ここ数年東京都は、教育委員会、産業労働局、福祉保健局がそれまで個別に行っていたものを、相互にそれぞれの特色を活かすよう調整した上での企業セミナーを開催していることは当ブログでも何回かお知らせしてきた。

今年も、先陣を切って教育委員会が「障害のある生徒の雇用の在り方と就労支援」〜特別支援学校高等部生徒の雇用の拡大とインターンシップの活用と銘打った、表題の企業セミナーを開催することが6月10日発表された。(昨年は5月29日だったのでだいぶ遅い)
詳細は、東京都のHPで確認いただくとして概要をお伝えしたい。

・日時:平成27年7月8日(水)13:30〜16:45(開場:13:00)
・会場:東京都教職員研修センター(文京区本郷1−3−3 最寄:JR水道橋駅徒歩約3分)
・定員:200名(参加費無料)
・対象:全国でもトップクラスの知的障害生徒の企業就労(平成25年度、628名、就労率約43%)という成果を上げた東京都特別支援学校での教育内容、就業に向けた学習内容、インターンシップ受け入れのノウハウ、就業支援体制、定着支援体制などに関心を持たれている企業の皆様。
・申し込み:平成26年7月6日(月)までにHP掲載の「申込書」で東京都特別支援教育推進室までFAX(03−5228−3459)で申し込む。(定員を超えた場合締切以前に受付を終了するかもしれません)
プログラム
〇第一部
「障害者雇用施策について」(労働行政機関からのご案内)
「インターンシップから雇用まで」(都立特別支援学校に関する案内)
〇第二部
シンポジウム:「特別支援学校卒業生のキャリアップと職場定着」(障害者雇用の現場から情報提供等)
コーディネーター:小林幸男 (元オレンジジャムコ代表取締役社長=ジャムコ特例子会社)
パネリスト:伊東一郎(株式会社前川製作所 顧問)
       北浦 晃(味の素株式会社 人事部人事部人事グループ兼CSR部 専任部長)
       瀧川 敬善(東京海上日動システムズ株式会社 GRC支援部 課長)

本セミナーが知的特別支援学校の進路指導担当教員を中心に始まってから11回を迎えるという、10年弱の期間にセミナーが東京都の公式行事(障害種として、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由の学校の取り組みも加えられた)として格上げされ、産業労働局、福祉保健局とも取り上げるテーマが重複しないような取組もされてきている。

そんな形式的な進歩もあるが、約11年前の知的障害特別支援学校生徒の企業就労は、確か30%を切る状況ではなかっただろうか?
東京都という企業数の圧倒的な数、障害者雇用をめぐる法的整備(除外率の引き下げ、納付金対象規模の引き下げ、法定雇用率の引き上げ)、障害者自立支援法の制定、就労支援機関の充実、企業における障害者雇用経験の積み重ねやCSR意識の向上など環境は障害者全体の就労を底上げしてきたことは間違いない。

それだけではなく、就労率及び絶対数でも全国で群を抜いた企業就労を挙げている東京都特別支援学校が、企業の要請にいかに向き合い、指導要領の変化に対応してPC操作に関する授業を増やし、卒業生の企業就労100%を目指す特別支援学校を6校開校するなどの手を打ってきたのか、さらに昨年度から足立特別支援学校の普通科に、続く来年度港特別支援学校にも職能開発科を設置するなど前に向かっている姿がどのように表現されるのか興味のあるところだ。

あわせて、企業の障害者雇用担当者には東京都の各学校の進路指導教員、特別支援教育推進室、都内を6ブロックに分けて各学校が地域ごとに進路情報を交換・共有するブロック制度、東京都の委嘱した就労支援アドバイザーの活動など生徒の就労支援体制がどれだけ企業にメリットがあるか確認する良い機会だとおもうので是非参加をお勧めしたい。


人気ブログランキングへ




にほんブログ村