シューマン作曲の歌曲、
(最も人気が高く、有名な作品!?と言っても過言ではない!?)
《献呈Widmung》
最高の愛の表敬とともに、
自己啓発の機を相手に重ねる、
相手を尊重しつつも、自己が高められる・・・!?
相手が主なのか、実は自分が主なのか!?
主従が分からなくなってきてしまいました・・・
この曲の最後の後奏には、
間違いなく、シューベルト作曲のメロディー《Ave Maria》が現れています。
しかし先程、丁寧にこの箇所を練習してみて、気づいたこと・・・
後奏に入ってから、2度の「Ave Maria」が奏でられるのですが、
気になったのは、二度目の方・・・
ややこしい左手の伴奏には、
不吉な[減5度]と[増4度]が、
連続して現れている、という事実・・・
[減5度・増4度]という音程は、
中世欧州における音楽学においては
「tritonus(三全音)」と名付けられ、
その不協和な響きから 「音楽における悪魔diabolo di musica 」と呼ばれる
不吉な音・・・
この「悪魔的な音」と、
上声部メロディー「Ave Maria」を重ねたという
作者シューマンの心に・・・
ちょっと・・・恐ろしいものを感じてしまいました・・・
歌詞にもある通り
最愛の相手は、痛みSchmerzでもあり、
彼女は、聖母マリアのようであるとともに・・・
悪魔的な背景を・・・音楽的事実「音程」を用いて暗示してしまったという
シューマンの心は・・・いかに!?深く・・・暗い!?・・・
《献呈》
名曲に含まれる、光と闇を、
見るということでしょうか・・・
♪
追記:
そこで目に浮かんできてしまったのは、
ムンクの描いたマリアの裸婦画・・・
聖なるを犯す、いわゆる世紀末的思想の一端が、
危険人物!?ムンクやシューマンに見られるような・・・気がしてしまいました・・・
追記2:
この音楽を献呈された側の気持ちも・・・こう考えると、複雑な心境に思えてきてしまいます・・・
(もちろん、妻となるクララ・・・
気丈なこのドイツ女性は、苦境にめげず、立派にシューマン夫人として、一生を全うした!!・・・感動的なまでに、凄い人生・人物に思えます・・・)