こんばんは、アイです。

トランプ VS ヒラリーのテレビ討論会は、第三戦も

ヒラリー優勢で終わったようです。

大きな番狂わせが起きない限り、アメリカ大統領選の勝敗は

決したと言えるでしょう。

今年は何かと振り回された1年でした。最後ぐらい予定調和で

安心させてほしいです。

ヒラリーではつまらないという意見もあるようですが、当然ですよ。

まともであるほど、人としてクソつまらない。運命(さだめ)のようなものです。

 

 

腕時計をチラチラ眺めながら、じっと耐えるアイ。

都内にある某スタジオに、長女の七五三の写真を撮りに来ました。

半年先まで予約で埋まっているような、とても人気のあるスタジオで、

キャンセル待ちで入れたのはよかったですが、なんたって平日です。

その気になれば休みを取れる相方はともかく、アイは忙しい。

たかだか写真撮影に3時間なんて、個別指導並みの拘束だわ。

 

「はいこっち見てー、シャボン球吹くよー、ぷー」

 

スタジオ内にシャボン球をまき散らすお姉さん。

そこまでしても長女の機嫌はなおりません。

最初はおめかしして嬉しそうでしたが、今はもう飽きてしまって、

頭につけた髪飾りを外そうとしています。

人任せにするわけにもいかないので、持参したお菓子を与えて

なだめようとするアイ。

 

「あなたの記念写真だから、かわいく撮ってもらおうね。

 がんばったら後で良いことあるかもよ。」

「イヤ!」

 

一言で切って捨てる長女に、思わずため息がでます。

 

ガキは嫌いだ。たとえ自分の分身であろうと。

 

撮影業者は高い料金を取るだけあって、スタジオを貸し切ったうえに

スタッフが3人もついて、最善を尽くした仕事をしてくれています。

なによりアイが大事な仕事を放ってまで付き合っているのに、

長女はイヤという理由で進行を阻むというのです。

 

まあ、しょうがありません。幼子とはそういうものでしょう。

目先の快感を求めることしか知りません。

要するに教育とは、目先の快感を求めるのを制御し、より高次な

快感を得られるように訓練することなのでしょう。

社会人が辛い仕事の中にも、働く喜びと誇りを見出していくように。

 

 

アイが毎週楽しみにしていた「真田丸」も、いよいよ終盤です。

 

主人公である真田幸村は後に「日本一の武士」と称される

魅力的な人物ですが、その道は全く間違っています。

 

軟禁されていた九度山を勝手に脱出し、豊臣方につくことで

すでに徳川の家臣となった家族にどれだけ迷惑をかけたのでしょうか。

 

先週のドラマでも、側近がもうひとり必要とか言って自分の娘の

保護者である堀田作兵衛を呼び寄せるのですが、娘にしてみれば

酷い話です。血は繋がっているらしいけど先の大戦の戦犯である男が、

育ての親を戦場に招くというのですから。作兵衛は嬉々として従いますが、

幸村が声をかけなければ作兵衛は命を落とさずに済んだでしょう。

 

あげくの果てに真田幸村は誰も守れず、自分どころか息子すらも

巻き込んで死んでしまいます。

 

魅力的な人物というのは、まともでないが故に魅力的に見えるものです。

たまたま成功することもあるかもしれません。

ですが、間違った道を選べばいずれそのツケはまわってきます。

英雄の物語がたいてい悲劇に終わるのは、つまりそういうことなのです。

 

 

アイは毎日がつまらないと感じていて、内心excitingなことを求めています。

 

正しい道を進み、そこから踏み外さないと誓っている以上、目先の欲求を

制御していくしかありません。

 

もしアイが間違った道を選んでしまえば、アイの子供もまたそうすることに

なるでしょう。

 

将来的に、つまらない親と呼ばれるかもしれませんけど。

 

大人になるってそういうことじゃないでしょうか、残念ながら。