

 

わたしの輝きは

 

やわらかい髪を耳にかけながら

 

嬉しそうに私を見上げる

 

あなたの瞳。

 

なつかしい、なつかしい

 

魂の輝き。

 

ひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやり

    

 

 

窓から満月が見える小さなスペースで

朝摘んだハーブをきざんで

満月を浴びた鍋のお湯に入れる。

おばあちゃんのキッチンは土間にあった。

亡くなってからも、時々ハートに響いてくる

おばあちゃんの、あたたかい声

満月の夜は、こころを開いて

おばあちゃんの光のスープを

静かに、飲んでみるのです。

 

                   レイラ

 

 

 

 

12月のこころ

 

ブルーグレイ ー レイラの孤独

 

 

 

「こんばんは。おばあちゃん。

こっちは12月だよ。

 

今年も楽しかった~、と言いたいけど、

この世界はキビしいね。

いつも本当の言葉が見つからない。ほんとの気持ちが

喋れない。レイラの居場所はまだみつからない」

 

 

「こんばんは。

相変わらず、きまじめなレイラ。

言葉は限りがあるわね。

 

まずは、ほっとするお茶を飲みましょう。

 

今日の葉はカモマイル?」

 

 

「そう、リンゴの香りがほっとするの。

あたしの心、栄養不足だよ。

 

おばあちゃんといると、言葉がいらなかったね。

一緒にいるだけで、ぜんぶ伝わった。安心した。

魔法だね。今はこんなに情報がいっぱいなのに

何かを隠すみたいな言葉ばっかり。

ほんとはさみしいんだ、わたし」

 

 

 

「レイラ、地球はみずの星。感情の星。

ここから見ると、誰ひとり

孤独に生きているひとなんていないわ。

 

小さい頃から絵をたくさん描いていたあなた。

わたしに見えるのは、孤独じゃなくて

あの頃と変わらない、あなたの素晴らしい想像力。

自分の心の力で、ブルーグレイの絵の具で

さみしい世界を

とても上手に描いてるあなた」

 

 

「わたしが描いてる?」

 

 

「そうよ、心で描いてる。レイラ、

あなたの心はすごいのよ。すごい想像力を持ってる。

全部そこから始まるの。

孤独も、平和も愛も。

絵筆を握っているのはあなたよ。

もっともっと自由に使って

あなたのその想像力を」

 

 

「ジョン・レノンみたい(笑)」

 

 

「こうしてる時間も、あなたの心が

世界を描いているのよ。心から

かたちが流れ出してゆくの。

 

けれど、もし

さみしいと思う気持ちが生まれたのなら

それを創造したのなら

 

ひとりぼっちはいけないなんて考えないことよ。

孤独でさみしいことは、

よくないことだと思い込まないこと」

 

 

「でも暗い顔は嫌われるよ。

だからわたし、一応笑うの。結構上手いのスマイル。

インスタ見せたいな」

 

 

「ひとの常識を信じるのはやめて、レイラ。

無理して笑ったら、本当のほほえみは生まれない。

生きているから、いろんな感情がわき上がるの。

あなたから、はじまる感情をたいせつにして」

 

 

 

 

「ほんとうのほほえみ。。」

 

 

「誰かとこころが通じ合ったり、共感できると

孤独じゃないと思うわよね。

それは大切なこと。

でも幻想かもしれない。

人と笑い合って、感情を分かち合う時間は

すばらしいわ。

でも、永遠じゃない。

ごめんねレイラ、どんなに大切な時間でも

ここから見ると、永遠でないものは、

真実じゃない。孤独も同じよ。

だから

孤独の感情を、色をながめたり

音楽を聴くように、味わって過ごしてみて。

気を楽に持って、大切にして。

そして、そう出来る人と

いっしょにいなさい」

 

 

 

「わたし、いつも

おばあちゃんみたいに笑えるようになりたかった。

おばあちゃんは、さみしくはなかったの?」

 

 

「レイラは私の眉毛が八の字になっちゃったって

私の眉を撫でたことがあるわ、おぼえてない?

おじいちゃんが亡くなったとき。風景が

灰色になった」

 

 

「ああ、あのとき!本当にかわいそうだったよ」

 

 

「悲しくってどうしようもないときは

眉毛が八の字になっちゃうの。それでいいの。

レイラ、

どんな時も、

頭でストーリー練り上げて、かわいそうな自分を

作り上げないこと。

あなたの感情をただ、色や音のように

味わってみて。豊かに。

そのうちに、それも幻想だったと

気づくかもしれないから。

そうして、あなたの知らなかった微笑みが

わきあがるかもしれない」

 

 

「私は、、、

気づけるほど賢くない気がする」

 

 

「気づいても、気づかなくても

たいした問題じゃないわ。

今だけを感じていれば、

真っ白なキャンバスに絵を描くことができる。

 

あなたは満月にうっとりするけれど

あなたがいなければ

月も輝けないのよ」

 

 

「そんなわけないよ(笑)」

 

 

「いいえ、ほんとうのこと。

私の場所から見えるあなたの光を、見せてあげたい。

あなたは言葉に尽くせないほど

美しく輝いているのに、

あなたは自分がすっかり暗く陰っているように

私に語りかける。

秘密を言うとね、

あなたが月を美しいと感じるのはね、

それはあなたの美しさなのよ。

ちょうど鏡を見て、美しいと感じているのに

鏡の自分を他人だと思ってるの。

おかしいでしょう」

 

 

「あたしがあたしを見てるってこと?

あたしはちっとも輝いてないけどな」

 

 

「ひとはときどき

自分に意地悪よね。でも

正直にいてくれることに、ありがとう。

あなたはこうして自分に向き合っている。

それも月の光のように、とても美しいわ。

 

ふりをすると

光からずれてゆくからね。

いつも自分のほんとうを感じて生きることを

大切にね。

その大切さがきっとわかるから」

 

 

「見て!窓の月の位置が変わったよ。おばあちゃん。

もう一回、お茶をを煮出すよ。

買ってきた茶葉があるんだ」

 

 

「ねえレイラ、

煮出すとき

お湯の中でくるくるとダンスする

小さな茶葉を

かわいいと思わない?

人間の話なんて無視して

無邪気に踊って。

 

どこかの誰かが

飲む人のために

一生懸命育ててくれたハーブ。

 

ひょっとすると茶葉を育てた人だって時々、

あなたのようにさみしいと思い込んでいるかも

しれない(笑)」

 

 

「あるかも!」

 

 

「ちょっと、違う味がしない?

そう思うと。

 

飲み干したら

お休みしましょう。

 

明日の地球はもう

今日の地球ではないし

 

あなたもう、今日のあなたじゃないわ」

 

 

 

                               ♡続く♡

 

ひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやりひんやり

 

長文を読んでくださってありがとうございましたラブラブ

 

いつのまにか登録したアメブロジャンルがなくなってしまい、

これを機に、下記のエッセイ・随筆に登録することにしました。

 

 


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