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転職支援仲間からAさんを紹介されたのは、昨年のことだ。

何でも夢を追い求めるため、単身で沖縄に移住したらしいが、よくよく話を聞いてみると、現在は無職だと言う。どうやって生活しているというのか?

今流行りの田舎暮らしなのか?それとも何か目的があってのことなのか?興味があったので、直接お会いして話を聞くことにしてみた。

専門学校を卒業後、とある有名なスタイリストの助手になったのはいいが、10代の頃から持っていたサッカー選手になる夢をあきらめることができず、21歳のときフットサルの選手になろうと決意した。

どう考えても、まともな大人の考えることではないが、気な年のように夢の続きを語るAさん。


「フットサルクラブに入団目前だったんですけれど、右膝じん帯を切断してしまいましてね。」そんなわけで、次こそ本当に諦めがついた。

元々、自由的な気質を持つAさんは、バラエティーに富んだ職種を経験して、32歳の時にバーをオープンした。

「バーの運営は順調に行っていたんですが、その分だけに囚われるのもどうかな~と思ってしまったんです」

どうにかこうにか成功を収めていたバーであったが、「執着して一か所にとどまることが下手くそ」だそうで、38歳のときにバーを閉店することになる。

それから、バックパッカーとなって、インドや国内全国各地を12か月放浪したその後、去年の10月に沖縄へと足を踏み入れた。


「何かしら沖縄で偉業を達成できたらワクワクすると考えて、移住しにきました」と自身は口にするが、現在では6か月以上仕事をしていない状態が続いていて、次々と借金をして生活を送っている。

もう1回、偉業とは何だか聞いてみると「いまだに、やりたいことは見つけられてない」と、具体的なフレーズはこれと言って何も返って来なかった。


夢を追い求め続け、自分勝手に生きてきたAさんも今年度でなんと40歳になる。

リスキーなライフスタイルを営んでいるのは、当人もよくよく認識しているが、ここしばらくは少々動揺が出てしまう点も見受けられる。


「沖縄に引っ越して6か月が経過しましたが、いまだに沖縄の日々の生活になれていないです。今までと異なり、生活リズムが掴めない」

夢追い人がはたして何歳まで夢追い人でいられるというのか疑問が湧くと同時に、少しAさんを気の毒に思ってしまった