2018年02月21日
ADHDは「甘え」ではない
こんにちは。
ADHDの夫を持つアラサー主婦 はるです!
ADHDを抱える人と、それを支えるすべての人が楽しく毎日を過ごせるよう、様々な情報を発信していきます。
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ADHDという言葉が広く世の中に広がり、その特性などあわせて認知が定着してきましたね。
ですが、まだまだ理解が浅く、間違った認識や、ごく一部だけを大げさに切り取った誤解を生みやすい情報が拡散されているように感じます。
よく、「ADHDは甘え」という言葉を耳にします。
それは確実に間違った認識なのですが、
確かに、ADHDへの理解が足りなければそう思われても仕方がないよなぁ…と思う部分もあります。
では、なぜADHDは「甘え」などと誤解されてしまうのでしょうか?
ADHDとは?
ADHDとは、脳の情報伝達物質に障害があります。
具体的にはドーパミンなどが受容体とうまく結合できず、トランスポーター(取り込み口)が過剰に働き、神経伝達物質を再取り込みしすぎてしまう可能性が考えられています。
神経伝達物質が受容体に結びつきにくくなることで、脳が情報伝達を十分に行えなくなってしまいます。
それによって、
多動性・衝動性・不注意などといった症状が現れます。
集中力がない・または興味のあることに集中しすぎてしまう傾向や、落ち着きがない、
注意力が散漫、凝り性、物事の優先順位がつけられない、時間によく遅れる、片付けができない、
ホウ・レン・ソウが苦手、すぐに疲れてしまう、最後まで集中して話を聞いていられないなど、一口に「多動性・衝動性・不注意」と言っても、日常生活の中でその現れ方は様々です。
これらは、普通の人がちょっと気をつければ防げるミスや問題がほとんどです。
でも、その「ちょっと」がどうしてもできない。
それがADHDの特性かなと私は思います。
また、ひとつひとつの問題は些細なことかもしれませんが、
繰り返すことで本人の自信とやる気を喪失しやすい。社会的信用を失いやすい。意図せず大切な人を傷つけてしまうなどの大きな問題に発展してしまいます。
ADHDを抱える人の努力
私は、ADHDを抱える当事者ではありません。
だから、ADHDを抱える方の気持ちを察することはできても、本当に理解することはできないでしょう。
ですが本当に理解することはできないからこそ、相手の状況を自分に置き換えて、ADHDを持たない人にも分かりやすく伝えることが出来るのではないかと思っています。
ADHDの人は、脳内の情報伝達物質の働きが不十分です。
そしてそれに似たような状態は、ADHDを持たないわたしたちの脳でも当たり前に起こりうるのです。
・なんだか頭に靄がかかったような感じ。
・やる気が起きず、けだるい。
・いつまでもケータイゲームを続けてしまってやるべきことに手がつけれられない。
・集中しようと努めても、気がつけば他のことを考えている。
・何かしようと思って立ち上がったのに、何をしようとしていたか忘れた。
・今さっき頼まれた用事が思い出せない。
・いつもなら笑って許せる冗談にイラッとして、つい大声を上げしまう。
・なんだか考えがまとまらず、同じことをぐるぐると考え続けてしまう…
こんな症状、身に覚えはありませんか?
疲れが溜まったり、嫌なことがあって落ち込んでいたり、寝不足のときって、上記のようなちょっと頭がぼーっとしてしまうことってよくありますよね。
ADHDの方は、頭の中がつねにそんな状態であると考えると、わかりやすいかもしれません。
ですが、ADHDの多くの人は、それを相当の努力でねじ伏せて、どうにか毎日を送っています。
私の夫の場合は、毎日同じ時間に電車に乗って通勤するだけでも、相当の努力が必要です。
起きて、出かける準備をしていても「うっかり」家を出る時間を間違えてしまう。
ホームで電車を待っていても、「うっかり」乗るのを失敗してしまうのです。
けっして、仕事に行きたくないわけではありません。
わたしは理解できず何度も「え、気をつけてよ!」と言ってしまいました。
いつも「気をつけてるんだよ」と返事が来ましたが、「もっと気をつけて!」と畳み掛けてしまっていました。
ですが、そういうわたしも、家事と生まれたばかりの子どもの世話に追われ、仕事の納期を「うっかり」勘違いして仕上げられなかったことがあります。
醤油を買いに出かけたのに、あれこれ目移りして「うっかり」肝心の醤油を買い忘れて帰ってきたことも・・・。
その時の自分の頭のボーっとしたなんともスッキリしない感じが、常に付きまとうのがADHDであれば、こんなにつらいことはないな、と思います。
どんなに気をつけようと思っても、できなくて。
だからもっともっと気をつけようと頑張って、なんとか毎日を送っているADHDの方もたくさんいます。
ADHDを抱える人は、みんな頑張っているんです。
ADHDが「甘え」だと思われる理由
ADHDの特性は、
集中力がない・または興味のあることに集中しすぎてしまう傾向、落ち着きがない、
注意力が散漫、凝り性、物事の優先順位がつけられない、時間によく遅れる、片付けができない、
ホウ・レン・ソウが苦手、すぐに疲れてしまう、最後まで集中して話を聞いていられないなど、一口に「多動性・衝動性・不注意」と言っても、日常生活の中でその現れ方は様々です。
普通の人が「ちょっと」気をつければ出来ることができないので、一般的にADHDの人はだらしがない、やる気がないと言ったレッテルを貼られがちです。
周囲にADHDへの理解が乏しければその分だけ、「もっとしっかりしろ!」「ちゃんとして!」「どうしてできないの!」と思われてしまうのです。
また、そうした状況でADHDだと発覚しても、そもそもの信頼関係が崩れてしまっていますから、「言い訳するな」となってしまいがちなんですね。
わたしは、ADHDの夫に対して、「もっとちゃんとして!」と思い続けてきた側の人間なので、ADHDが単なる言い訳に写ってしまう心理もよくわかります。
さきほど、ADHDを抱える人はみんな頑張っていると書きましたが、
ADHDを支える人もまた、頑張っているのです。
相手のADHDに振り回されて、よくわからないけど面倒なことは全部自分任せ、常に相手の尻拭いをしているような気分になったこともあります。
そして、ADHDのひとが血の滲むような努力でそれらをねじ伏せ、生活していたとしても、それはADHDを持たない人にとっては、普通のこと、なんですよね。
ADHDを抱える人が日常生活の中で努力していることは、表面化しにくいのです。
こちらは、チコリたなか@chikorizm さんがTweetしたもので、とてもわかり易かったのでご紹介させて頂きます!
「えー?発達障害?そんな風に見えないけど、考えすぎ!」
↓表面上に見えてないので見えるわけがない。
↓表面上に見えてないので見えるわけがない。
まさに、このイラストが示すように、水面下での努力を絶えず行い、普通の人と同じようにしようと頑張っているのが、ADHDを抱えるすべての人に共通することかなと思います。
これについて、いやいや普通の人が何も努力してないみたいに言うなよ!という意見もあるかと思います。もちろんそれは当然のことで、みんな水面下で必死に努力して生活しています。ADHDだから頑張らなくてもいいとか、ADHDだけど頑張っていて偉いと言いたいわけではありません。
すこし説明を付け加えると、
多くの人が難なくこなせる「毎日同じ電車に乗る」というタスクも、
ADHDを抱える人の場合、家を出る時間を視覚化して常に意識する、アラームをたくさんセットしてうっかり遅れないよう注意する、ホームではスマホ禁止にして電車を意識する、など、ADHDを持たない人が想像もしないようなたくさんの努力をした上で、やっと実行できる ということです。
ADHDを持たない人が、「え?そんなことで?」と思うような日常のあらゆる場面で、ADHDの人はたくさん努力をしていて、それでもミスが起こってしまうのです。
そのミスを「本人の努力不足」「甘え」と言うのは間違っています。
ADHDを支えるあなたを傷つけないためにも
いかがでしたでしょうか?
ADHDは甘えでも、本人の努力不足でもないことが、少しでも多くの方に分かっていただけたら嬉しく思います。
いま、ADHDのパートナーを支えている人の中には「じゃあつまり、私がもっと献身的にサポートして相手を許せということ?」と絶望する方もいるかもしれません。
わたしは、夫がADHDだとわかった初期に、こういう記事を読むたびに、死刑宣告を受けたかのような暗い気持ちになっていました。
そんな方はこちらもご覧ください。
*ADHDのパートナーを支えたい。感じる不安と、それに向き合う力1/2
*ADHDのパートナーを支えたい。感じる不安と、それに向き合う力2/2
ADHDを正しく理解していくことは、ADHDを支えるあなたを辛く苦しい状況から救ってくれる一番の近道です。カサンドラになりかけた私が立ち直れたのは、ADHDへの理解を深め、ひたすらに自分を癒やしたから。⇨こちらがおすすめです。100%オーガニックハーブティーブランド【MENT】
どうか、ADHDを支えるあなたが、必要以上に傷つき疲れないように…
当ブログがそのためのお手伝いを出来れば、嬉しく思います。
最後に、掲載の許可をいただきましたチコリたなか@chikorizm さん、本当にありがとうございます。
最後までお読み頂きありがとうございました!(^^)
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