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衆議院選と知事選に想うこと

2017-10-23 21:40:04 | 世相(日本)

 昨日の宮城県では、第48回衆議院総選挙と県知事選が同時に行われた。宮城県選挙管理委員会の公式HPもあるが、これは「宮城県明るい選挙推進協議会」との共同サイトでもあるのだ。冗談みたいな“明るい選挙推進協議会”という名称には呆れるが、選管のネーミングは毎度ながらセンスがない。
 選挙結果は事前の予想通り与党が3百を超える議席数を獲得、大勝した。尤も週刊現代だったと思うが、選挙前の河北新報に載った広告には「自民、過半数割れ」「安倍退陣へ」等、願望楽観論丸出しの見出しもあった。そもそも責任という観念自体、マスコミには無縁である。

 暫く前から私は選挙で期日前投票をしており、今回も19日に投票を済ませてきた。本当は10月第2週に行くつもりだったが、この週は何かと用事があり、19日に区役所に行った。昼頃近くだったためか、投票者には中高年女性の姿が目立った。
 私は宮城県第1区なので、自民党の土井亨議員に投票した。第1区には候補者が5名も立ったが、勝ったのは土井氏だった。土井氏は第1区のベテラン議員だが、私的にはあまり好感が持てない。顔立ちからも覇気があまり感じられず、企業の中間管理職という印象がある。東北人にありがちな控え目な性質があったとしても、大人しい政治家では困るのだ。しかし、投票したい野党候補者は皆無なので、止む無く土井氏にした。

 次点は立憲民主党の新人・岡本章子。但し、民進党系のこの女候補者は比例で当選する。今回の選挙で気になったのは、結党から間もない新党にも関わらず立憲民主党が大躍進、ついに野党第一党になったこと。今日の河北には土井氏よりも岡本を大きく取り上げており、何時もながら野党への露骨な肩入れをしている。
 元からこの地方紙は読者コーナー「声の交差点」でも、野党に投票しようと呼びかける一般投稿者の声を載せたり、今回も白票を投じる選択肢もある、という声もあった。その後に白票は如何なものか、という投稿もあったが、このような意見は新聞の自作自演にも思えてくる。

 蛇足だが、帝政ロシア末期に立憲民主党という同名の政党があったことをネットで知った。結果的には捨駒になったにせよ、ロシア革命を成功に導く役割を果たす。この故事をおそらく日本の立憲民主党創設者は知っていたはず。

 選挙時には与野党ともに新聞で、耳触りの良い公約やフレーズを掲げた広告を出すのが常だが、今回の共産党はこれまでとは少し違っていた。前回よりも広告が多く、各界の著名人の顔や主張を載せている。尤もその顔ぶれたるや、内田樹中島岳志浜矩子、辛淑玉等であった。ネットで“紫オババ”と揶揄される浜矩子に至っては、2度も共産党の広告に顔が載っていた。
 彼等だけで共産党支持者の質が伺えるが、中島の専門は南アジア地域研究である。インドでも共産党は極めて暴力的だし、当局も武装勢力には容赦しない。中島も研究家ならばインドの社会情勢を知っているはず。あの国では共産党シンパ知識人が、どのような憂き目に遭うことも。

 衆議院総選挙のために知事選はすっかり影が薄れたが、予想通り現職の村井嘉浩知事が圧勝、4選を果たした。そもそも対立候補が悪すぎる。無所属新人の多々良哲氏だが、共産推薦なのだ。これでは勝てるはずもない。多々良氏の経歴を紹介したサイトもあり、好意的な書き方にせよ典型的な“市民活動家”なのが判る。
 サイトを見て驚いたことは、多々良氏は何と現知事と同じく大阪府出身なのだ。齢は村井氏より2歳上だが、少なくとも5歳は老けて見える。第一印象からして、何とも陰気な顔つきだった。タレントではないので何も知事にイケメンは望まないが、「男は40を過ぎたら自分の顔に責任を持て」という言葉がある。陰気な表情の知事では県政も暗くなりそうだ。

 衆議院選ではセットで最高裁判事の国民審査が行われるが、これまで「国民審査」で罷免された最高裁判事はゼロなのだ。選挙前に最高裁判事の面々の経歴を紹介したチラシがポストに入っているだろうが、これだけでは判断も難しい。大体一般庶民には、最高裁判事など雲の上の存在なのだ。
最高裁判事を審査できない国民」という興味深いブログ記事があった。ブログ主の言うように、「最高裁判事の国民審査は毎回無視されている」有様で、日本に害を為す裁判官が蔓延るのは頭が痛い。行政のみならず司法も難問山積なのだ。

◆関連記事:「選挙戦の真の勝者
 「仙台市長選に想うこと

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