セブの片田舎で ひとりごと --- 途上国で暮らすとはこんなこと ---

はや18年。無垢と純朴を期待したが
粗野とたくましさと楽観のラビリンスだった。
田舎町ダナオで日々のオヨヨ。

100 量で勝負 味は劣敗 - フィリピン料理

2018-06-16 | ダナオ/セブの人々
日本でもパーティ料理が美味いとはあまり言わないけど、フィリピンももちろん不味い。どこもほとんど同じ料理だし、味も代わり映えがしない。
レストランは最近、何か凝った見栄えのするものを出すようになったみたいだけど、私は行ったことがないから評は勘弁願う。

昔ダイビングに来ていた頃は、物珍しさもあって、粗末な掘っ建て小屋のような食堂で、インスタントラーメンのようなものと鳥の足を柔らかく煮たものを定番にしていたけど、今思うとよくぞあんなところであんな物を食ったものだと思う。よくルポライターなどが冒険心たっぷりで潜入した貧民窟などの食堂の風景を書いている。あんな感じだ。

もう最近は歳も歳だし、すっかり冒険心が消え失せ、自分を過保護のややうすい膜でで包んでしまっているから、行動もごく最小範囲だ。

これから評するのは、ダナオの私の周囲の食べ物のことで、他のエリアのことはわかりませんのであしからず。

なんといっても庶民の食の代表はバーベキュー(BBQなんても表記されます。鶏肉のモモやウイングや胸肉をそれぞれまるごと太めの竹串にさしつらねて、醤油ベースの甘いタレにつけてグリルしたものです。味は初めの頃は甘さにカムフラージュされてつられてよく食べました。最近は珍しさが消えましたので、欲を言うようになって、鶏肉を食っているのか甘ダレを舐めているのかわからないのです。もう少し甘さ控えめに願いたいものなんてゴタクを言うしだいです。



これを専門とするローカルなレストランが、フィリピン料理の伝統的定番です。
竹ひごで編んだザルの上にバナナの葉を敷き、バーベキューとご飯が出て、比でアイスティと呼ぶ甘い冷たい紅茶がセットです。おっと、心ばかりの野菜なのでしょうか、パパイヤを千切りして甘く味付けしたもの添えられてきます。見た目にはまるでタクアンの細切りのようですが、これも砂糖で味付けしてありますから、なんだコリャとなります。

次はお祝いの時の定番料理ですが、やはりレチョンですね。パーティの料理台の王座に鎮座まします、って感じで、必須の品です。でも高いんですよね。それにあまり美味しいものではありません。
フィリピン人の味覚って、乏しい食料の時代に退化してしまったんじゃないかと疑いたくなるほどの味音痴なんです。
この豚の皮がグリルするのでかちんかちんになるのですが、それを自分の皿に取るために殺到します。日本で寿司パーティーだとまず中トロから無くなって、卵が残るようなものです。

その次は、なんの肉かわからないほど、強い味付けのソースで煮込んだものです。肉は下ごしらえもなくただ小さく切ってぶち込んだって感じです。

それにしてもフィリピン料理がまずいのはソースのまずさが第一の原因だと感じます。もちろん、料理の知恵というものが無いですから、例えば、肉は当日の朝場から仕入れたものを買ってきてその日に料理で、それもありったけ熱をかけますから、端的に固くなる一方です。ジューシーな肉料理食べたい向きは、自宅でどうぞというところです。

ジョリビーにはみんな子どものころから、誕生日というと連れて行かれたことが思い入れになっていて、その名前を聞くだけでうれしくなるようです。世界のマクドナルドもフィリピンではジョリビーに勝てないという、ものすごい売り上げですが、フィリピン人の味オンチはこの店にかなりの責任があると言えます。なぜなら、不味いけど客でいっぱい。だから味なんかそっちのけ。まあ、この店の料理のまずいこと。
その証明はスパゲティを食べれば、即刻逃げ出したくなります。延び延びの麺、甘ーいケチャップ。コリャお菓子だ、まずい味の。ハンバーグステーキというのがあったから試したら、これがそう?とりあえず、間違っても注文しないようにとだけ言っておきます。

ダナオには海べりの国道沿いを通ると、煙と美味しそうな匂いが漂っている。これがダナオ名物のティナプアナンだ。数軒の同じような店が並び、その奥で焼きたてを食べるようになっている。鯖のようなカツオのような中ぶりの魚を串に刺して、炭火に並べてコゲつくまで焼いて、通りかかる人たちの食欲をそそる。ところがご存知のようにフィリピンの魚類は脂っ気がないから、まるでソーダ鰹のようで、おまけに焼きすぎるから、一歩手前の鰹節みたいだ。ここの人たちに一度あの油の乗った鯖を食させてみたいものだ。

こちらの人と食事に行くと「おいしいでしょう?」と問いかけられることがある。悪いから取りあえず「うん、うん。」としておくが、胸の内は「値段で考えるとね。」と付け加えている。やはり時には複雑なグルタミン酸とイノシン酸とグアニル酸の味が恋しくなる。

現地料理について評すると、概して味のバラエテイが少なすぎるように思う。甘いケチャップやマヨネーズ、つんと癖のある醤油、どれにも同じようにこってりときつい味をつける。だから、「これ、何の肉?」と尋ねることになる。

たまにはセブ市で昼飯になることもあって、その時は行きつけの中華料理か日本料理の定食屋です。
中華料理はやっぱりおいしいが、歳のせいでこってり味が胸につかえて、やはり和食の材料の生の味を生かした調理に軍パイが上がる。口に頬張ってから味の深みを探すような味わい方が愉しい、自然と日本食料理屋に足が向いてしまう。

フィリピンにはスペイン以前に中国から商人たちが交易に訪れていた。だからその人たちが伝えた中華風の料理が今ではフィリピンの食卓に原産でもあるかのように根を下ろしている。焼きそばは「パンシット・カントン」というが、広東から入ってきたからなのだろうし、シュウマイや春巻きも定着している。酢豚や八宝菜みたいのもある。

日本料理の店も多くあって助かります。私は気やすく食べられる定食屋風の店が気に入ってます。地産地消のマグロなんかが食べられて幸せです。さばの塩焼き、シシャモ、おでん、餃子なんて、涙が出そうな「お品書き」で、フィリピンにいることをしばし忘れさせてくれます。



有名パン屋のケーキです。緑の葉っぱも赤いバラの花もバタークリームです。たべられるんですか、と聞かないでください。



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