2018年02月11日
プライム劇場33 【最後の忠臣蔵】2010
忠臣蔵の後日譚を作品化したものはそれなりにあるんだけど、これは同じ池宮彰一郎原作の【四十七人の刺客】の続編的な内容。
市川崑監督の【四十七人の刺客】では大石内蔵助が高倉健、おかるが宮沢りえのキャスティングだったのだけど、
健さんのキャラと当時20歳に満たない宮沢りえが男女関係って設定はどうにも受け入れ難かった。
実際にはおかるは18歳だったらしいし、幕府の目を欺く為とは言え郭通いが盛んだった内蔵助なので、史実は史実。
で、おかるが生んだ内蔵助の忘れ形見を育てよ、という命を内蔵助から受けるのが役所広司、
それも世間には内緒の為、討ち入り前夜に脱走の形で、という余りに自分勝手ジャマイカ内蔵助。
役所広司は代々、大石家に奉公する用人なので、武士でありながら浅野藩士ではないのだろうか。
それ故、内蔵助は役所広司にこんな損な役回りを命じたのだろうか。
そうなら他に適任者がいなかったとはいえ、余りに用人の役所広司を軽んじてはいないか。
四十七士の生き残りでありながら、佐藤浩市も内蔵助から幕府のお沙汰の前に命を受ける。
四十七士の遺族だけでなく、浅野家藩士の行く末をフォローして行けというもの。
討ち入りの結末が武士として切腹 が四十七士の本懐ならその栄誉から外された訳で、これもまた佐藤浩市が足軽という身分だった為なのか。
堀部安兵衛や不破数右衛門にそんな指令を下さないだろう。
役所広司は16年、身分を隠し内蔵助の忘れ形見を武士の娘として育て、
佐藤浩市は16年、浅野藩士の遺族を探して全国を訪ね歩く、
それぞれ、内蔵助の命の為、己を殺して。
武士の世界なら当たり前という前提ながら、どうにもこうにも理不尽極まりない。
内蔵助の隠し子、可音を武家の娘として育て上げた役所広司と
16歳の適齢期になった桜庭ななみの男女の情、親子の情が交錯しながら、お話は進む。
大石内蔵助役の片岡仁左衛門はじめ達者な競演陣が盛り立て、133分が全く長さを感じさせない。
田中邦衛がワンシーン登場したのには驚いた。
8年前とはいえもう寝たきりなんじゃないかと思ってた。
高倉健の1歳下、菅原文太の1歳上。
監督がTVシリーズ【北の国から】の杉田成道の関係だろうか、
ただ、役所広司が桜庭ななみを無事嫁がせた後、自宅にて切腹に到るのは、
そこで漸く浅野藩士としての己を確立出来ると思った為ではないのか、
佐藤浩市も心ならずも生き永らえてはいるが、四十七士として討ち入りは果たしてる。
切腹の場に駆け付けた佐藤浩市が、息を引き取る際の役所広司に
『お主は最後の赤穂侍じゃ』と叫んだのは、
心情を理解した故に最大の労いの言葉だと思ったからじゃないのか。
可音を嫁がせた達成感、満足感よりもなお、心残りは暗く大きなものだった訳で、
晴れて四十七士に並ぶ為に命を絶ったのなら、この16年間の年月は余りに苦汁でしかなかったのではないのか。
役所広司の圧のある演技、山田洋二の藤沢周平原作三部作の長沼六男のカメラ、情緒豊かな秀作だと思うが、
可音を中心とした絡みがメインのお話でありながら、どうにも最後までそんな理不尽さが個人的には付き纏う。
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市川崑監督の【四十七人の刺客】では大石内蔵助が高倉健、おかるが宮沢りえのキャスティングだったのだけど、
健さんのキャラと当時20歳に満たない宮沢りえが男女関係って設定はどうにも受け入れ難かった。
実際にはおかるは18歳だったらしいし、幕府の目を欺く為とは言え郭通いが盛んだった内蔵助なので、史実は史実。
で、おかるが生んだ内蔵助の忘れ形見を育てよ、という命を内蔵助から受けるのが役所広司、
それも世間には内緒の為、討ち入り前夜に脱走の形で、という余りに自分勝手ジャマイカ内蔵助。
役所広司は代々、大石家に奉公する用人なので、武士でありながら浅野藩士ではないのだろうか。
それ故、内蔵助は役所広司にこんな損な役回りを命じたのだろうか。
そうなら他に適任者がいなかったとはいえ、余りに用人の役所広司を軽んじてはいないか。
四十七士の生き残りでありながら、佐藤浩市も内蔵助から幕府のお沙汰の前に命を受ける。
四十七士の遺族だけでなく、浅野家藩士の行く末をフォローして行けというもの。
討ち入りの結末が武士として切腹 が四十七士の本懐ならその栄誉から外された訳で、これもまた佐藤浩市が足軽という身分だった為なのか。
堀部安兵衛や不破数右衛門にそんな指令を下さないだろう。
役所広司は16年、身分を隠し内蔵助の忘れ形見を武士の娘として育て、
佐藤浩市は16年、浅野藩士の遺族を探して全国を訪ね歩く、
それぞれ、内蔵助の命の為、己を殺して。
武士の世界なら当たり前という前提ながら、どうにもこうにも理不尽極まりない。
内蔵助の隠し子、可音を武家の娘として育て上げた役所広司と
16歳の適齢期になった桜庭ななみの男女の情、親子の情が交錯しながら、お話は進む。
大石内蔵助役の片岡仁左衛門はじめ達者な競演陣が盛り立て、133分が全く長さを感じさせない。
田中邦衛がワンシーン登場したのには驚いた。
8年前とはいえもう寝たきりなんじゃないかと思ってた。
高倉健の1歳下、菅原文太の1歳上。
監督がTVシリーズ【北の国から】の杉田成道の関係だろうか、
ただ、役所広司が桜庭ななみを無事嫁がせた後、自宅にて切腹に到るのは、
そこで漸く浅野藩士としての己を確立出来ると思った為ではないのか、
佐藤浩市も心ならずも生き永らえてはいるが、四十七士として討ち入りは果たしてる。
切腹の場に駆け付けた佐藤浩市が、息を引き取る際の役所広司に
『お主は最後の赤穂侍じゃ』と叫んだのは、
心情を理解した故に最大の労いの言葉だと思ったからじゃないのか。
可音を嫁がせた達成感、満足感よりもなお、心残りは暗く大きなものだった訳で、
晴れて四十七士に並ぶ為に命を絶ったのなら、この16年間の年月は余りに苦汁でしかなかったのではないのか。
役所広司の圧のある演技、山田洋二の藤沢周平原作三部作の長沼六男のカメラ、情緒豊かな秀作だと思うが、
可音を中心とした絡みがメインのお話でありながら、どうにも最後までそんな理不尽さが個人的には付き纏う。
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