キラキラの夢が「あたりまえ」になった話の続きです。

 

去年、精神的革新的変動などがあり、

更新が非常に遅くなってしまいました。

 

初めての方は、このシリーズの最初からどうぞ!

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私はついに、

年上のライターの女性から紹介してもらった、小さな編集プロダクションで、

文章を書く仕事をスタートしたのでした。


正直なところ、実際にはじめるまで、

具体的にどんなことをするのかさえ、よく知りませんでしたが、

 

文章関係の仕事っぽくて、

なんとか自分で食べていかれるくらいのお金にはなりそうなので、

チャレンジ精神でスタートしました。

 

入ってわかったのは、

その編集プロダクションが、

本というよりグッズのような、小さなムックを10冊作る仕事を受けたので、

人を入れたかったという事情でした。

 

発注元からは、10冊分、200万円の制作費を先払いでもらったと言われ、

 

「に、にひゃく……!?」

 

と、まとまった額に内心驚き、

また、ぐにゃ~っと景色がゆがむような感覚になりました。

 

私のする仕事は、

まず、ムックの原稿を書くこと

 

スタッフが図書館で、

そのムックのテーマに関する本を10冊くらい借りてくるので、

それらを参考に目次をつくり、

いろいろな本をつぎはぎして、

 

だけど、もとの本をそのままパクったというのはまずいので、

文体や言い回しを変えて、元ネタがわからないようにして、

新しい本を誕生させるのです。笑

 

たとえば、「アロマテラピー」のムックなら、

アロマテラピーの本を10冊くらい借りてきて、

それらの情報を組み合わせて、新しい1冊をつくる。

 

創造性、ほとんどゼロ。笑

 

むしろ、そんなものは発揮してはいけない。

 

内容に間違いがあってはいけないから。

 

でも、いろいろな本から、

一冊の新しい本を生み出すのは楽しかったです。

 

このときに、「類語辞典」というものを使うように言われ、

あれこれ工夫して、言い回しを変えました。

 

類語辞典って手にとったこともありませんでしたが、

こういうときに使うのかーと、勉強になりました。

編プロとかライターにとっては必需品のようです。

 

(私は本を書くようになった今も持っておりませんが……)

 

この執筆のおかげで、

アロマテラピーや園芸、猫の飼い方など、

興味のなかった多様なジャンルについて詳しくなりました。

 

ライターとか編集者って、否が応にも物知りになりますね。

広く浅く、という感じで。

 

そして次の仕事は、DTPです。

 

DTPとはDeskTop Publishing(デスクトップパブリッシング)の略で、

パソコン上で本をはじめとする印刷物のデザイン、レイアウト、編集などを行うことです。

 

DTPソフトで作ったデータを印刷所で印刷して、本などにするのです。

 

私がまずしたのは、

マックのパソコンで、

QuarkXPress(クォーク・エクスプレス)というDTPソフトを使って、

私が書いて、女社長にOKをもらった原稿を​流しこむことでした。

 

(個人プロダクションなので、社長が直接仕事の指示をしていました)

 

 

 

 

「流しこむ」というのは、それまで私も知らなかったのですが、

 

ソフトの中に、デザイン(枠、模様、ページ数の割り当てなど)だけができていて、

中身は真っ白なページがあるので、

そこに、原稿をペーストして、本文として入れるということです。

 

最初は流し込むだけの作業だったのですが、

だんだん、本文の中にイラストも配置したり、

どこのページに、どんなイラストを入れるのかを決めたり、

たまにイラストレーターさんに電話して、

イラストをお願いしたりもするようになりました。

 

そして、しまいには、

DTPのソフト上で、直接ムックの原稿を書くようになりました。

 

書く、流し込む、と2回に分ける必要がなくなり、手間が省け、

一番早いときは、1週間で1冊のムックをつくりました。

 

また、私は基本的にムックに専念していましたが、

そのプロダクションは当然ながら、

ムック以外にもいろいろな仕事を引き受けていたので、

たまに、その仕事の手伝いをすることもありました。

 

たとえば、大型レコード店で配布する小冊子の

あるアーティストのインタビューページに載せるキャッチコピーを考えるように言われ、

私の案が採用されたときは嬉しくて、

レコード店からその小冊子を数冊持ってきました。

(インタビューの本文は、社長が書きました)

 

また、大手エステの会報の利用者の声を書いたりもしました。笑

 

この経験で、世の中のものを、あまり鵜呑みにしなくなりました。

 

勤務条件は、日給7000円で、休日は日曜のみの週6日勤務でした。

 

契約書などもなく、全部口約束だったような気がしますが、

給料はきちんと支払われました。

 

編集やライター、マスコミ関係の人なら、よくご存知だと思いますが、

こういう仕事は勤務時間がすごく長くて、

終電になることもしばしばあり、

お昼休憩の1時間を除いて、1日10~11時間働いていたので、

時給に換算すると600円代でした。。

 

でも、経験ゼロからスタートさせてもらいましたし、

 

「制作費200万円から自分の給料が出ているのだから、

黒字にしてあげなきゃ」

 

という意識もあったため、

 

安い!とか、もっと払え!とか、勤務時間長えよ!

 

のような気持ちは全然ありませんでした。

 

週6日、決まった時間に起きて、電車に乗って、

事務所に到着したら、パソコンに向かって

ひたすら仕事をしました。

 

この仕事でわかったのですが、

私はパソコンに向かってする仕事なら、あまり疲れないし、

週6日、1日11時間でも、まあまあ集中して働けるのです。

 

ただ、仕事内容は向いているようで、よかったのですが、

よいばかりでは、ありませんでした……。

 

つづきます……