同級生４(終): 婚活するのに若返らなくっちゃ！

2018年04月14日

同級生４(終)

同級生４（終）

　三歳上のHさんが、皆気を良くしている時に「あと１０歳位若かったらな～」

と言ったことによって、私の友達アイちゃんは頭に来て

しまった！

勿論私もそうだが、この年齢になって歳のことでの冗談は通用しない。

その日はとりあえずお礼を言って用意したプレゼント

を渡し帰ったが、紹介するのも

疲れたし、もうこれきりにしたいと思った。

　次の日、同級生のD君から電話

が入った。

私はHさんの言動、それについてアイちゃんが怒っていたことをD君に伝えた。

D君はHさんの発言を知らなかったと言っていた。確かに少し離れて座っていたので

聞こえなかったのかもしれないが、、、

しかし、Mさんに関しては食事を取り分けてくれたり、飲み物

を注文してくれたりと

私もアイちゃんも彼に感謝していることを付け加えた。

そしてもうこれで終わりにしたいとD君に告げた。

　紹介というのは実に難しいものだ。

お互いが気に入れば良いが、気に入らなかった場合周りの空気もしらけてしまう。

今回、最初に嫌な予感がしていた。

それはHさんはB型で、アイちゃんはA型。このパターンは反発し合うことが多い。

『知らぬが仏』でもA型の女性２人はB型の元旦那さんと犬猿の仲で離婚している。

Hさんには最初O型の神戸か、滋賀か、徳島の女性を紹介するつもりだった。

しかし、皮肉にも皆都合が悪かったり、緊急事態で来ることが出来なかったのだ。

こういうことが縁というものなのか？

　数日経って携帯

がなった。

D君からの謝罪で、Hさんにも謝るよう話したという。

その後Mさんが電話に出て本当に申し訳ないと謝罪する。（Mさんは少しも悪くない

どころか、逆に色々気を使って頂いてこちらこそ申し訳ない限りだ）

そして最後にHさんが出て、やっぱり彼は何も話さなかった。

アイちゃんの方にも電話があったようだが、Hさんは無言だったそうだ。

　私もアイちゃんもMさんに対して申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

彼は今回のお詫びも兼ねて、もう一度カラオケに招待したいと誘ってくれた。

立つ鳥跡を濁さずではないが、有終の美を飾りたいと持込可能のカラオケ屋さんだった

ので、手料理を作って持って行くことにした。

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　７月中旬に同じカラオケ屋さんで会は開かれた。

今度は別の４歳下の婚活で知り合った女性に声をかけた。

べつに頼まれた訳ではなく、男女同数の方が盛り上がるのではないかと考えた

からである。

これが最後になるかもしれないので、出来るだけステキな思い出として残るように。。。

彼女は三重県に住んでいるが、たまたまその日は会社の研修でこちらへ来るというので、

少しでも顔を出してほしいと頼んだ。

D君もHさんもかなり期待をしていたようだ。

ところが、当日のその時間になって行けないというドタキャンメールが入った。

何という悪い予感の幕開けか！私は嘘でないことを証明をする為、メールをMさんに

見せた。

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　D君は老眼でメールの字が見えない。

最初大きな拡大鏡のようなルーペメガネをかけてきたが、体裁を気にしてか

それを持ってこないで、アイちゃんの手を握って命令調で歌を探させていた。

４歳下の女性がドタキャンしたので、女性は私とアイちゃんだけになってしまった。

そこへもってきて、又もやHさんがアイちゃんに言った。

「凝りもせず又来たんか！」

アイちゃんが怒って

、戦争が始まった！

　最初私に、「Mさんの隣に座ったら？」と言ってくれていたD君がそこへ参戦して、

Mさんと仲良く会話していたらD君が酔っ払って、怒ってテーブルを叩く！

余計な話はするなと私とMさんの間に割り込んでくる、

トワ・エ・モアの『ある日突然』をデュエットしようと

（歌詞にただの友達がその時変わる～というのがあるので断わったが）歌いだす、

握手をしよう（何故？）、手を握ろう（何の為に？）とステージ上まで追っかけてくる。

　もうメチャクチャ状態。（嫌だ～！！泣きたい～

）

それでも気を取り直してこれが最後になるかもと冷静を装った。

　用意した手料理をテーブルに並べた。

メニューはクックパットに出ていたローストビーフの簡単な作り方を読んで、

黒毛和牛のロース肉でローストビーフを作った。

あと、Mさんの好きな出し巻き卵焼きのプレーンタイプとネギ入り・

キュウリステックの金山寺味噌添え・サンドイッチ・サーモンスライス・生野菜の

オニオンドレッシングがけ・生ハム・おつまみに、おかき・チーズ・サラミなどを

持ち込んでカラオケ部屋はちょっとしたミニパーティ会場に変った。

　食べ物を前に、何とか騒動は治まったようだ。

Hさんはお腹を壊していると言って、最初料理には箸を付けなかったが

ローストビーフを口にしてから、色々な物を食べまくっていた。

（お腹を壊しているようには見えなかった。逆にお腹を壊すのではないかと

心配になった）料理が口に合ったのかもしれない。

彼の離婚の原因は料理にあったのかもしれない。

　私がMさんの隣に座ると、D君がMさんに絡むのでMさんが困った顔をして、

その顔を見た瞬間彼に迷惑はかけられないと悟った。

それから後は、Mさんの隣を避けて座った。

終わったなと思った。。。

　
　次の日、D君から電話

があったが「あの態度は何なのか？」と

問いただしたところ彼は黙っていた。

それから何度も電話とメールが入ったが、一切出なかった。

すると、今度はMさん（前に電話番号を登録しておいたので）から電話があり、

次にはHさんらしき人からも電話が入った。勿論とらなかった。

そこでやっとわかった。D君が２人に電話するよう頼んでいたのだということが。

彼らは３人で１セットなのだ。１人だけとるわけにはいかないのだと。

　ピンポ～ン、ある朝インターフォンがなった。

誰だろうと「どちらさまですか？」とインターフォン越しに聞き返すと

「俺や！Dや、出といで」と言うのである。インターフォンのカメラを見ると野球帽

を

被ったD君の姿が写っていた。

怖かった！本当に怖かった。

家を教えてもいないのに、営業だからか一人で探し当てて来たのか？

まるでストーカーだ。

でも彼は同級生だから訴えるわけにもいかない。

表には出ず、家の中で震えていた。

それからも電話やメールが入ったが一切出なかった。

　そして、この悪夢のような期間はやっと終わりを告げたのだ。

　　　季節は春