iPhoneの純正メモに秘められた力をWorkflowで解放する:その8 Google

メモからWeb検索したい。曖昧な記憶を頼りにしていては筆が進まなくなります。思考が閉じて狭くなる。検索は情報の確認ではありません。思考の外部を引き込むことです。外部に繋がることで、次への連想が喚起される。思考が熟すための時間潰しも兼ねながら。


Googleレシピ

Workflow: Powerful Automation Made Simple 1.7.4
分類: 仕事効率化,ユーティリティ
価格: 無料 (Apple)

Web検索用のレシピ。Textwellなら「カーソル行をキーワードにして検索」ができるけれど、純正メモ+Workflowでは「カーソル位置」を取得できない。まあ、普通のエディタはカーソル行なんて取れないですよね。そこをどう捌くか考えてみました。


使い方

試行錯誤の末「メモの最終行がキーワード」となっています。あとSafariを立ち上げるのではなく、内蔵ブラウザ方式を採用してみました。これ、動作が軽い。

「検索」は、キーワードが先に浮かぶ行為です。決してブラウザを立ち上げてから考えるプロセスではありません。だとしたら、メモから単語を引用する方式じゃないと手順が合わない。「なにこれ?」と思ったら、それを調べる。人間の思考はそういう順番に生起します。それが「最終行がキーワード」を採用した理由です。


範囲選択から

キーワードは最終行だけではありません。単語を選択し、ポップアップメニューの「共有」からでも起動できます。実質、何でも検索できるレシピです。

今回はGoogle検索にしましたが、中身を見ればわかるように、「URL」を書き換えればどの検索サイトにも対応できます。どんな検索が必要かは人それぞれなので、このレシピを増殖させたり、メニューを組み込んだりして、どんどんカスタマイズしてください。


リンク作成

内蔵ブラウザの共有シートから「メモに書き込む」を選ぶとアイコン付きのWebリンクを作成できます。「文字を書く」とは別の次元に通路が開かれる。

そしてWorkflowも起動できる。とすれば、リンク作成レシピを作れば「屋上屋を重ねる」になって、どうなるんでしょう? このネタは次回深めてみます。


まとめ

インターネットのない時代の「検索」は、専門家だけに許された作業でした。「自分の知らないこと」を知るためにまず何を見ればいいかを知っている。そういうメタ知識が要求されていた。過去の「専門性」とは、そのメタ知識の有無を指していました。

現代における「専門性」は、その頃からは大きく変質しています。「まだネット上に書かれていないことがある」という感覚を要求される。「無知の知」の時代から「未知の知」の時代に移行しています。Googleが表示する「検索結果」は、その「無知」と「未知」のボーダー領域を示している。今回Googleで遊んでいるときにそんなことに気づきました。

でも「ネット上に書かれていないこと」を意識する知性となると、どうやったら磨けるのだろうか。なんか大変な時代に入っているなあ。最初の「思考の外部」のことなんですけどね。ほんと、難しくてわかんないや。