山と葉っぱと猫が好き

ヘタレなりに独学で女性単独登山を楽しんでます。
悩んでくじけて、いつも一人で起き上がる。
山がわたしを育ててくれる。

やっと、槍ヶ岳(2)| 高山植物の花々に惹かれまくり

2017年10月31日 | ◇山 登 り(日記)

このレポートは2016年8月の山行記録です

なかなか進まなかった槍ヶ岳レポートの続編です。

【行 程】

[一日目]沢渡駐車場→(バス)→大正池→河童橋→明神→徳沢→横尾→一ノ俣→槍沢ロッヂ(宿泊)
[二日目]槍沢ロッヂ→天狗原分岐→グリーンバンド→槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳→(同行程ピストン)→槍沢ロッヂ(宿泊)
[三日目]槍沢ロッヂ→一ノ俣→横尾→徳沢→明神→河童橋→(バス)→沢渡駐車場

【二日目】槍沢ロッヂ→天狗原分岐→グリーンバンド→槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳→(同行程ピストン)→槍沢ロッヂ(宿泊)
距離:約10.7km 累積標高差:約+1376m、-1376m ※精度の低い数値ですので参考程度でお願いいたします

山小屋・槍沢ロッヂを夜明け前に出発して、槍ヶ岳を目指しています。
前日からの長い行程の中で、ようやくはじめて槍の穂先がチラ見えしてくれた、グリーンバンドで少し休憩しました。

改めて地図を見て、今日の行程を再確認。ここから1時間40分で稜線に出られるそうなので、プカプカの脚だと2時間30分はかかる計算です。(結果から言うと3時間かかりました 笑)
のんびりしてたら日没前に槍沢ロッヂに戻れなくなるかもしれないので、いつもみたいに自然を楽しみながら登る余裕はありません。

レンズの望遠で近づく槍ヶ岳の顔は、いよいよ男前です。待っておれー。その顔にしがみつきに行くからねー。


とか言ってもここから先が、高山植物の宝庫なのです。
急ぎたくても急げない。急いでるのかいないのか。一応急いでるつもり…
お花が咲いてるとついつい、ついつい、足が止まってしまうのでした。

■高山の花々に出会いながら■

イワギキョウ(キキョウ科) / ミヤマリンドウ(リンドウ科)

だって高山でしか出会えない花なんですもの。ただ通り過ぎるなんて、できるわけないじゃないですかぁ
本当はもっとゆっくりじっくり観察して、風に吹かれ虫たちの吸蜜に揺れる姿を、静かに眺めていたいのです。この場所で育つのはどんな気分かなぁって、花の"気持ち"を妄想したいのです。
それはさすがにガマンして、行き過ぎねばならぬ。ぐぐぐ…
イワツメクサ(ナデシコ科)と槍
イワツメクサと槍ヶ岳

この辺りはまだ傾斜もきつくないので、地道にこつこつ登っていけばいいだけなのですが、日差しの厳しさで若干バテ気味です。
毎度のことですが、たくさんの人が後ろからやって来てはプカプカを抜いていきます。みなさんお元気で~


シナノオトギリ(オトギリソウ科)
シナノオトギリ
オトギリソウは標高や山域で微妙に違う種になったりするので、葉っぱでの識別もとっても重要です。
高山帯にはイワオトギリとシナノオトギリがよく咲いていて、花だけ見ると同じなので同定でよく悩みます。
最近やっと心得始めたのですが、葉っぱの写真を撮って、裏表や葉縁を拡大して観察します。この写真はわかりにくいけど、よく見ると縁に黒点が並び、表面には明点が散らばっているのでシナノオトギリで同定しました。

クロトウヒレン(キク科)
クロトウヒレン
昔、八方尾根に自生しているこの花のつぼみを見た時はなんだかわからず、このブログで質問してrise1953さんと shibaさんに教えていただきました。ご覧頂いてるかわかりませんがその節はありがとうございました(*^^*)
黒紫色をした総苞の造形がきれいです。花が咲いてない時の方が好きかも。

ウラジロタデ(タデ科) 果実

花はすっかり終わり、果実がつやっつやにテカってます。花より華やか~

ミヤマアキノキリンソウ(キク科)
ミヤマアキノキリンソウ
山域や標高によって高山種なのかで悩むことも多い、アキノキリンソウ。頭花がてっぺんにまとまって咲いてます。

ところで、前編に載せていた、槍沢に咲くこの個体(下写真)。果たしてミヤマアキノキリンソウなのでしょうか。つぼみの形態がよく見るとキク科っぽい。キク科特有の舌状花がなく、アザミのように全部筒状花になってしまえば、こんな姿になるかもしれない。とするとこの個体はミヤマアキノキリンソウの奇形ということもありえるのか。謎です…

ミヤマアキノキリンソウと槍ヶ岳
ミヤマアキノキリンソウと槍ヶ岳

クロトウヒレン/シラネニンジン果実



ウラジロタデのお花畑
あそこの岸壁、かっこいいなー

イワギキョウの花が点在して咲いてます。
イワギキョウ(キキョウ科)


しぼんだイワギキョウ 
しぼんでしまった花筒ですら、いろんなことを思わせる。
受粉が終わって、花がしぼんで、果実になって、その中に種を宿す。その種がまた来年、根を張って芽を出してくれればいいな。

厳しい北アルプスの高山で、深い雪に埋もれて、時には雪崩に持っていかれたりもするだろう。
それでもまたここで咲くことを、わたしは想うのです。再びやって来れるとも限らないこの場所を。
イワギキョウ

チングルマ(バラ科)果実
チングルマ果実
チングルマの果実についたふわふわの羽は、わたしたちを魅了します。
カメラを向けると、ちょっと寄ってボカすだけで簡単に空気感のある味な写真になるので、自分の腕が上がったと思い込める、すばらしい被写体でもあります。
(上の写真がいい例です。よい写真を撮った気になってる、プカプカのいやらしさがにじみ出ています)

このチングルマの果実(種)を、ちゃんと確認したことがありません。
タンポポの綿毛のようにすぐ風に乗って飛ばされたりしないのと、この花が咲く高山帯は降雪の時期も早く、種が飛ぶか飛ばないかという秋の終わりに雪に埋もれてしまうため、わたしのような夏から初秋をメインに時々登るだけの者は、落実するまでを見る機会がないのです。

冬直前までチングルマの咲く場所の近くで活動(生活)する人しか、種がすべて飛んだ後のチングルマを見ることはできないんじゃないのかなー?
平地などの身近な野花は、開花前から結実・落実までも見ることができるけど、高嶺の花はむずかしい…
そういうところにも惹かれる理由があります。

シラネニンジン(セリ科)

葉っぱで同定しました。セリ科は花だけだと種がまるでわからないので、葉っぱは本当に大事だなー

タカネヨモギ(キク科)

なかなか他の山でお目にかかれなかった、プカプカ的には貴重な花です。ヨモギは標高が低い山地帯では繁殖力が強くて、他の花に勝る勢いで咲いているけど(地味だから目立ってないけど数にしたら相当なもの)、高山種になると数が少なくて滅多にお目にかかれません。寒さに耐えられるようにか、葉の形も線形でまるで違うんですね。
普段の山野でヨモギを見ると、葉を軽くもんでその香りを楽しむプカプカですが、ここではそれをするのをすっかり忘れておりました。同じヨモギ属なので、葉に芳香があるそうです。


という感じで結局花に向き合ってしまってなかなか早く進めないのですが、これでも結構止まりたいのをガマンして急いでいる方です。急いだところで普通の人より遅いのがプカプカですから、時間がかかってしょうがありません。

やがて、前方は雲ひとつない青空なのに、振り返ると東の方角から雲がこちらに集まってくるのがわかりました。
これはもしかすると、このあと槍ヶ岳の稜線まで来るかも・・・
大抵、この予感は当たります。

「雲に追いつかれるより早く登り着くことができたら」
山を登る誰もが一度とならず何度も思ったことがあるであろう、切なる望み。
それは叶うことなく、山のルーティンワークのように午後の雲は稜線に吸い寄せられていきました。
 

( つ づ く )


つづきの(3)はこちら (作成中)
【槍沢ロッヂの山小屋レポート】(作成中)


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お久しぶりです (チャマ)
2017-11-19 19:07:38
プカプカさん、お久しぶりです。
やっぱり高山植物があると進まないですよね。
気持ちわかります。
槍ヶ岳には、いつ行けるか分かりませんが、いつか挑戦します。
私事ですが、来月千葉に旅行に行って低山ハイキングもしようと思っています。
鋸山かなぁ。
プカプカより (◆チャマさんへ)
2017-12-04 17:18:23
チャマさん、なんということでしょう・・・
コメントいただいていることに気づかず今頃になってしまいました。本当にごめんなさい!(;_;)
(最近はすっかり誰にもコメントをもらえないブログなので、なんだか投げやりになりつつあったわたし…)

千葉旅行はいかがでしたか?
山の植生が照葉樹で緑がたのしめたり、まだ紅葉している樹木もあったのではないでしょうか。
花も咲いてたかもしれませんね。

高山植物を見られる山に行ける時期はほんとうに一瞬のようなもの。
その年に一度の貴重な期間が人生であと何回(しかも歩ける体力があることを前提として)あるんでしょうね。
今年はだめだったから来年こそは、またいつか、と思う場所がわたしにもいっぱいあります。
挑戦できるものは今のうちにしないと、もうチャンスがないかもしれないなぁ、と最近は漠然と思うようになりました。

それでも後悔しないために、今まで登った山をじっくり堪能してきたのかもしれません。長々失礼しました。
はじめまして (nekoyama_shanyae)
2018-05-07 09:18:39
プカプカさんはじめまして。
プカプカさんの写真、文章、山の歩き方が大好きでブログをよく読まさせていただいていました。
(読まさせていただくばかりでした…ごめんなさい)
ブログの更新が少なくなってとても寂しく思っていたのと同時に、何かあったのかしら⁉︎と勝手に心配していました。
スマホを変えてしまってからブログのURLをどこに残して良いのか自分でも良くわからなくなってしまった事もありプカプカさんのブログを見させていただく機会がなくなってしまいました(T . T)

この夏槍ヶ岳を目指したいと思っています。
どのコースから行くか。自分のコースタイムをどう設定するか、小屋はどこにお世話になるか。
色々リサーチしている時にふと、プカプカさんは槍ヶ岳、行ったとこがあるかしら⁉︎と思ってブログを開いてみると槍ヶ岳の記事が‼︎ヤッタァ〜😆じっくり読まさせていただきました。やっぱり写真が素敵✨✨✨✨✨
そして、プカプカさんの歩き方がやっぱり好きです。
私もお花が大好きで、ゆっくりしか歩けなくて、写真を撮る事を理由に休憩をする‼︎😅
急がなくたって良いじゃない‼︎一歩一歩足を前に進めればいつかてっぺんにたどり着ける‼︎
と、山歩きを楽しんでいます。
うわぁ〜‼︎すごく長くなってしまってごめんなさい🙏コメント欄開いて下さっていたので嬉しくてくどくどと書いてしまいました。
これからもノンピリペースで良いので、お山、お花の写真、素敵な文章アップしてくだされば嬉しいです‼︎
プカプカより (◆nekoyama_shanyaeさんへ◆)
2018-05-18 21:13:19
nekoyama_shanyaeさま
お返事が遅くなって申し訳ありませーん!!!
そしてはじめまして!(*^^)
全く更新していないブログなのに訪問いただいて、とてもうれしいです。
プカプカは元気に生きてますよ。山に関係する新しいことをはじめたため、時間のほとんどはそちらに費やしてしまい、ブログに手がつけられなくなってしまいました。
これは公式にはどこにも書いていないことなので、nekoyama_shanyaeさんに今はじめてお伝えしました。

以前からご覧いただいてたみたいで、ありがとうございます^^
槍ヶ岳レポートは未完のまま、この先完成する予定もたっていないので申し訳ないのですが、参考にしてもらえたらうれしいです。

やっぱ山や自然は感じながら歩かなくちゃ、もったいないですよね~
二泊三日かければこんなわたしでも登れた槍ヶ岳なので(大変だったけど)、nekoyama_shanyaeさんもお花を楽しみに行ってらっしゃいませー
わたしもまた行きたいなー。お花の季節に・・・
こんにちは (ゆきんこ)
2018-11-25 12:18:49
プカプカさん、こんにちは。
スマホにして、PCをあまり開かなくなりPCを変えるとおきにいりも消えてしまい、、
久しぶりに探してみたら、あった!
変わらずステキな写真。
頑張られてますね^_^
よかったよかった。
またレポートお待ちしてます
プカプカより (◆ゆきんこさんへ◆)
2018-11-27 00:49:07
ゆきんこさん〜
お久しぶりです!何年ぶりになるでしょうか。わざわざ探してまで、また訪れてくれたなんてとってもうれしいなー(*´∀`)

スマホになってPCをあまり開かなくなる、、、同感。
わたしやゆきんこさんがそうであるように、きっとほとんどの方がスマホ版でこのブログを読んでらっしゃるんですよね。
PCブラウザにあわせてレイアウトを変えていた時代が少し虚しいような。

もう一年以上も更新できていないため、何か方法を変えてみたいと思っています。
今の仕事(自然系)に活かす方法はないかな〜とか。
(思っているだけで何もかもしてない(^.^;))

昔よくコメントをくださったみなさんは、最近どうしているのか、どんな山歩きをしているのか、近況を聞いてみたいと時々思います。
あの人や、あの人。それに、あの人。
ゆきんこさんのことも!

ブログって、何か書くと他の人にもみんな知れてしまうという点で、実はまどろっこしいツールなのかも?(^o^;)
使い方次第ですね!

また遊びにきてね〜〜〜
Unknown (T.HOHO)
2018-12-10 21:46:02
 プカプカさん こんにちわ

槍沢コースは 無理をしないで 横尾に1泊、槍ヶ岳山荘に1泊して歩いたことあります。顔を上げれば天を衝く槍の穂先が見え、足元はお花、ガレ場は広々として悪く無い 良いコースですね。


写真 チングルマの上 10茎程のイワギキョウ

 我が家近くの公園に遊ぶ 明るく元気な保育園の子供たちのようで とてもかわいいです。
プカプカより (◆T.HOHOさんへ◆)
2018-12-11 21:30:32
T.HOHOさん、お久しぶりです。コメントうれしい。

横尾から槍ヶ岳山荘までの行程は、長くてとても大変そう。下山は稜線から一気に上高地ですか?
わたしには無理だろうな〜
ご健脚ですね。

保育園の子どもたちみたいなイワギキョウ。T.HOHOさんの視点がとても好きです。

最近、自然保育のお仕事に携わるようになりました。
子どもたちは、山の花。
愛しい愛しい、山の花。
その花を咲かせるのが、わたしの仕事。
今のわたしにとてもぴったりのお言葉でした。
Unknown (チャマ)
2019-05-02 06:26:23
プカプカさん、お久しぶりです。
新緑が美しい季節になりましたね。
(新緑の季節になるとプカプカさんを思い出します)

ところで、長野に移住?されたのですね。
山がより身近になりましたか。
充実した生活を送られていることを願っています。
Unknown (◆チャマさんへ◆プカプカより)
2019-10-23 21:06:43
チャマさん、5ヶ月くらいコメントに気づくことができてなかった。
ごめんなさい(´;ω;`)
そうなんです。今は長野県人です。毎日が山です。
自然の中で暮らし、働いています。最高です。
やりたいことがたくさんあり過ぎて、忙しくてブログに手がつけられなくなりました。
プカプカは元気にしてまっせ〜!

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