虫と僕 | もうすこし、生きてみようじゃないか・・・

 先日、近所のコンビニへ行こうと玄関を出ると、ドアのすぐ前に、セミがひっくり返って脚を



ワラワラさせていた。 お、セミがひっくり返っておる。 僕は、人差し指をセミの腹に近づけ



てみた。 すると、僕の人差し指をセミがガシッと掴んだので、僕はそのまま持ち上げて、階



段を降り、マンションの玄関にある植え込みの木に、セミをくっつけた。 セミはゆっくりと木を



登り始めた。



 二日後、また近所のコンビニへ行きたくなったので、玄関を出ると、ドアのすぐ前に今度は



カナブンがひっくり返って、脚をワラワラさせていた。 お、カナブンがひっくり返っておるぞな。 



 僕は、人差し指をカナブンの腹に近づけてみた。 すると、僕の人差し指をカナブンがガシッ



と掴んだので、僕はそのまま持ち上げて、階段を降り、マンションの玄関にある植え込みの木



に、カナブンをくっつけた。 カナブンは、しばらくじっとしていたが、ブーンとどこかへ飛んで行



った。



 そして、次の日の夜。 またまたコンビニへ行きたくなった僕は、雪駄を履いて玄関を出た。



そしたらなんと、驚くなかれ。 ドアのすぐ前に、カブトムシのオスがいた。 かなり驚いた。



 カブトムシがいてはる……。僕は呟いた。 しばし黙考の末、僕は、カブトムシの短い方の



をつまんで持ち上げた。 (カブトムシはひっくり返っていなかった) 



 僕は、公平な男である。 セミも虫。 カナブンも虫。 そしてカブトムシも虫。 ここ最近は、



虫を拾うと、マンションの玄関にある、植え込みの木にくっつけることにしているので、僕は階



段を降り、カブトムシを木にくっつけた。



 買い物を終え、マンションの前まで帰ってくる。 公平な男とはいえ、相手はカブトムシ。 さ



すがに気になる。 僕はカブトムシをくっつけた木を見た。 いなかった。 どこかへ飛んでい



ったのだろうか。 少々さみしい気もしたが、まあ、いいか。 と、階段を上がった。



  しかし、数十年ぶりにカブトムシを触ったな……。 



などと、呟きつつ、玄関の前まで来ると、なんと、またカブトムシがいてはる。 先ほどのカブ



トムシが飛んで、またドアのすぐ前まで来ていたのである。



 さすが、虫界の王カブトムシである。 あの程度の木では満足できなかったようだ。 仕方



がないので、今夜は家に泊めることにし、明日、近所の大きな公園に放そうと決めた。



 部屋に入り、カブトムシを手のひらに乗せると、カブトムシが僕の手のひらの肉をガシッと



掴み、顔をギューっと押し付けてくる。 腹が減っているのかな、と思った僕は、砂糖水を作っ



てやることを思いつき、レシピをネットで調べた。 すると、砂糖水は与えないほうがいいと書い



ていた。 しばらく考える。 サビが押入れからジーッと見ている。 その時、カブトムシが羽を



広げ、ブロロロロローと、飛んだ。 サビが、おおお!という顔をして押し入れに引っ込む。



 僕は、ええい!と立ち上がり、サビが、買ってやってから一度も登ったことのないキャットタ



ワーのてっぺんにカブトムシをくっつけ、雪駄を履いて家を飛び出しスーパーへ向かった。



 1泊用のカブトムシのエサがあればいいのだが、と探すも無く、仕方がないので380グラム



入りの 「ぬりっこゼリー」 なる専用のエサを買って帰った。



 ぬりっこゼリーを小さく浅い皿に入れ、キャットタワーのてっぺんに居るカブトムシの側へ置



くと、カブトムシは、お?お?お~?と、皿に近づいてゆき、ぬりっこゼリーに頭をズボッと突



っ込んだ。 カブトムシがどこで呼吸をしているのかは知らぬが、恐らく顔付近であろう。 そ



んなに突っ込んで呼吸ができるのか。 と、心配になったので、指で尻をつつくと、今忙しいん



じゃい!と真ん中の脚で僕の指を払ったので、安心したりした。



 その日は、朝まで仕事をするつもりだったので、僕は時折、カブトムシの尻をつつきに行って



様子を見た。 カブトムシは、ずっとぬりっこゼリーを食べていた。 よっぽど腹が減っていた



のであろう。



 窓の外が明るくなり始め、カブトムシの様子を見に行くと、腹がいっぱいになったのか、カブ



トムシはキャットタワーのてっぺんでウロウロしていた。 よし!行くか!



 僕は、カブトムシをビニール袋に入れ、自転車で近所の公園に向かった。 



 公園内に木がたくさん立っている森のような感じになっている場所がある。 その中の1本の



木にカブトムシをくっつけると、カブトムシはカシカシカシと木を登っていった。 ここなら仲間



もいるだろう。 僕は、蚊に刺されながら、足を掻きつつ家に帰った。



 部屋に帰って冷蔵庫を開けると、ぬりっこゼリーが、ほぼ満タンに余っている。 まあ、また



いつ虫が泊まりに来るかもしれないので、今年の夏いっぱいは置いておこうと思った。
















顔をギューッと押し付けるカブトムシ。








ぬりっこゼリーに顔を突っ込むカブトムシ。








キャットタワーのてっぺんでウロウロするカブトムシ。









ウロウロ。







                                                       亀久








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