<23rd May Sat>

忙しい週が終わって、明日から3連休。来週は毎日出勤ですが夜はヒマなので、ベルリン記事をたくさん書ける筈。今日はこれに刺激されて観に行こうと思って下さる方がいらっしゃるかもと思い、昨日のオペラを先にアップします。

では、今日はもうすぐROHのラ・ボエームの初日に行ってきます。ネトレプコはちゃんと出てくれるようでやれやれ。

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まず、カルメンってどんなストーリーなの、と仰る方は以前の記事で闘牛士が説明してくれてます(→こちら )。


全て英語にしてしまうEnglish National Opera、どうせ事前に切符買わないし、演目のチェックもほとんどしてないのですが、出演者によってはたまに行くこともあり、昨日は急遽カルメンを観に行きました。英語のカルメンなんて嫌ですが、主役の二人が観たかったので。 

ってことで、会社の昼休みに地下鉄でひとっ走りDASH!、レスタースクエアの割引小屋TKTS(→こちら )に行き、30ポンドのストール席をゲット(手数料込み)。これ、元の値段は手数料なしで117.5ポンドですから、ほぼ4分の1グッド!がま口財布  あまり席の選択がなくて、もっと前の席が空いててもそこでは売ってないのががナンですが、15列目であっても真正面にしました。ここで真正面から安い値段で観る機会はほとんどないでしょうから。まだ始まったばかりですが、評判が良いと切符がどんどん売れて、ダンピングされなくなるので、興味ある方はお早めに。

     



   


   



Director: Calixto Bieito

Conductor: Sir Richard Armstrong

Set designer: Alfons Flores

Costume design: Merce Paloma

Lighting: Bruno Poet


Carmen: Justina Gringyte

Don Jose: Eric Cutler

Escamillo: Leigh Melrose

Micaela: Eleanor Dennis

Frasquita: Rhian Lois

Mercedes: Clare Presland,


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プロダクションは写真でご覧の通りチープで全く頂けませんが、若い美人のカルメンと精悍なドン・ホセで、これほどビジュアル的に絵になるカップルは年食った歌手がやることが多い一流歌劇場では稀でしょう。

でも、私にとってはビジュアル面はオマケであって、目的は二人の歌。結論から先に言うと、歌も期待通りでしたが、二人ともそれぞれビジュアル的にぴったりだっただけじゃなくてケミストリーも抜群だったのがオマケの喜びでしたラブラブ



         


女の子

カルメンのJustina Gringyte(ジュスティーナ・グリンガイトと読むのかしら?)はつい最近までROHの若手アーチストだったリトアニア人メゾ・ソプラノで、ROHの脇役で散々観たのですが、いつも立派な声量と個性的な声で光ってたので、いつかちゃんとした役で観たいものだと思ってたところ。


背が高くて硬めの声のジュスティーナ嬢はズボン役が似合うと思うのですが、カルメンと来ましたか・・、とちょっと驚きましたが、金髪カールでまるでバービ-・ドールみたいですごくチャーミング(欲を言えばちょっと足が太いのが残念だけど)。くねくねしないけどクールでセクシーだし、期待通りの立派な歌唱で素晴らしかったです。

この成功で一流歌劇場からちゃんとしたフランス語のカルメンのオファーがあるといいね。私としては、薔薇の騎士のオクタヴィアンとかやって欲しいけど。



     

男の子

ドン・ホセのエリック・カトラーは2006年7月にROHのドン・パスクアーレ(→こちら )ですごく気に入ったアメリカ人テノール君。

NYメトでも主役やったりしてなかなかの経歴なのにそれ以来ロンドンには来ないので、すっかり忘れてた人ですが、久し振りに見たら太ってて最初はがっかりしたけど、ハンサムで精悍なエリック君はタフな兵士役がぴったり。

アラーニャみたいに大袈裟に演技しないので最初はちょっと物足りなかったけど、慣れたら自然な感じでこれもいいかもと思ったし、最後は控え目ながら現実味溢れる振られ演技で見事でした。


歌はと言うと、以前はドニゼッティとかのベル・カント系の細い声で(ルックスとのギャップが凄かった)、それが私は好きだったのに、なんかすっかり太い声になってしまってガッカリだったけど、ドン・ホセはこうでなくちゃいけないし、テクニックも声量も充分で立派でした。 声の変化に伴ってワーグナーまで歌うことになったらしいエリック君、長身で舞台映えするヘルデンテノール(力強く英雄的な声)は貴重だから、今後はそっちの方で一流になれますよう。


他の歌手たちも、衣装はワーキング・クラスのニイチャンネエチャンでぱっとしなかったけど歌は上手でした。ああ、これがフランス語だったなら・・・。ENOって、劇場も素晴らしいしパフォーマンスのレベルも悪くないのに、オペラの良さを半分殺してしまう英語ポリシーだけが残念です。




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