セビリアの2日目の朝。昼前までに起きる事が出来ました!さて今日はセビリア大聖堂とアルカサル宮殿に行き、夜はフラメンコを観るというイベントフルな予定を組んだのですが、まずは朝ごはんを食べてエネルギー補給。朝食を食べながら、せっかくなのでスペインのソーシャルワーカーの歴史について調べてみました。何と言ってもこのブログの趣旨は「世界の車窓から」ならぬ「世界のソーシャルワーカー」ですしね 笑。では超簡単にスペインにおけるソーシャルワーカーの歴史をご説明してみようと思います(でも間違ってたらゴメンなさいという事で・・・)。
 
 
スペインは1936年から1938年までの間、右派と左派政権の対立の結果、内戦状態にありました。これを治めたのが陸軍参謀総長だったフランシスコ・フランコ。1938年間から1970年代までフランコ政権と呼ばれる独裁体制を敷きました。この独裁政権下において、スペインの福祉国家的制度(例: 国民健康保険、年金、失業保険など)の基礎が作られていきます。この頃からソーシャルワーカーという仕事も登場するのですが、この当時はカトリック教会管轄下・影響力の下での活動だったので、専門職としてのソーシャルワーカーと言うよりは、宗教活動の一部としての役割が大きく強調されていました。また独裁政権下、ソーシャルワーカーには社会秩序維持という隠れた役割もあったようです。
 
 
1970年代になって、フランシスコ・フランコが亡くなると民主化運動が起こり、スペインの民主政治が復活します。この頃からソーシャルワーカーも宗教から離別した専門職として活動するようになって行きます。また福祉政策も中央集権制から地方自治制へと移行していきました。1980〜1990年代にかけて、医療年金などの政策の充実が図られて来たのですが、近年は福祉予算カットの影響を受けて、若年層失業、公営住宅不足、保育所不足と介護負担による女性の社会進出の妨げと負担、貧困格差の拡大、などなど日本、アメリカ、イギリス、カナダを含む先進諸国が抱える共通の問題を、ここスペインも抱えています。今日台頭するNeo Conservative(ネオコン)政策下においてスペインのソーシャルワーカー達も、専門職としての立場そして需要が揺らいでいることに大きな危機感を持っているようです。
 
 
このように調べてみたら、やっぱりどこも同じなんだなぁーと安心するようなガッカリしたような気持ちになります。陽気に見えるここスペインの人達ですが、しかし、その彼らの生活にも厳しい現実、貧困の影のようなものが着実に忍び寄っている、と私の朝ごはんを食べながら行った「研究」では分かったのです。
 
 
・・・とまぁースペインのソーシャルワーカーについて学んだとこで、私の現実=休暇に戻りましょう 笑。
 
 
まずはアルカサル宮殿に向かいました。今朝も昨日と劣らずなが〜い行列が出来てます。しかもこの列全然前に進まないんです。どうやらアルカサル宮殿の入場券を買う列みたいで、入場券を持ってるらしき人は行列を横目にスイスイと入って行きます。そこでピーンと閃いた私の素晴らしき脳みそ。そうだ!オンラインでチケット買えばいいんだ!・・・と私が閃いたのでは無く、私の大きい耳が誰かの「Let’s buy this online! (オンラインデチケットカオウ!)」という話し声をキャッチし、そのアイデアを私の脳みそが処理したのでした。やってみたら、とっても簡単!3分でチケットをオンラインで買うとその足で行列横目にスタスタと入り口に入れたのです。行列に並ぶ人の「なんだこのアジア人?」という視線を感じながら優先入場する時の気持ち良さといったらありません(笑)。
 
 
 
アルカサル宮殿はアラブ建築とスペイン建築を融合させたエギゾチックな雰囲気でした。おわり。え?それだけなの!?あはは。実は私、あんまり華やかな宮殿とか教会に興味がないというか、感動しないのです。金キンキラキラした派手な建築物よりも地味だけど味わいのある建物の方に私の興味は惹かれます。同じように、立派で華やかなセビリア大聖堂もカトリック教会独特の威厳と権威が満載な感じで、どちらかというと重苦しさ、重圧感が強すぎて息が詰まりそうになりました。大聖堂で神のパワーを感じて癒されるって言うよりも、パワーに押されてグッタリする感じなのです。でもそれって私の心が汚れているせいなんでしょうかね???笑
 
 
 
アルカサル宮殿とセビリア大聖堂。富と権威の象徴の2つの建造物を見てお腹いっぱいになった私は、お昼寝(シエスタ?)の後、待望のフラメンコを観に行きました。この劇場は民泊おばさんおススメで、数々の賞を受賞した踊り子がいるそうです。小さな劇場は観光客でいっぱいです。そんな中最前列をゲットした私はやる気(見る気)満々でショーが始まるのを今か今かと待ったのでした。
 
 
 
そしてフラメンコの感想は・・・鳥肌が立ちました!踊りの技術もさる事ながら、踊り子のフラメンコで表現する怒り、悲しみ、焦燥の感情に圧倒されました。歌い手と踊り手が互いに主導権を握ろうとするような掛け合いの中に、愛情や憎しみと言ったような激しい感情を踊りで爆発させる踊り子。激しいステップが観る者の感情を揺さぶり、そのステップが鳴り止んだ瞬間の沈黙は、さっきまでの激しさと対照的で、それが逆にさっきまでの激情の余韻をジィーンといつまでも心の中に残すのです。感情を言葉でなく踊りで表現するって、なんとパワフルなんだろう!フラメンコの激しさに私はすっかりハマってしまいました。明日もまた観に行っちゃいそうです 笑
 
 
という感じで、今日もイベントフルな1日を過ごしました。大満足!そして今日最後の締めは、イカ墨パスタ〜。うまかった〜。それでは、みなさんお休みなさい。