とろける精進スイーツ・わらび餅_平成30年精進料理お供え膳

手作りわらび餅_精進料理レシピ

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◇「手作りわらび餅」の概要と魅力

わらび餅というのはもともと、わらびの根元から抽出したデンプンを使って練り上げたものを指します。葛や、馬鈴薯から取る片栗粉などのように、「わらび粉」というデンプン粉があるのです。古くは、飢饉などの際には干上がった地面を掘ってわらびの根から取った粉をこねて餅状にし、飢えをしのいだこともありました。

しかしわらびからデンプンを抽出するのは非常に効率が悪く、多くのわらびの根から非常に少量しか採れないため、現在となってはわらび粉は高級品となりました。そのため市販されているお菓子の「わらび粉」は、わらび以外の食材から採ったデンプンで作られているものも少なくありません。

このように、本来のわらび餅は、いわゆる山菜のわらびをそのまま使って作るわけではなく、わらびの根から取り出される粉を使って作った餅状の菓子、ということになります。この場合、ワラビの味は、あまりしません。

しかし和食の世界では、それをわかった上で、あえて山菜としてのワラビを使って、ワラビの味がする餅を作る「わらび餅」もあるのです。今回紹介するのはこちらの方です。春のわらびの風味を練り込んだ、格調高い和菓子です。形や大きさ、練り具合や堅さなどを好みのままにアレンジできるのが手作りの良さです。

ワラビは貴重な山菜で、値段も高価です。穂先の部分は、柔らかくて見た目も良いため、姿を活かす料理に使いますが、堅い部分はそのまま食べると筋っぽいため、捨ててしまう方も多いようです。これを捨てずに、プロセッサーで溶いてわらび餅に仕上げるのです。無駄を出すことなく、わらびの春の風味を楽しむことができます。

ワラビが出回るのはもう少し後になるため、今回は水煮を使いました。ワラビ粉が入手できなければ、くず粉を使って練り上げてください。

プルプル、プリプリした、口中で溶けるような柔らかい食感とともにワラビの風味が広がります。コクのある黒蜜と、きなこのきめ細やかさが上品さを醸し出します。今日は彼岸の中日です。仕事が休みで時間がある方は是非手間をかけた「精進スイーツ」わらび餅を手作りして、ご先祖様にお供えしてはいかがでしょうか。

◇「手作りわらび餅」のレシピと調理手順

1 アク抜きしたわらび70gを2分ほどゆでます。アク抜きの手順はこちらでご確認下さい。なお水煮わらびでもかまいません。

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2 ゆでたわらびをフードプロセッサーに入れ、昆布だし50mlを加えてドロドロにします。

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3 鍋に移します。昆布だし400ml、ワラビ粉またはくず粉大さじ6、酒大さじ4、みりん大さじ2、砂糖大さじ3~4、塩小さじ1/2を加えて強火で火にかけ、木へらで沈殿しない程度に軽くゆっくり混ぜます。   手作りわらび餅_精進料理レシピ

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4 暖まり、鍋のフチが透明に固まりはじめたら、木へらを動かす速さを上げます。2分ほどで、それまでシャビシャビだった水分が一気にドロドロに変化しますので、この間になるべく一生懸命かき混ぜて、ダマができないようにします。

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5 ドロドロになりかけたら火加減を弱火に落とします。

6 この状態になってから15分ほどこね続けます。

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7 湯飲みに、ラップを大きめに広げておきます。

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8 練りあがった中身を湯飲みに移します。 手作りわらび餅_精進料理レシピ

9 ラップのふちをつまんで茶巾のように絞りあげ、根元をなるべくパンパンになる部分まで詰めてきつく輪ゴムで縛ります。

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10 あるいは小分け容器に直接注ぐか、四角く仕上げるなら流し缶などに注ぎ、しばらく常温で冷まして、あら熱が取れたら冷蔵庫に移して固まるまで2時間ほど冷やします。

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11 ラップで包んだ分は、固まったら根元をハサミで切って、とじ目が下側に向くようにして(ツルツルの部分が上になるように)盛り付けます。

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12 黒砂糖20g、水大さじ3、酒大さじ1を小鍋で煮詰めて黒蜜を作ります。

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13 黒蜜と、きなこ小さじ1程度をまぶします。

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