ル・ブル(Le Boulou)

2018年3月の旅行六日目。三番目に向かったのはル・ブルという町です。フランス語で Le Boulou、カタルーニャ語だと El Voló と言うそうです。

レ・クリューズ(Les Cluses)で昼食を終えると午後1時でした。昼食後は午後2時に開くフノヤール(Fenollar)に行って見学するつもりでしたが、まだ1時ってことは、なんとか Le Boulou に行く時間がありそう!ということで、急いで会計を済ませて店を出たんです。

ああ、いつも急いでばかり。。。

Les Cluses から Le Boulou へは、北へ5km、車で7分の道のりです。

目指すのは聖マリア教会。近くの Youth Center の前に車を停めました。

Le Boulou の聖マリア教会の目当てはファサード(façade)の彫刻です。歩いていくと鐘楼(bell tower)が見えました。向かって右が façade です。

façade の全体像。

façade の彫刻部分を拡大します。

上の横長の彫刻はイエスの幼少時代を描いていて、リュー・ミネルヴォワ(Rieux-Minervois)カベスタニー(Cabestany)で見た彫刻と似ています。

向かって左を拡大します。

向かって右を拡大します。

手がすごく長い所や顔の特徴が同じです。例のカベスタニーの親方の特徴と言われています。

柱頭彫刻、向かって左。

向かって右。

コルネイヤ・ド・コンフラン(Corneilla-de-Conflent)で見た柱頭彫刻に少し似ています。

拡大してみます。向かって左。

向かって右。

Corneilla-de-Conflent と比べて、こちらのほうが痩せ型で筋肉質です。さらに、肌のひし形模様と上のフリーズのチェッカー模様との組み合わせが、オシャレです。

これはこれで良いんですが、巻き毛の羊が幸せそうに踊りながらハイタッチしてしまう Corneilla-de-Conflent の方が私は好みです。

裏に回ってみました。

鳩の巣があって、たくさん出入りしていました。眺めていたら、上から声がしました。

「ハロー」

振り向いて見上げると、マンションの4階あたりに女性が一人いました。手入れの行き届いたベランダから笑顔で手を振っています。手を振りながら挨拶を返すと、女性が手招きをします。

「眺めがいいですから、どうぞ」

そんな、いきなり人様の家に上がりこむなんて、ね。と思っていると、女性はエントランスのあたりを指差して、どうぞ、どうぞ、と。。。

夫と二人で、お邪魔しちゃいました。

「ここからの方が眺めが良いですから!」と、ベランダに案内してくれたので、私は視点が高くなりました。

明るい笑顔が素敵な女性は旅行が好きで、日本にも行ったことがあるそうです。日本では、誰もがとても親切にしてくれたとのこと。

ふと見るとテーブルに食べかけのパスタがありました。「お食事中でしたか、失礼しました」と言うと、「どうか気にしないで下さい」と笑って話を続けてくれました。

女性に促されてベランダから左に視線をやると美しい雪山が見えました。女性は笑顔を輝かせながら言います。「ここはあの雪山のおかげできれいな水に恵まれています。そして、この場所から山と教会をみるのがとても気持ちが良いんですよ。」

ええ、本当に、気持ちの良い所です。

楽しい時間はあっという間に過ぎて時刻は午後1時50分。そろそろ失礼しないといけなくなり、女性にお礼を言って別れの挨拶をしました。

そして、明るくて優しい笑顔を思い出しながら、Le Boulou を出発しました。

“ル・ブル(Le Boulou)” への2件の返信

  1. 初めまして、新潟のタナカと申します。勝手にツイッターをフォローさせていただきすみません。
    レンタカーでの移動はかつて真剣に検討しましたが運転下手なんで現時点では諦めてます。
    2006年頃からロマネスク巡りを生きがいとしてます。
    よろしくお願い致します。

    1. 新潟のタナカさん、ブログ訪問コメントとツイッターフォローありがとうございます。うれしいです。
      ロマネスク巡り本当に良いですよね!
      私も運転下手です。今、9月に予定している夏休みを計画中でして、運転を考えるとブルーな気持ちに。。。精一杯、安全運転して無事に生還して、ロマネスク巡りの様子をお伝えしたいと思います。
      こちらこそ、よろしくお願いします。

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