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世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

8.クリスマスの後は

2014年12月25日 | 冬の物語
 昨日は、クリスマスイブという事もあり、豪華なパーティーで盛り上がった。
 シャンパンをがぶ飲みし、頭が痛い。飲み過ぎた。リビィングを見渡すと、クリスマスツリーが倒れて、コップとケーキの皿がザンバラに散らかっている。
 ベッドでは知らない女が、いびきをかいて寝ている。
 窓のカーテンを開けると、陽射しがまぶしくて、目を細めた。目の前の道路をゴミ収集車が通ってて、走ってサンタクロースが空き缶やゴミを拾っている。
 昨日の余韻がまだ残っているようだ。
 そんな光景を見ていると、隣の女がムクッと起きて、「メリークリスマス。」としゃがれた声で囁いた。
 「あーメリークリスマス。」と返した。その後、下着姿の女は、浴室に向かっていき、シャワーを浴びた。
 まったく、どうしてクリスマスイブの次の日っていうのは、あっけらかんと終わってしまうのだろう。
 昨日まで、あんなに盛り上がり、サンタがやってくるのではないのだろうかという期待があったが、次の日は、むしろ喪失感がある。
 シャワーを浴びた女がお面の様なすっぴん顔で出てきて、「昨日は楽しかったね。ありがとう。」と言った。グッチのバッグを手に取り、コートを羽織ると、家のドアを出て行った。
 私は、昨日の残っていたシャンパンを飲み、外を片付けているサンタ達の後ろ姿を見ていた。

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