ろー・ふぁーむ・かるぴお by pridegreen

結論から言えば，こうなる。残酷なようだが，カープの選手はまだなまっちょろいということだ。

ジャイアンツの選手はさすが勝負所をわきまえているだけあって，この試合が絶対に落とせないということをよく分かっていた。だから血反吐を吐くぐらいの死にものぐるいでかかってきた。したがって，攻撃陣は甘い球を全くといっていいほど見逃してくれなかった。一方のカープはどうか。ジャイアンツと同じくらいのヒット数は打っているのである。それで５点差付けられたということは，要は連打が出なかったということである。実際，あれだけ先頭打者を打足ながらほとんど先の塁に進められていないという現実があるのだ。何とか勝てればいいなあというくらいの非常にマイルドな集中力しかなかったといっておきたい。これは誰が悪かったという問題ではない。チーム全体として全く足りなかったと言うことである。

しかし，勝つチャンスはあった。勝負は１回表に決めることが出来た可能性だってあるのだ。いうまでもない。ロサリオの先頭打者本塁打で１点取ってなおワンアウト１，２塁，しかもロペスのミスがらみで作ったチャンス。梵と小窪が枕を並べて三振してしまった場面。さらにいえばその前に菊池が箸にも棒にもかからないポップフライを打ち上げている。こういうところでヒットが打てないから，今日の試合は負けたのである。事実，菊池も梵も小窪もヒットを打って帳尻だけは合わしているのであるから，なおさらたちが悪い。チャンスを作ってそれを見事に得点につなげたジャイアンツの集中力とは大違いである。とにかく今日のカープの野球は雑駁。そういう印象しか受けない。負けるべくして負けたのである。

まあ，唯一の救いを求めるとすれば，全然惜しくない負け方であるということだ。野村祐輔の出来があまりにも悪すぎてしかも粘ることが出来ず（杉内の出来も大概悪かったのだが，のらりくらりと粘られたのとは大違いだ），攻撃も単発。これで勝とうと思う方が間違っている。原タツノリ君の気合裂帛ともいうべき覚悟とケニー君のただ勢いに任せて野球をやっていればなんとかなるだろうという甘っちょろい気持ちの差が出たとも言える。いくらカープファンとしての欲目で見ても，やはりジャイアンツの集中力が格段に上回っていた結果だと見ざるを得ない。

今日の試合だけを見れば。

しかし，ジャイアンツが実力でカープをねじ伏せた試合だったかといわれれば，そうでもないだろう。今日の試合はカープの自滅なのであって，ジャイアンツにも隙があったしそんなに強いというような野球をやっていなかった。だから今日のような出来の悪いカープの野球でも4点取れたのである。今日の試合を大反省して，前橋へ向かう車中で気持ちを切り替え，ジャイアンツ何するものぞという気合を高めれば，必ず勝てるとはいわないが簡単に負けるような相手ではない。もちろん逆に言えば今のような野球をやっていれば3タテで突き落とされる可能性があるのだが。

明日の予告先発は前田健太対小山雄輝。絶対に負けてはいけない。前田健太も前回登板，そして前回ジャイアンツ戦登板でさらした醜態を反省し，それを結果で残す義務がある。正直言って今の前田健太は並のピッチャーと変わらない。それではだめなのだ。彼は年俸約3億円もらっているのである。これだけの高い年俸を取っているのであれば，チームの勝ち負けにかかる責任を一身に背負ってもらわなければならないのだ。これはある意味ノブレス・オブリージュと言ってよいだろう。そして攻撃陣。ただ早いカウントから気持ちよくバットを振ればいいというものではないということを学習してもらわねばならない。

最後に。ロサリオだけはよくやった。サイクルヒット自体がプロ野球史上62人目であるうえに，本塁打→三塁打→二塁打→単打のいわゆる「逆ナチュラル」で達成したのは2人目（一人目はあのアレックス・オチョア），しかも9イニングで達成したのは史上初という快挙である。どうも修理中の大型扇風機につられたか無茶な大振りが目だって打率が下がってきていたところであるが，これで少しはいい感触が残るだろう。明日からの試合も少しだけ期待してみたい。

明日は切り替えて，しかしもっと燃えるような集中力を見せろ。

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