カテゴリ:旅
奈良県と三重県における近鉄とJRの競合の話をしましたが、これは利用してみれば分かりますが、利便性で一方的に近鉄に分があります。日本のあちらこちらで私鉄とJRが競合している地域は数多くありますが、これだけ一方的なのも珍しい。行き先は同じでも途中の線路が離れている天王寺~奈良間の関西本線は、それなりに健闘していますが、他はコールドゲーム。よく廃線にならないものだと感心するぐらいです 国鉄時代はこれで良かったんでしょうね。ぶっちゃけ言うと赤字でもいいのですから。ただ放置し過ぎて、民営化された時はどうしようもなく手遅れとなっていた感がありあり。関西本線の大阪~奈良間については国鉄時代から、複線や電化などの方法をとるなど、いろいろ手を尽くして近鉄を追いかけてきましたが、他はもうどうにもならないのを自覚しているとしか言いようがない状況です 利用者にとっては、あまりいいことではありませんね
前回の続きです 高田駅でやって来たのが
ヾ(≧∇≦)〃 国鉄105系電車 です。年齢は35歳ぐらい。既にJR東日本では15年も前に姿を消していますが、JR西日本では、まだまだ現役。ローカル電化路線で結構な数が残っています。とはいえ私の近所では目にすることができないので、これは貴重な機会です 王寺から高田を経て山間部を和歌山へと向かう和歌山線は、この高田駅で奈良へと向かう桜井線が分岐しています ただ分岐はしているものの、和歌山からやって来た電車が、ここ高田でスイッチバックして桜井線へ乗り入れる運行が多くなっています。高田から王寺の間は大阪への直通快速があるため、それで代用しているのでしょう
ちなみに、このように同じホームで乗り換えられるようになっています 105系に乗り込み2駅
畝傍駅に到着です。「うねび」と読みます。無人駅で何の変哲もないように見えますが、実はそうではないのです
ホームからスロープを降りると改札口があります。屋根付きの立派な木造駅舎です
もう1度中に入ってみます
窓口は閉鎖されていますが、待合室も広い 無人駅ですので、もう1度中に入ってみると
スロープがもう一本。ただし行き着いた所にあるはずの入り口は、ご覧のようにふさがれています。実はこれ、皇室の方々らが使用する貴賓室なんです なぜ貴賓室があるかというと、外に出れば分かります
この駅は橿原神宮への最寄り駅なんですよ。そのために貴賓室が設けられています。ただし最寄り駅というのもJRとしては、との注釈付き。誠に申し訳ございませんが、橿原神宮なんて、どこを見渡してもございません。地元の人々も含め、こちらが橿原神宮の最寄り駅とは誰も思っていないでしょう。橿原神宮の最寄り駅は近鉄の橿原神宮前です。そもそも橿原神宮の最寄り駅だったら、無人駅のはずがありません いろいろ説明が必要ですが、ひとつ言えるのは駅の周囲には何の商店もないということ。コンビニひとつありません。住宅地が広がっています。では本当に何もないのかというと
駅正面の広い道を歩いていくと分かります。10分も歩かないうちに
近鉄大和八木駅に到着。京都線(橿原線)と大阪線の乗り換え駅でもあり、ノンストップ以外の特急がすべて停車する主要駅で当然大きい。駅前には大きなバスターミナルがあり、もちろんですが飲食店をはじめとする商店をはじめ、デパートまであります。どう見ても見劣りします。ちなみに私も駅近所の喫茶店でランチをいただきました。電車の本数はというと、八木駅はひっきりなしに電車がやって来るのに比べて、JRの畝傍駅は1時間に1本(汗)。比較にもなりません ちなみに橿原市役所は八木駅と畝傍駅の間のやや畝傍駅寄りにありますが、申し訳ありませんが、利用者は八木駅を使うはずです。銀行もズラリと並んでいるし、一杯やるところも八木駅の周りに集まっています 橿原神宮の話に戻すと、八木駅から3駅目が橿原神宮前駅で、単に神社の最寄り駅というだけでなく、橿原線の終点で南大阪線との乗り換え駅という重要な駅になっているため、利用者も当然多い。これまた当然ですが、終点なんで特急も含め、すべての電車が停車します 現在、皇室の方々は京都まで新幹線でやって来て近鉄で橿原神宮に向かうというのが決まったパターンになっています。特急もあるし、なんといっても橿原神宮の前まで行けるのですから、そうなりますよね 畝傍駅の貴賓室は戦前にできたそうですが、天皇陛下の利用は、おそらく1度だけで戦後近鉄が充実にするにつれ全く使われなくなり、今は閉鎖されてしまいました。年に1度、見学のため開放するそうです それにしても皇室や首相らが利用する貴賓室がありながら、今は無人駅というのは、日本中見渡してもそう多くはありません ちょっと寂寥感を感じつつ、次の目的地へ移動することにします なにせ1時間に1本なので乗り遅れるわけにはいかない。と言いつつ、乗り遅れた場合も心配はいりません。近鉄を利用した方がすんなり目的地に着くんですから(笑)
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最終更新日
2016.06.21 20:25:15
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