2015年01月20日

「センター試験を終えて」@ニシカワタカシ

※センター試験の追試験、または再試験を受験される方は、自己採点を終えるまでこの記事は読まないでください!こちらの記事をお読みください!

※受験以外の、東大生の生活について焦点を当てた記事が読みたいという方、来週の記事は「私の授業ノート」、再来週の記事は「私の研究」というテーマで執筆する予定です。それまでお待ちください!


前置きが長くなりました。
「東大ガイダンスブログ♪」をご覧の皆さん、こんにちは!文科一類1年のニシカワタカシです。

今日のテーマは「センター試験を終えて」前回の記事の続きになります。
まだ読まれていない方は、そちらからお読みください!

受験生の皆さん、センター試験お疲れ様でした!
2日にわたってあれほど多くの科目を受験することは、今後の人生で二度とないでしょう(笑)

さて、今回は「二次試験までにすべきこと」を中心に書いていきたいと思います。
具体的なアドバイスはそれほど書きません。勉強の進み具合によってやるべき勉強・問題集は違うでしょう。どちらかと言えば抽象的な、多くの人に当てはまる内容を書いたつもりです。受験生以外の方も、参考に出来る部分があるかと思います。
記事そのものも長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
それでは、お読みください!


・気持ちを切り替える
どこかで既に聞いた話だとは思いますが、あえてここでも書いておきます。
もはやセンター試験は終わりました。今更その出来を嘆いても・自慢しても仕方がありません。
自分が獲得した点数を換算し、後はひたすら二次試験(私立大)対策をしましょう。
どうしても切り替えられないという人(特にショックを引きずっている人)、周囲の人を使って下さい。話してください。そうすれば、多少はうまく切り替えられるようになるのではないかと思います。


・各科目で必要な点数を割り出す。
前回の記事の「必要な点数を割り出す」の続きです。
現在の自分の実力(=現時点で獲得できる点数)を正確に認識し、どこまでその実力を伸ばせるか(=今から1か月後の入試本番で期待できる点数)、計算してください。
ここで重要なのは、客観的な分析です。ついつい主観的になり、到底成し遂げられそうにない目標を立てがちです。それは避けてください。あくまで現実的にいきましょう。

ちょっと具体例を持ち出してみましょう。以下は私の例です。(得意科目:英語・数学,苦手科目:国語)
・センター直後に二次試験を受験したら、獲得するであろう点数
国語:30-50,数学:35-50,社会:65-70,英語:80-90 総合:210-・・・(1)
・二次試験で目標とする点数
国語:55-65,数学:45-55,社会:70-80,英語:90-100 総合:260-・・・(2)
センター試験よりも二次試験の方が得意だったこともあり、失敗してもある程度の点数(つまり(1))は取れるだろうと思っていました。しかし、センター試験が700後半だったこともあり、それでは合格が難しい。ではどうすればよいか?
私が考えたことは、第一に「各科目を安定させる」でした。ある科目の点数がぶれると、他の科目でそれを取り返さなければならず、精神的にも大変だろう。ならばまずは、なんとか点数のブレをなくし、安定させられないだろうか?失敗した時の傷口を最小限にとどめられないか?そのようなことを考えました。
それと同時に、「各科目を少しずつ伸ばす」ということも考えました。確かに英語・数学は得意科目ではありましたが、これ以上の点数を期待するのは、もはや賭けになってしまう。現実的な目標とは言えない。そうであれば、英語・数学は下限を引き上げること、つまり失敗してもある程度の点数を確保できるようにして、他の科目、つまり社会・国語を伸ばすように注力すべきではないか?そう考えました。


特に現役生は、「こんなに点数が足りないんだけど、絶対無理じゃない?」と思うこともあるかもしれません。
大丈夫です。現役生に限った話ではなく、「受験生は試験日の朝まで実力を伸ばすことが出来る」のは本当です。(その逆、つまり「試験前にサボると、実力はあっという間に落ちる」も正しいということを付け加えておきます。)


・自分の手持ち時間を割り出す。
無計画で勉強を進めるのは危険です。目的もなく過ごすと、二次試験はあっという間に来ます。
自分が一日に何時間勉強できるのか、それを割り出しましょう。そして、自分が自由に使うことのできる残り時間のトータルを計算してください。
ここで大事なのは、「90%の集中力で勉強できる時間」を計算することです。自由に使える時間が10時間あったとして、その10時間の間ずっと100%集中して勉強することはなかなかできないと思います。こちらこちらの記事にある通り、適宜休憩したほうが勉強効率は上がると思います。私は音楽を聴いてリラックスしていました(こちらの記事を参照してください)。
学校・予備校・併願校受験などが何もない日は、大体10-13時間程度でしょうか。私の経験からすると、一日16時間以上にわたって勉強すると、翌日に疲れが出てしまうと思います。

また、絶対に睡眠時間は削らないでください!睡眠時間を削ったことによる疲労は、入試に悪影響を及ぼします。体調を崩さないためにも、睡眠時間は確保しましょう。


・自分のすべき勉強を全て書き出す。
どんな些細なことでも構いません。まずは全て書き出しましょう。(例えば、英語なら和訳・英作文・単語帳...etc.)
そして、それらの重要度を見極めてください。必要であれば、自分の学習状況を知っている人に相談しましょう。
(例えば私は、英作文:A,要約:A,論説長文:B,Listening:B,英文法:C,小説:Bなどとランク分けしました。)
人によるとは思いますが、あまり新しいものに手を出し過ぎるのは考え物です。「あれもやっていない、これもやっていない」と思う気持ちはよくわかりますが、全部中途半端に手を出して、中途半端にしか身につかないのは、とても危険です。

また、過去問についても、ある程度は解いておくべきかと思います。添削してもらえると、理想的ですね。
時間配分を決める・形式に慣れる・本番を想定して解く...色々な目的があると思います。
「過去問は二度と出ない問題だから、解く必要はない。予備校の予想問題集をやれ」という人もいますが、それは違うと思います。(予想問題集の価値を否定するわけでは決してありませんが)
東大の過去問は、研究する価値があると思います。東大の出題傾向は、それほど大きく変わっていません(特にここ10年ほどは)。
(以下、2013年文系数学第4問を例として簡単に説明しました。白い文字で書いてありますので、読みたくない方・まだこの問題を解いてない方はスルーして下さい)

かなり難しいと言われる2013-4ですが、言われているほどではないだろうというのが私の率直な感想です。
「試行を正確に把握する。必要ならば具体的にn=1,2,3,4,...の場合を調べてみる」・「確率は漸化式か直接求めるか、両方を念頭に置きつつ考察する」・「偶奇分けが必要ならば、n=2m,2m+1などとおいて検討する」など、これらは確率の定石に則った、思考過程は至極シンプルなものです。
そして、「とりあえず実験してみる&試行を正確に把握する」・「偶奇分け」という方針は、2012-3で取り上げられたものです(正三角形を分割して、点の移動を考える問題です)。この過去問から、この定石を学び取っていれば、そこまで手こずる問題だったとは思いません。


・大まかなスケジュールを立てる。
持ち時間とすべき勉強を割り出したら、つぎは「なにを、いつやるか」決めていく段階に移ります。
スケジュールの組み方としては、私は一週間を「4日と3日」の2パート(A/Bとする)に分けて、そのパートごとに何をすべきか決めていきました。例えば、「A:英語;2013入試,東大模試復習...etc.」というように。
1日ごとでも、1週間ごとでも構いません。自分の勉強が捗るようにスケジュールを組み立ててください。
多くの人は、やりたい勉強を全てやり終えることはできないと思います。そして、それは仕方がありません(与えられた時間は有限ですから)。必ず解き切れないものが出てくるでしょう。だからこそ、できなくても仕方がないものと、しなければならないものを区別してください。


・ピークを合わせる
学力面と精神面、その両方に当てはまることです。特に精神面でしょうか。
東大入試の当日は、この写真のような広告が駅などに貼ってあります(河合塾の広告を持ってきました)。結構目立つものです(特に本郷キャンパスで受験する場合)。これを見て、どう思うでしょう?
河合塾ー3

これを見て、いらだつでしょうか?それとも、特になにも感じないでしょうか?
「合格ではなく、受験に対しておめでとうなんて、河合塾に煽られた」などなど、そんな風に感じた人、いませんか?もし当日、そのように感じてしまったら...本来の実力を出しきれないのではないでしょうか?
「いい広告を書くなあ」とか「河合塾も私を応援してくれているんだ!」など、そう感じられた人へ。その感覚を、当日まで持ち続けてください。そのようにポジティブにとらえることが出来れば、自分の実力を完璧に発揮できるでしょう。
当日の気持ちによって、入試の点数は大きく異なります。入試は総合点の勝負です。1科目の出来を引きずっている場合ではありません。それだけは、忘れないでください。


・最後に
ちょっと説教臭い話になってしまいますが、勉強の参考にしていただきたいことを少しばかり。
「入試は発表会」という考え方があります。私が受験生時代に予備校で言われた言葉ですが、とても共感できる言葉だと思っています。
入試は、あなたのこれまでの努力を、答案という形で大学に見せる場です。入試会場に入れば、頼れるのは自分自身のみ。実に分かりやすい仕組みですね。だからこそ言い訳する余地がなく、受験生にとっては大変なイベントでしょう。
しかし、考えてみてください。自分が努力さえすれば、自分の力で将来を切り開くことができるのです。これほど単純で素敵なことは、この機会を措いて、どこにあるでしょう?
自分が努力しさえすれば自分の夢を叶えるチャンスが開けてくる - 入試をそのようにみなすことも、できると思います。そう思うからこそ、本気で勉強してほしいのです。「自分はこれだけ勉強したんだ、落とせるなら落としてみせろ。合格する自信が、私にはある。」と思えるくらいまで。

そうは言っても、センターを引きずったり、どうしても勉強する気にならなかったりするでしょう。そんなあなたに、有名な広告からこれまた有名な一節を引用して、今回の記事の結びとします。
受験生の皆さん、是非夢をかなえてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




“自分の夢まで、自己採点しないでください。”
ーー出典は こちら

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この記事へのコメント

1. Posted by こ   2015年01月27日 07:21
受験生のものです。突然ですが、理科についてお伺いしたいことがあり、コメントさせていただきました。合否に関わることではない気もするのですが、安心して受験したいので、お時間あればご回答お願い致します。

・理科の解答用紙を二つに割って回答している方はどのくらいいらっしゃいますか?
・二つに割ること自体は禁止事項ではないですよね?

地方からの受験で、周りに知り合いの東大生がいなく、ここで質問させて頂いた次第です。
2. Posted by ニシカワタカシ   2015年01月27日 12:21
こさん


ご質問ありがとうございます。
執筆者のニシカワタカシです。

理科二類1年のカミモリくんに聞いたところ、このように答えてくれました。


「理科の解答用紙に関しての質問でしたが、まず二つに割ること自体は全く禁止されていません。
さらには真ん中で割らないいけないという規定もありません。
なので自分の自由なように解答用紙を使えます。
ただし採点者のわかるように書きましょう。

また、二つに割って解答する人は、自分の周りでは半分くらいでした。どちらが良い悪いという事もないので、好きなようにしてくださって大丈夫です。

本番頑張ってください!」

カミモリくんの言うとおり、採点官に分かりやすいような答案を作成することは非常に大切です。そのことに気を付ければ、特に問題ないでしょう。

他にも質問があれば、遠慮なく聞いてくださいね。

編集部一同、こさんの合格を、心から願っております!
3. Posted by こ   2015年02月19日 23:45
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
見るのが遅くなってしまい、申し訳ありません。

安心して試験に臨めそうです!本当にありがとうございます

あと一週間、全力を尽くしてきます!

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