学校をサボる

昨日の朝のこと。

朝食はキューリくんの希望でホットケーキであった。

できたてのホットケーキ。キューリくんは早速ナイフで切り分けようとする。

ところが上手く切り分けられない。

ギーコギーコとノコギリみたいに切るものだから、ケーキが潰れたようになってしまった。

「うわーん」

大きな声で泣く。波乱の始まりだった。

すかさず私がフォローに入る。

「キューリくん、ホットケーキはね、押すように切った方が上手く切れるんだよ。ほら」

とデモンストレーションをしてみる。

だまったままその様子を眺めるキューリくん。

「やってみる?」

首を横に振る。

仕方なく全て小さく切ってあげた。

それなのに食が進まないのは口内炎のせい。

「痛い!」

イライラするキューリくん。

でも早く食べてしまわなければ学校へ遅刻する。

「遅刻するよ、キューリくん」

「え?今日学校行かないっていったじゃない!」

当然のようにそう語りだした。

そういえば前日寝る前に

「明日は外にスケッチしにいくから、学校お休みするね」

なんて言っていた。あれは本気だったというわけか。

「でも今日は外は雨だし、外で絵を描くのは難しいと思うよ」

「うわーん」

再び泣く。

相当調子が悪い。こういう時は一日中調子が悪いので、潔く学校をお休みするのが一番だ、と最近は考えている。

無理矢理登校させても、トラブルを起こして帰ってくることが多いのだ。

「じゃあ今日はお休みして、美術館にでも行こうか」

「ほんとに?」

キューリくんの目の表情が途端に生き生きとする。

「根津美術館なんてどう?石仏があったり、大きなお庭があるよ」

私は表参道にある、ややマニアックな美術館へとキューリくんを誘った。

キューリくんは他の美術館と迷った挙句、根津を選択した。

私が何故根津を選択したかといえば、根津は行きにくいところにあるためか、人が少なくゆったりした時間と空間を味わえる都内でも珍しい美術館だからだ。

有名な美術館は忙しない雰囲気のところさえあるけれど、根津は優しい、ぬるま湯につかったような感覚がする。

時間に相当余裕のある人が訪れて楽しむ場所だという位置づけが私の中にあるからだ。

事実、キューリくんと向かった根津美術館は庭園は雨に濡れて緑が一段と濃く、庭の中にあるカフェでキューリくんと二人してぼーっと外を眺めたりする。

「お外へ行ってみようよ!」

そうは言っても子どものキューリくんなので、庭の中を歩けると分かると私を誘った。

傘を差し、庭に下り立つ。

こんなに都会の中にあるのに、空気はヒンヤリとしていて、庭は変化に富み私たちの目を楽しませてくれる。

室内にある展示物はほとんど鑑賞しなかったけれど、キューリくんは3メートルもある巨大な石仏を前に圧倒されたのか、5分も佇んでいたのが印象深い。

「また来ようね!」

遊園地にでも行った帰りのような言い方で、キューリくんは楽しかったことを伝えてくれた。

そうだね、また行こう。

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