楽しい囲碁教室 に行って参りました。
これ ↑ は教室の名前です。
うん、囲碁の教室であるということ以外は何も伝えてこない… 気もするけど、
実のところ、町屋文化センターで毎週月曜日の午前中に開講しているこの囲碁教室は
とっても楽しいです
教室は9時45分から始まります。
まずは詰碁で頭の体操。
このところの詰碁の問題は橋本宇太郎先生の 「 詰碁・太平記 」 から出題されているようです。
ふうむ、そんならちょっくらアマゾンで注文して答えを覚えておけば全問正解できるんじゃないか
と思って調べてみたら、
囲碁の神様はりくのらの悪だくみをお許しにはならないみたいで欠品でした
ふむふむ、だけどアカシヤ書店にはあるみたいだね… ( 諦めが悪い性格 )
大盤に問題図を並べた後、教室内を巡回して生徒たちの碁盤の上を覗き込む長谷川喜弘先生。
検閲されている気持ちになり、一気に緊張する生徒たち ( え、りくのらだけですか? )
そして、頭を抱えて詰碁と戦っていたら、先生に図が一路ずれていることを指摘されたノヤロウさん
最近、先生は詰碁を出題した後、5分ばかり席を外されるようになりました。
これはカンニングを推奨なさっているにちがいありません
り コスミは?
水 すぐアタリになっちゃうからダメ。
り あっそうか、じゃあ…
水 サガリだとどう?
り オイオトシじゃん!
水 だよねえ、下アテは?
り 白は絶対ツグから…
水 その後がわからないんだよね。
り 取られてもいいんじゃないの?
水 あ、そうか! それじゃあ…
り ええっと、でも渡れないと取られてお終いだけど…
水 なんかかっこ良くない? 囲碁用語で会話できるのかっこ良くない?
り かっこいい かっこいい
と、なぜか途中から意識が詰碁から離れて行ってしまい、
正解にたどり着く前に先生が戻ってきてしまいました
石を置かないでも囲碁用語で会話できるの、かっこいい
なんかかっこいい
強い人っぽい
ええっと、詰碁は途中まで合ってました。
3子取らせてるところまで。
そして1線に飛んで渡る 「 ねこ丸渡り 」 が正解でした。
ねこ丸さんが発明した手です。
うそです。
常用の渡りの手筋ですが、碁盤の縁の1線を使って低空飛行で渡るので、ちょっと気がつきにくいんです。
前回この手筋が使われる詰碁の問題が出された時に、ねこ丸さんが正解して褒められたので
りくのらの脳内ではこの手筋は 「 ねこ丸渡り 」 と命名されています。
詰碁の問題を解くことと、実戦でそれを活かすことについてのお話を聞きました。
その1
詰碁の形は実戦にしばしば現われる。
詰碁をアタマの体操、パズル、実際にはできない形の創作、と思っていると実はそうでもない。
頻出する定石や手筋から詰碁の形が表れることは意外に多い。
と長谷川喜弘先生はおっしゃって、
まさにこの日の講義の教材棋譜、先週ねこ丸さんと詰碁名人水彩画伯が打った対局の右上隅に
本日の詰碁の形が生ずる可能性があったことを並べて見せてくれました。
おおう…
その2
だけど詰碁と実戦はちがう。
詰碁の問題だったら黒先白死とか、黒先活きとか、答えがひとつに定まっているので、
その正解を目指して考えればいいわけですが、
実戦の盤面上に同じ形が現われた時には、
詰碁問題の正解を出すことが実戦の正解とは限りません。
詰碁的に正しく急所を見つけて相手の陣地の中で見事活きたとしても、
ジタバタとたくさん石を使って、数目ばかしの地しかできなくて、
むしろその周囲にがっちりと相手の石が置かれてしまって、
隣近所の自分の仲間たちに大迷惑 ってこともあります。
あんまり詰碁が大好き過ぎると、
盤上で相手を殺す手、活きる手が見えるや否や、
周囲の状況に眼を配るのも忘れて詰碁的な打ち方に夢中になってしまい、
詰碁的には正解しても盤上の形勢はちっともよくならない、みたいなことがあり得ますそうです。
ま、そうは申しましても、死活がわからないよりはわかる方がいいに決まってますけどな
その3
詰碁の能力は死活問題が浮上する前にこそ。
詰碁の力が本当に実戦で活かされるのは、
盤上に詰碁の形が出現するその前の段階だそうです。
現時点では活きている石だけど、隣近所で諍いが発生して、
その流れでこの辺りに黒石が ( 白石が ) 来たら、利きというものが生じる。
するとさっきまでは余裕で活きていた石が 「 黒先白死 」 ( 「 白先黒死 」 ) の詰碁に変身。
ということは、真に詰碁の能力は、詰碁の答えがわかるだけじゃなくって、
周囲のこの辺に石が来たら死活の問題が生ずる、ってことを把握しておいて、
その理解を周囲の石の持って行きようを決める時に役立てられる能力、ということになります。
相手の石が近くに来たらこの隅は最悪コウになるから、
右辺では戦いを起こさないようにしよう、とか、
自分の石が1線まで下がれば、相手は手を入れる必要があるんだから、
逆側の打ち込みに対しては結構強く戦えるはず、と作戦を立てる、とか。
というお話を聞いていて、
う~ん、易々とはできなさそうな話だが、
そういうことができたらさぞかし囲碁という遊びの面白さは増すことだろうなあ、と思いました
それを目指してやってみるよ