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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「ジャージー・ボーイズ」(監督:クリント・イーストウッド/2014年)を見た

2014-10-14 | Weblog

■製作年:2014年
■監督:クリント・イーストウッド
■出演:ジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ、ビンセント・ピアッツァ、他

クリント・イーストウッド監督の最新作「ジャージー・ボーイズ」を見ました。私はこの名優にして名監督であるクリント・イーストウッドの映画に、私はほとんど馴染みがありません。しかし、名声も高いこの監督の作風はどんな感じで、オールデイズがテーマのミュージカル映画となると一体どんな感じなんだろうと興味も起こってきました。この映画の主人公はフォー・シーズンズという実在のボーカルグループで当時、ヒット曲を連発したグループらしい。らしいというのは、彼らが活躍したのは私が赤ん坊の頃なので、名前も初めて聞いたからです。でも彼ら、フォー・シーズンズやボーカルのフランキー・ヴァリの曲を、聞いて、あっ、この曲聞いたことがある、知っているよ!と映画を見ている途中でなってきたら俄然身近に感じて面白くなったのでした。それらの曲は「シェリー」であり、「君の瞳に恋してる」なのでした。ホントに音楽の力とは不思議なものです。聞いたことのあるメロディが流れるだけで目の前の風景=スクリーンの印象が変わってしまうからです。

特にフランキー・ヴァリというボーカリストには驚きました。それは私が高校生の時に見て、今でも気にいっているミュージカル映画「グリース」のテーマ曲を歌っていたのが、彼だったからです。私はこのテーマ曲が好きでサントラを買い、何度も聴いていたのですが、ネットなどない時代なので、フランキー・ヴァリって人は他にどんな歌を歌っているんだろう?と思っていてもその手段がなく、私にとっては長がらく幻の歌手でした。それがこの映画を見てフランキー・ヴァリとは、フォー・シーズンズというグループのボーカルで、ソロになり「君の瞳に恋してる」をヒットさせた歌手であるというのがわかったからです。なんだ「君の瞳に恋してる」は聞いたことがあるじゃないか、となったから、私の小さな、それも忘却の彼方に沈んでいた疑問が思わぬ形で解消されたのです。このフランキー・ヴァリ、すごい実績を残しながら80歳をすぎて最近、初来日しコンサートを行ったというから、さらにびっくりしました。

映画については、あらためてミュージカルの良さを認知させられたと思いました。感覚と感情を同時に刺激させ、その体験を記憶に残させるという点においても、それは音楽と映像の組み合わせの最も有効なものの一つではないか、と感じたのでした。というのも、私は映画館を出たあとレコードショップに立ち寄りサントラ盤を購入、この絵を描いているときも「ジャージ・ボーイズ」の音楽を流したりしています ( 実は「フォー・シーズン」のCDも購入してしまいました )。つまり、映画の波及効果が数日間に渡りあるということです。今までそんなこと考えたこともなかったのでしたが、こうやって冷静に自分の行動を振り返ると流れに乗っちゃっているのです。そして、今年見た映画で印象の残っているものはと聞かれたら「ジャージ・ボーイズ」と答えてしまう可能性も高いのでしょう。クリント・イーストウッド、恐るべしです。

その映画の登場人物であるフォー・シーズンズですが、やんちゃなんですよね。優等生ではありません。売れない時は売れないなりの破天荒さで無茶しでかすし、売れれば売れて寄ってくる女性たちと乱れた関係にと、これが実在する人物の映画ですから、そんなに大きな脚色はできないのではないかと思うと、そうなんだと。人生に起こることが極端に、かつ、短時間に調べる凝縮されている感じです。俗に言う栄光と挫折?もう私は人生をやり直す年齢ではないけど、映画の登場人物のような派手な人生もいいなと思ってみたり。そう感じたのも音楽の効果が大きいのかもしれません。いずれにせよ、濃厚で凝縮された時間は瞬間的には目まぐるしくても振り替えれば充実した時間であるに違いないのですから。ただ、振り返ってそう思えるのは、後半、それなりの幸せな時間を過ごしているということが条件なんだと思いますが・・・。

 

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