2018年04月06日
6カ国協議の枠組みのおさらい
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6カ国協議が話題になっているので、3月31日に書いた内容をもとにもう一度おさらいします。
6カ国協議とは、北朝鮮の核問題を解決するために2003年に始まった外交交渉の場です。
議長国は北朝鮮とつながりが深かった中国で、他の参加国は当事者である北朝鮮、同じ民族の韓国、この地域で最も影響力を持つ米国、北朝鮮の立場に理解を示しつつ傍観する隣国のロシア、米国の支援を行う日本です。残念ながら日本はもとから主体的な役割を期待されていません。
まず、当事国の北朝鮮ですが、米国に金正恩独裁体制を認めさせることを願っています。できれば「同盟関係を結び、北朝鮮を攻める国が現れたら守ってほしい」とすら考えています。
「まさか」と思うのも当然ですが、彼らは本気です。
そのために、米国に届く核・ミサイルの開発に取り組んだのです。
脅迫して友人になる。そんなことが国際政治では可能なのです。
今、トランプ大統領が米朝首脳会談に応じると言っていることこそ、北朝鮮にとっては今までの路線が大きな成果を上げている証明になります。
米国の本音は「できれば関わりたくない」です。その極端な例がオバマ政権の「戦略的忍耐」でした。あれは北朝鮮を無視するだけでした。その結果、北朝鮮は急速に核兵器開発を進展させました。今、トランプ政権は北朝鮮が米国本土に到達するミサイルをほぼ開発し、核の小型化技術も取得した可能性があるので、とうとう対話か戦争かの二者択一を迫られる状況になりました。現実的には対話で金正恩委員長をごまかしながら、体制崩壊に導きたいというところでしょう。
ですから、トランプ大統領が急に「やっぱり米朝首脳会談はやめる」と言い出すことも想定する必要があります。
中国の狙いは、南北が分断した状態の維持です。できれば金日成体制末期の状況に戻したいというところでしょう。中国は胡錦濤体制のころは、北朝鮮が改革開放にかじを切ることを願っていたと思いますが、習近平国家主席はそこまでは考えていないかもしれません。しかし、南北が統一し米軍が国境線のすぐ目の前に進駐する事態は絶対に避けたいのでしょう。
韓国の本音も現状維持です。戦争はもってのほかですが、統一してしまうと莫大な経済負担がかかります。せっかくほぼ先進国の水準まで経済発展したのに、北朝鮮を吸収してしまえば経済が破綻しかねないからです。北朝鮮が米国を刺激しないような振る舞いをすることを願いつつ、中国と一緒に現状維持の枠組みを守りたいと考えているのです。6カ国協議は、「日米韓と北中ロが対立している」という構図だと思っているととんでもない誤解です。そういう時期があったことは否定しませんが、現状は、「北米中韓とロシアと日本」です。
ロシアが目指しているのは、米国に対する嫌がらせと金儲けです。中国、韓国、ロシアは北朝鮮の核は自分たちの領土に飛んでくるとは思っていません。朝鮮半島が軍事的に乱れれば、損失を被るかもしれませんが、金正恩体制を脅威だとは考えていません。むしろ、北朝鮮を支援して米国が嫌がるなら、金正恩体制の支援に前向きです。
また、北朝鮮が外国からの投資を受け入れたり、資源の開発競争が始まるようになれば、ロシアはできるだけ優位な地位を占めたいと考えています。これは北朝鮮に大使館を置いている欧州各国にも共通する思惑でしょう。
日本は、北朝鮮と国交正常化するときに多額の経済支援を行うことが日朝平壌宣言で決まっています。他の6カ国協議参加国からは、「核問題が解決すれば金を出すと言えば良いのに、関係のない拉致問題ばかり提起して議論を妨げている」と思われています。
中国、韓国、米国が北朝鮮との対話に動く中、もとから異質な日本とロシアは議論の外に置かれています。いや、ロシアは北朝鮮と外相レベルの会談を行いますから、日本が最も阻害されていると言えます。その理由は、そもそもこの6カ国協議の中での日本の立ち位置と関係しているので、当然と言えば当然です。
今さら「置き去り」を警戒するよりも、日本の立場からどのように行動するべきかを考えることが必要でしょう。
ぶれることが最も不利な行動です。
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議長国は北朝鮮とつながりが深かった中国で、他の参加国は当事者である北朝鮮、同じ民族の韓国、この地域で最も影響力を持つ米国、北朝鮮の立場に理解を示しつつ傍観する隣国のロシア、米国の支援を行う日本です。残念ながら日本はもとから主体的な役割を期待されていません。
まず、当事国の北朝鮮ですが、米国に金正恩独裁体制を認めさせることを願っています。できれば「同盟関係を結び、北朝鮮を攻める国が現れたら守ってほしい」とすら考えています。
「まさか」と思うのも当然ですが、彼らは本気です。
そのために、米国に届く核・ミサイルの開発に取り組んだのです。
脅迫して友人になる。そんなことが国際政治では可能なのです。
今、トランプ大統領が米朝首脳会談に応じると言っていることこそ、北朝鮮にとっては今までの路線が大きな成果を上げている証明になります。
米国の本音は「できれば関わりたくない」です。その極端な例がオバマ政権の「戦略的忍耐」でした。あれは北朝鮮を無視するだけでした。その結果、北朝鮮は急速に核兵器開発を進展させました。今、トランプ政権は北朝鮮が米国本土に到達するミサイルをほぼ開発し、核の小型化技術も取得した可能性があるので、とうとう対話か戦争かの二者択一を迫られる状況になりました。現実的には対話で金正恩委員長をごまかしながら、体制崩壊に導きたいというところでしょう。
ですから、トランプ大統領が急に「やっぱり米朝首脳会談はやめる」と言い出すことも想定する必要があります。
中国の狙いは、南北が分断した状態の維持です。できれば金日成体制末期の状況に戻したいというところでしょう。中国は胡錦濤体制のころは、北朝鮮が改革開放にかじを切ることを願っていたと思いますが、習近平国家主席はそこまでは考えていないかもしれません。しかし、南北が統一し米軍が国境線のすぐ目の前に進駐する事態は絶対に避けたいのでしょう。
韓国の本音も現状維持です。戦争はもってのほかですが、統一してしまうと莫大な経済負担がかかります。せっかくほぼ先進国の水準まで経済発展したのに、北朝鮮を吸収してしまえば経済が破綻しかねないからです。北朝鮮が米国を刺激しないような振る舞いをすることを願いつつ、中国と一緒に現状維持の枠組みを守りたいと考えているのです。6カ国協議は、「日米韓と北中ロが対立している」という構図だと思っているととんでもない誤解です。そういう時期があったことは否定しませんが、現状は、「北米中韓とロシアと日本」です。
ロシアが目指しているのは、米国に対する嫌がらせと金儲けです。中国、韓国、ロシアは北朝鮮の核は自分たちの領土に飛んでくるとは思っていません。朝鮮半島が軍事的に乱れれば、損失を被るかもしれませんが、金正恩体制を脅威だとは考えていません。むしろ、北朝鮮を支援して米国が嫌がるなら、金正恩体制の支援に前向きです。
また、北朝鮮が外国からの投資を受け入れたり、資源の開発競争が始まるようになれば、ロシアはできるだけ優位な地位を占めたいと考えています。これは北朝鮮に大使館を置いている欧州各国にも共通する思惑でしょう。
日本は、北朝鮮と国交正常化するときに多額の経済支援を行うことが日朝平壌宣言で決まっています。他の6カ国協議参加国からは、「核問題が解決すれば金を出すと言えば良いのに、関係のない拉致問題ばかり提起して議論を妨げている」と思われています。
中国、韓国、米国が北朝鮮との対話に動く中、もとから異質な日本とロシアは議論の外に置かれています。いや、ロシアは北朝鮮と外相レベルの会談を行いますから、日本が最も阻害されていると言えます。その理由は、そもそもこの6カ国協議の中での日本の立ち位置と関係しているので、当然と言えば当然です。
今さら「置き去り」を警戒するよりも、日本の立場からどのように行動するべきかを考えることが必要でしょう。
ぶれることが最も不利な行動です。
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