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テレビ東京ドラマ「プレイガール」はチャリ・エンのベースか?

最近、レンタルDVDで「プレイガール」なるテレビドラマを観た。1969年から74年にかけてテレビ東京で放送されていたドラマで、設定は、女性の保険調査員たちが保険会社からの依頼を受けて、様々な事件を解決していくという話で。ヤクザやギャングのような男たちと格闘を繰り広げるシーンがクライマックスにあり、当時としては先進的な女アクションのドラマである。

女アクションというと、私としては、1976年よりアメリカで放送され、日本でも放送された「チャーリーズエンジェル」を思い出す。そして、その内容は、この「プレイガール」に類似するところがある。女だけの探偵3人が、アクションと色気で事件を解決して、格闘シーンもある。

その他の特徴としては、女性ならではのお色気と様々な衣装でターゲットを操り、作戦を展開する点だ。当時は、ウーマンリブとかフェミニズムが盛んになった頃だときく。女性が格闘アクションなど現実味がないといわれながらも、その意味で時代の波に乗ったドラマだったと考えられる。どちらのドラマにも、そんな社会の動きを暗示するセリフがある。

プレイガールでは、最初の回のタイトルが「男ご無用」とあり、ドラマの中では悪者の男が「今の日本では婦人警官は少年課か交通課にしかいないんだ」と女が大それたことをするはずがないという感覚がみてとれる。

チャーリーズ・エンジェルでは、最初の回で女性だけのカーレース場が舞台となり、それを運営する男たちが不人気に憤って「やつらを裸にしても客は来ない」と荒っぽいセリフを放つ。

だが、女たちは見事に与えられたミッションをこなすわけである。プレイガールの方が先に製作され放送されたのだから、こちらが先をいっていたといえる。また、プレイガールに関しては、ボスからその他複数メンバーが全て女性であり、チャリ・エンと違い、男のボスや補佐役はいっさい存在しない。となると、日本の方が上をいっていたということになる。

私としては、女アクションやお色気より、当時のカルチャーに注目がいった。




当時流行りの歌だった小林明子の「あなた」、また、当時は女性が今より着物を頻繁に着ていて、また、漁村には海女がいて、行商をしていたという光景。アクションシーンについていえば、女性に対峙する男たちというのは、製作者がヤクザやギャング映画の製作経験があったということだけあり、強面勢ぞろいで、それが、美しい女性たちとの見事なコントラストとなっている。当時、流行りのミニスカートで蹴りを入れ、パンティが丸見えのシーンがあり、それがいかにも売りだったように思える。ドラマが終わった頃にはミニスカートは流行ではなくなったようだから、重要な要素だったのだろう。また、ゲストとして、若き日の岡田真澄や山城新伍が登場。脇役ながらピカイチの演技を披露する。山城新伍は当時、関西弁を話すキャラだった。

だけど、当時の娯楽らしく、設定はもとより、ストーリー展開が非現実的で強引。最後は彼女たちがインターポールに召集され解散となるのだが、そんなのあり得ない話だ。なんでもありの展開で、ストーリーの筋が追えなくなることもあるが、彼女たちの活躍ぶりで、なぜか楽しめる。

思ったのだが、チャーリーズ・エンジェルに対抗して、映画のリメイク版を製作したらどうか。

現代の設定だけど、同じく保険調査員。メンバーは5人ぐらいにして。ドラマ中には、オマージュとして「あなた」をステージでメンバーが熱唱。ミニスカのメンバーを何人か入れる。アクションで印象的だった柔道の巴投げで、男を海や川へ投げ込むシーンを入れる。俳優たちには、説得力のある格闘を期待したい。最低1か月は道場で稽古をして、それらしい動きができるように。

リーダー役には、ドラマでリーダー役だった沢たまきのような貫禄ある女性を入れること。沢たまきは背が高く男装もこなし、声もハスキーなため女頭としての説得力があった。チャリ・エンでいえば、サブリナ役のケイト・ジャクソンがそっくりの様相だった。チャリ・エンでオフィスに仏像があるのは、そういうことを暗示してのことだったのかもしれない。セクシーガールばかりだと探偵アクションものとしては締りが悪いということで、地味なキャラで中和する必要があったのだろう。

登場人物の中には、調査員とは別に、協力または対峙する立場の女性に欧米系かアフリカ系のエージェントを入れる。国際色豊かに。

そうだ、プレイガールには、チャリ・エンよりも、入浴で半裸になるなど、しっかりとしたヌード場面があり、それが日本ならではだった。なので、さらに日本ならではの混浴浴場場面を入れ、そこで、全裸男女の格闘なんてどうだろうか。対決する男の方は、ボディビルダー的なムキムキ男。超セクシーな格闘シーンになると思う。変態仮面で主演だった鈴木亮平なんていい。

そして、最後に難事件解決、彼女たちは自分たちのことをどう呼ぼうか話し合うシーンでエンディング。プレイガールというのは、本来間違い。複数の女性だから「プレイガールズ」にすべき。でもって、日本人の発音だとPRAYGIRL(祈る女性)となり、変なので彼女たちと一緒に活躍する外国人女性により、舌を上顎に接して発音するPLAYGIRLSと発音。ついでに、英語的にハイライトする意味でTHE PLAYGIRLSと名付ける。

名づけの候補にエンジェルというのも出るけど、これはプレイガールを真似したに違いないドラマのタイトルからの引用だ。私が想像するに、当時、東京に立ち寄って都内のホテルに泊まった米国のテレビ制作者が、言葉はわからないがテレビでこの番組を見て、それがアメリカより男尊女卑な日本で人気の番組だと知り、それなら、米国でもうけるだろうと発案してチャーリーズ・エンジェルを構想。だが、女アクションはうけないとテレビ局側に一蹴されるが、元婦人警官の女3人、男性のボスに雇われているという設定で受け入れられ、セクシー女優(ファラ・フォーセット)を起用して大人気番組が登場したという流れ。米国で全国ネットだから、メンバーを覚えやすく3人に限定したし、ある程度の現実味は持たせたところがアメリカらしい。

プレイガールの製作者の思い出話がDVDに収録され、ローカルなテレビ東京だったから視聴率はあまり気にせずつくれたと語っている。つまり、プレイガールはチャリ・エンのパイロット版だったということか。

ちなみにチャリ・エンは、当時のアメリカのフェミニストからは「家庭向けポルノ」と揶揄されたので、結局のところ、男の視点でつくられた女の姿でしかなかったのかもしれない。

by masagata2004 | 2017-10-22 15:54 | 映画ドラマ評論 | Trackback | Comments(0)


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