どんな資格試験でもそうですが、過去問に取り組むことは重要です。
行政書士試験においては、年度ごとの過去問を少なくとも5年分は解くべきでしょう。

この記事では、過去問にいつから取り組むべきか考えていきます。
まず、過去問が持つ2つの役割を押さえてから、具体的な話に進みましょう。

過去問が持つ2つの役割とは

過去問の役割① 出題傾向を知ることができる

過去問を使うことにより、過去の出題内容、問題形式、難易度を知ることができます。

行政書士試験の試験範囲は広いので、各科目においてどんなテーマがよく出題されているのかを知る必要があるでしょう。
出題形式も、5肢択一式、多肢選択式、記述式の3種類があり、同じ5肢択一式もいくつかのタイプに分かれます。

  • 単純に正しい肢(誤っている肢)を選ぶもの
  • 組み合わせ問題(各肢が複数の記述や語句で構成されている問題)
  • 個数問題(正しい記述や誤っている記述の個数を問う問題)

このような出題形式があり、それぞれ解き方が変わってきます。
難易度は年度によって多少のバラツキがありますが、どの程度のレベルが求められているのかを知ることは大切です。

過去問の役割② 実力を試すことができる

過去問のもう1つの役割は、自分の実力を知ることです。

年度ごとの過去問を解くことにより、自分が合格レベルに達しているのかどうかを知ることができます。
模試によって実力を確認することもできますが、実際の本試験問題がもっとも確実でしょう。

ただし、テキストや問題集ですでに一部過去問に触れている可能性が高いので、過去問の点数を鵜呑みにすることはできません。
過去問と模試の両方を使って、自分の実力を確認しながら学習を進めることが重要です。

過去問はいつから取り組むのが正解?

過去問の持つ2つの役割をふまえて、過去問にいつから取り組むのが良いか考えていきましょう。

過去問を使うタイミングは難しい

「出題傾向を知る」という1つ目の役割を考えると、過去問には早めに目を通すことが求められます。
出題傾向を把握してから学習を進めたほうが、効率が良いからです。

一方、「実力を試す」という2つ目の役割を考えると、過去問に挑戦するのはある程度実力が付いてからが理想的です。
学習が進んでいないのに過去問を解いても、解けるわけがないからです。

このように考えると、年度ごとの過去問を使うタイミングはなかなか難しいところです。

出題傾向を知るために過去問に目を通してしまえば、すでに問題を知っているので実力を試すのが難しくなります。
逆に、実力を試すために過去問を取っておくと、出題傾向を知らずに的はずれな学習を進めてしまう恐れがあります。

過去問を目的ごとに使い分ける方法も

ここからは考え方次第になりますが、上記のジレンマを解消するために、過去問を使い分ける方法があります。
たとえば5年分の過去問を持っているなら、3年分は傾向を知るために早めに目を通し、2年分は実力を試すために取っておくといった具合です。

もちろん、「実力は模試でも確認できる!」という考えであれば、初期の段階ですべての過去問に目を通したほうが良いでしょう。
逆に、「模試は本試験とレベルが違うかもしれないから、過去問で到達度を確認したい!」というかたは、過去問を見ずに取っておくのも一つの方法です。

ちなみに私はどうしたかと言うと

私自身は、実力チェックに使うために過去問はすべて取っておきました。
というのも、私は完全独学で臨んでおり、各スクールの模試を受けることはありませんでした。
模試は市販の模試のみを使うことにしたので、問題レベルが本試験と同等のものであるか、不安を感じていました。

そこで、「過去問は自分の実力を知ることができる唯一のツール」と位置づけ、一通りの学習が終わるまで見ないことにしたのです。
そもそも試験の半年前に学習を始めたこともあり、初めて年度ごとの過去問を解いたのは8月半ばになりました。

この方法によって、たしかに自分のレベルを知ることはできたと思います。
ただ、今になって考えてみると、少なくとも1、2年分の過去問は学習当初に見ておくべきだったかなと思います。
私は過去問を十分に分析していなかったため、配点の少ない科目に時間を掛けすぎてしまったり、やや的はずれな学習をしてしまった部分があったからです。

また、過去問は1度解いて終わりではなく、苦手分野を強化した後で再び解くことが大切です。
早めに過去問を解いた方が、確実に合格に近づくことができると感じました。

ちなみに心配していた市販の模試は、本試験に近いレベルのものだったと思います。
市販の模試を使って到達度の確認を行なうことも可能でしょう。

まとめ

過去問には2つの役割があり、使う時期は悩ましいところです。

実力確認用に数年分を取っておくとしても、学習の初期段階から本試験問題に目を通し、内容を知っておくことをお勧めします。