こんにちは
映画を観たり他の本を読んでいたりして
この作品の発売日を過ぎてしまい
慌てて昨日の夜から読み始めました
思わぬ展開に引き込まれ一気読み
作品はこれ
『熟れた月』
宇佐美まこと/光文社
憧れの阿久津先輩のお母さんに託された、「ウーピーパーピ―の木の下に埋めた」
という不思議な伝言を伝えるために、女子高生の結は桜並木の土手を一気に走る。
早く、早く先輩にこのおまじないを伝えなくてはと使命感に急いだが、彼女は阿久津佑太には
会えなかった。代わりに現れた柏木リョウという少年が、その言葉が彼にとって大切なことなら、
いつかきっと誰かが彼に伝えてくれるはずだと言う。「世界はつながっているんだ。時とか空間とか。
それから人と人も」。癌で余命半年と医者から宣告されたヤミ金業者のマキ子も、その「田所リース」で
働く、落ちぶれた取り立て屋の乾も、生まれてから車椅子の生活しか知らない身体不自由な博も、
彼らの世界は、どこかでつながっているとーー。
殺人事件からの幕開け
そして犯人である母の息子への不思議な伝言
「ウーピーパーピーの木の下に埋めた。」という
謎の言葉を託された結
謎の言葉とまさかの展開に唖然
やがて物語は闇金の女主人マキ子と
その下で働く者たちへと展開する
訝しく思いつつも引き込まれ止まらない
マキ子の人生に人の歩む底辺の世界の元凶に
嫌悪を感じながら心が痛む
憧れの阿久津先輩や結の眩いばかりの青春が描かれ
正反対に位置する底辺の世界で生きるマキ子たち
その生々しい生き様から目をそらさずにはいられなくなる
取り立て屋として底辺を
転落人生を歩むことになった乾
末期がんに侵されたマキ子が出会った
身体が不自由な博
重ならないはずの幾多の人生に登場する
柏木リョウ
それがやがて少しずつ繋がってゆき
殺人事件がそして「ウーピーパーピーの木の下の埋めた。」
この言葉の謎が解かれてゆく
桜の土手、陸上のトラック、学校、神社、
池袋の裏路地、公園の風景、
ウーピーパーピーの木のある丘、etc
暗い部屋の色も含め
色彩豊かな景色とともに
各々の織りなす人生が手に取るように描かれていて
その世界に引き込まれ一気読み
心の痛みを少し伴いながらも
読み終えた時は温かい思いに包まれました
人はどこかで繋がっていて
どこかで人を傷つけたり
どこかで人を救っているのかもしれない
ほんの少しの勇気でほんの少しの愛で
ちょっとだけ視線を変えたら
見える景色は違ってくるのかもしれない
せわしく過ぎる時間の中で
どうしてもおざなりになりがちな
身近な人にちゃんと目を向けて大切にしよう
そんなことを思わされました
お勧めです
2月20日発売されたばかりです
ご興味ある方は是非読んで見てくださいね
熟れた月
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熟れた月
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この本映画化してくれないかなぁ~
ファンタジーでもあるので映画にぴったりだと思うんだけど
お気に入りの本は映像化されるのを
嫌だなぁ~と感じるのにこの作品は
色彩豊かなので映像化して欲しいと感じました
是非演技派の俳優さんに演じて欲しい
誰が良いかなぁ~
柏木リョウは菅田将暉さんかなぁ~
透明っぽい不思議な感じの人が良い
妄想は止まりそうもない