原題の意味どころか、映画の内容や主題までをも歪めてしまう、悪い邦題が話題になりやすい昨今ですが、今作に関しては、日本語版の『リメンバー・ミー』というタイトルは、映画の内容を的確かつ端的に表していて、原題『COCO』よりも、むしろピッタリなのではないか…と思いました。
アメリカに住むメキシコ移民のためにつくられた、メキシコを舞台にしたアメリカ製アニメ映画、ということで、本国では英語のタイトルをあえて避けて、『COCO』というタイトルにしたのかな、という気もしますが、日本人の観客としては、『リメンバー・ミー』という劇中歌の印象的なフレーズと同じタイトルで、とてもしっくりきました。
メキシコの「死者の日」を題材にした、不気味ながらも陽気で極彩色の世界観が非常に美しくて、魅力的でした。
メキシコの祖先崇拝の文化は日本のお盆にも通じて、馴染み深く、とっつきやすかった点も良かったです。
『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のハロウィンの国を彷彿とする、オレンジの色彩と、ガイコツという組み合わせには、ディズニーランドのハロウィン・シーズンのコンテンツを増やすために作ったんじゃないのか?なんて、邪推してしまいそうになりましたが、映画さながらのフェイスペイントやメキシコ風のお祭り、コンサートをパーク内で再現してくれるなら、絶対に足を運んでしまう…と思いました。
女が強い家庭、特に、厳しい祖母に躾けられた経験のあるひとなら、主人公の気持ちが痛いほどわかる…と思います。
おすすめです。