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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「きっと、うまくいく」(監督:ラージクマール・ヒラーニ)

2014-08-07 | Weblog

■製作年:2009年
■監督:ラージクマール・ヒラーニ
■出演:アーミル・カーン、カリーナ・カプール、R・マーダビン、シャルマン・ジョーシー、他

インド映画「きっと、うまくいく」はインドにおける歴代興行記録を塗り替えた作品であるという。あのスティーブン・スピルバーグも3回見たというエピソードもあるようで、世界中でリメイクも決まっているらしい。まさに映画大国であるインドのナンバーワンの作品なのです。上映時間は三時間なので見る前はちょっとなあと遠慮したくなるのですが、その長さもなんの、作品の面白さで一気に見せてしまうのでした。

話としてはエリート大学に入学した三人トリオによるドタバタ学園コメディで、そう書いてしまうと身もふたもないのですが、学園青春ものの映画として脚本、演出が手の込んだものに、そしてクォリティも高く仕上がっており、三時間という長丁場の時間を感じさせません。インド社会は教科書で習ったところによるとカースト制度の名残もあり貧富の差が激しい国と理解しています。現実のインドは実際どうなのか私にはわかりませんが、この映画を見ている限りそうした身分差を乗り越えるための学歴競争が激しいように感じます。しかし、貧しいだけのイメージではなく近代化された部分も描かれており、中国の次に世界を席巻するのは人口の多さと国土の広さからインドかもしれないと思ってみたりしました。

この「きっと、うまくいく」は、そうした学歴至上主義を揶揄、批判的に描いているところがあります。そもそも学問とは点数をとり、いい就職口を選ぶためにするものではなく、社会に役立つためにするものだという、どこかで聞いたことがあるような議論がベースにあるのです。そして素直な気持ちで学問に取り組めば、最後はとてつもないギフトを用意してくれるという、ハッピーな終わり方。学舎として学生時代に育んだ友情こそが美しい関係なのだ…。うーん、青春映画しているなあ。

この映画が面白いのは、脚本や演出の上手さだけではなく、そうしたことを真正面から臆面もなしに堂々と、そして極端に楽しくおかしく描いているところだと思います。そのストレートさが素直に感情を動かすのです。現実を揶揄しながら直球勝負、それが、エリート競争から落ちていく、あるいは、無縁の大多数の庶民から観客動員という支持を得た要因なのかもしれません。インド社会について私はさっきも書いたようにわかりませんが。ただ、はっきりしていることは面白い映画は文化を越えて面白いということです。

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