悪夢マニア | もうすこし、生きてみようじゃないか・・・


 過去に嫌な夢を見るのが好きだという記事を書いたことがある。 理由は、


目覚めた時の、夢でよかった~・・・、という安堵感。 そのギャップが何とも


堪らないのである。 刺激の少ない日々を過ごす私にとって、悪夢は数少な


い良質の刺激になっているのである。


 私ほどのベテランになると、悪夢の中で、これは夢だと気づき目を覚ます


ことができる。 不思議だが、いつしかできるようになった。 起きることがで


きるので、良質な刺激などと言ってられるのかもしれない。 ところが、昨日


見た夢は最悪であった。 夢の中で、これは夢だと何度も起きようとするが、


起きることができず、悪夢の中が現実なのだと失望する。 





 夢は、私が何らかの理由で精神に異常をきたし、7人もの人間を殺害して


しまった後から始まる。 私は、逮捕はされず、何らかの監視下に置かれて


いるものの、比較的自由に暮らしている。 暮らしの中で私は、なぜあのよう


なことをしてしまったのかと、日々悩み続けている。 トイレに入っても街を歩


いても、頭を占めるのは、なぜあのようなことを・・・。


 気分を変えようとパソコンの前に座り、ブログを書き始めるが、ネット上は


私の犯した犯罪の話題で埋め尽くされている。 とてもブログの更新なんて


できない。 パソコン机に突っ伏し肩を震わせて泣く私。 何もすることがで


きず、与えられた真っ白な部屋の中で、うつろな目で抜け殻のようになって過


ごす日々。


 そんな中、ふわりと私の脳裏にある思考が生まれる。 本当に俺はやったの


か? これは現実なのか? ひょっとして夢・・・? ああ、そうだ。 これは夢だ。 


目をしばらく閉じて勢いよく開けると、そこは現実の世界になっているんじゃない


か? なんだそうか。 いつものパターンではないか。 それなら早く、あの安堵


感を得たい。





 心が軽くなった私は、いつものように覚醒を試みる。 しかし、いつもは一度


で目覚めるはずが、何度やっても目覚めない。 徐々に不安になりつつも早く


起きろと、目を閉じて勢いよく開ける動作を繰り返す。 だが、目の前に広がる


のは私が犯罪者になっている世界。 現実に戻るためにした行動が、よりこの


世界が現実なのだと私に突きつける結果となり、私は絶望し、号泣する。

 

 

 




 と、ここで目が覚め、私は飛び起きた。 静かに部屋の中を見回す。 パソコ


ンからは、聴きながら寝てしまった怪談が流れている。 傍らを見ると、ダウンケ


ットにくるまって寝ているサビ。 夢・・・か。

 

 

 




 飛び起きた拍子に右手の甲をパソコン机に勢いよくぶつけてしまったが、そん


な痛みは感じず、心の底から叫んだ。 


 えがった。 本当にえがった。 もうこんな夢はご免である。 上記に嫌な夢を見


るのが好きだや、良質な刺激などと書いたが撤回する。 悪夢マニアは引退であ


る。


 ちなみに夢の中で7人を殺害とあるが、これは恐らく寝る前に聴いていた 「七人


坊主」 という怪談が影響したものだと思われる。 ああ、怖かった。

 

 

 

 

 

亀久

 

 

 

 

 

↓ブログランキングに参加しております。 クリックお願いします!

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

皆様、いつもコメント、ランキングへのクリック、ありがとうございます!!

 

ゆかさん、omasaさん、エリさん、香波玖さん、おかげさん、柚子胡椒さん

 

なおさん、初めまして!コメントありがとうございます!さきさん、

 

もっちゃんさん、poeさん、コメント感謝!!

 

 

 

 

 

今、酒を飲みながら塩サバ食べてますよ。