2018年5月25日(金)19:00開演

九州交響楽団第367回定期演奏会を聴いてきました。

 

   プログラム

 

前半のモーツアルトでは、ピュアトーン とか ピリオド奏法

などと言われる奏法(=特に弦楽器はビブラートをかけない)で演奏していました。

バロック音楽で採用される奏法ですね。明るめ・軽めの音を表出できます。

 

モーツアルトやハイドンあたりではこの奏法を採用する指揮者・楽団が多いですが、

何年か前、N響をロジャー・ノリントンが振った際、エルガーのチェロコンチェルト(!?)で

この奏法を採用しており、とても驚きました。が、今思えば意欲的な試みだったと思います。

 

九響のピリオド奏法、大変よかったです。

音楽界においては演目によってモダン楽器でもこの奏法を取り入れるようになってから

年月も経ち慣れているのでしょう、対応もお手のものだなーと思いました。

少しだけ一般人の勝手な欲を申しますと、この奏法を行うのであれば、

「低弦はジャストオンでなく、心持ち前めで」、と思いました。

 

日本の民族性(ジャストオンの音楽)でしょう。良い・悪いではなくて特徴・特性と思います。

西欧オケの「心持ち先導する低弦」を生で聴き、その効果に圧倒され、このことが

西欧音楽のエッセンスの一要素をなしていると確信した時、

「聴衆としての聴き方」について思いを致したものです。

が、

最終的には「心地よく、楽しく聴くこと」これが一番! と思っています。

 

そして、大変素晴らしかったのが、

クラリネットのダニエル・オッテンザマー氏。

弱冠 32歳、ウィーン・フィルの首席クラリネット奏者です。

モーツアルトの“絶対名曲” クラリネット協奏曲を完璧な技術とさわやかな表現で

会場の聴衆を魅了致しました。

 

ストラヴィンスキーの「葬送の歌Op.5」は

彼の師であったリムスキーコルサコフへの追悼の曲。

続いておなじみの「バレエ組曲 火の鳥」。

厳かに盛り上がっていく表現は九響はお手のモノですね(^^。

 

指揮者のカーチュン・ウォン氏は弱冠32歳、

指揮スタイルも、これから練られていくのでしょう。

期待の若手です。