「 あめをまつ少女 」 | ヨシュアとカレブの散歩道

ヨシュアとカレブの散歩道

ボカロP ニト。です。 自由に絵や詩を描きます。

 

 

少女は一人 傘を掴み

少し遠くの 空を見ている

降って来たのは 銀の羽

炎を纏って 落ちる鳥

 

焼けた港で 少女は一人

沈みかけた 船を漕ぐ

少女は一つ その一つ

黒い海に 言葉を浮かべる

 

「 雨を待ってます。 」

 

「 雨を待ってます。 」

 

 

少女は一人 傘を握り

倒れた家の窓を 潜っている

焼け残る 焦げた絵本

首の落ちた ぬいぐるみ

 

誰もいない校庭に 少女は一人

炭の鉄棒で 逆上がり

少女は一つ たった一つ

空との境に 言葉を差し込む

 

「 雨を待ってます。 」

 

「 雨を待ってます。 」

 

 

焼け野原の片隅に 一輪の花がある

乾涸びた湖の 水溜りに魚がいる

入り込む倒木の下 雛鳥が泣いている

傘以外燃え去って 一人少女がいる

 

それだけ 一つだけ

 

少女は待っている

 

まだ あるもの のために

 

少女は 傘をさす

 

「 雨を待っています。 」

 

「 雨を待ってます。 」

 

「 雨を待ってます。 」

 

「 雨を待ってます。 」

 

 

 

 

 

 

 


にほんブログ村気に入ったらクリックしてね‼


にほんブログ村

 

 


イラスト詩ランキング