シリーズで赤ちゃんに知恵を授けるというテーマで書いていますが、今回が最後です。
前回は赤ちゃんや子どもに言葉をおしえるとき、漢字をカードを使って教えてあげればいいですよ、という話をしました。
では、どうして、ひらがなではなく漢字を教えるのでしょうか?
小学生でも先にひらがなを習ってから漢字の勉強に入るのに。。。と。
それはこのシリーズの初めに言ったように、この時期の子どもは丸暗記する能力が長けているからなんです。
漢字とは視覚を使った、目で見る言葉なんですね。
話す言葉は話し終わったら消えてしまいますが、これは目だよ。とカードをだして教えられると、その漢字を見ることができるので、覚えることが速くります。
人間は五感のうち視覚からが80%、聴覚からは11%の情報を得るそうです。
だから身近なものや関心のあるものを漢字で見せてあげることがいいんですね。
実際、おかあさんせんせがアメリカで小学1年生に国語を教えていた時、子どもたちはひらがなを覚えることに大変苦労していました。
しかし、漢字になると、とても覚えが早いのです。
子どものお母さんたちもひらがなであんなに苦戦したのにこんなにあっけなく漢字を覚えることができて!と驚いていました。
だけど、実は理にかなっているんです。
漢字では口や雨など、具体的なものの名前を教えてあげることができますよね。
しかし、「あ」や「い」というふうにひらがなでは、いまいちピンとこないんですね。
人間は具体的なものを理解して、抽象的なものの理解へと進んでいくのは分かりますよね。
たとえば、テストでもっといい点をとるのよ!と言うより、
算数のテストでは計算の問題を2回は解き直しをして全部合うようにするんだよ。
そして、文章問題も計算ミスがないかを検算して、答えの単位にも注意してね。
という方が具体的で後者のアドバイスを受けた子どものほうが点数が高いでしょう。
だから漢字を教えるときも具体的なものから抽象的なものが見えるように教える工夫をすることもできるんですね。
たとえば、鳩、鶴、鶏というものを知らなけらば鳥という概念がつかみにくいですね。
概念を理解する中で鳥というものを認識していくことが大切なんですね。
また、漢字にはへんやつくりがあるので、すごくその概念がみえやすいんですね。
松、桃、桜、椿、梅は木。
狼、狐、狸、猫、猿は動物。
肘、胸、腰、股、脳は体の一部。
などカテゴリーが分かりやすいですよね。
言いたいことは分かるけど、漢字をそんなに小さいときから教えて何になるの?
といった疑問を持った方もいるんじゃないでしょうか。
漢字は学力の基礎だから漢字の力と学力は正比例しています。
だから、今、中学生で教科書の漢字が読めないから教科書の内容を理解できない。
そのため学力が低下しているということがあげられます。
そんな理由も漢字を尚早に始める理由にはなりませんか?
それでは、このように考えてください。
野菜をたべると何になる?ということです。それは目に見えてこうなるという結果には現れませんよね。歯が白くなる。とか右腕の筋肉がついた。とかそんなことではありません。
野菜を食べれば体全体にいきわたって丈夫な体をつくる基礎となるんですよね。
理屈は同じです。
漢字をたくさん覚えると活発な思考活動の基礎になります。
以前も書きましたが、たくさんの言葉をもっているから、ものごとをより緻密に正確に認識することができるんです。
なぜなら、言葉を通してみないと、いくらよく見ていても認識にならないからなんです。
たとえば、流行のファッションにうとい人が街でおしゃれな人を見て、どうしたら、そのようになれるのかが分からないのと同じですね。
マキシ丈のハイウエストボトムスや袖コンシャスいう言葉を知っているから、あっ!あの人はハイウエストに袖コンシャスを合わせているからおしゃれなんだな~と認識できるのですよね。
ものの言葉を知っているから認識につながるんですね。
だから子どもが言葉を豊富に持つことは物事に対する認識を高め、思考を活発にします。すると、ものの見方も豊かになり、頭の働きをよくするということにつながるんですね。