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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

愛の迷いを乗り切る秘訣は? (不安感を思索する 8/10)

2018-01-10 | 第九章「愛」

 毎日のように少女漫画というか、里中満智子さんの「持統天皇物語 天上の虹」を読んでいると、タイトルのつけかたも普段と違って影響されてくるようだ(笑)。

 特に、昨晩は額田王の名歌が沢山でてくるところで、頭はもう額田王ばかり。

  • 茜指す紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る(巻1・20・額田王)
  • 君待つとわが恋ひをればわが屋戸のすだれ動かし秋の風吹く(万葉集 巻4・488)

 一番目の天智天皇と天武天皇と額田王の関係は今まで沢山扱われて有名であるが、二番目のような額田王の愛の不安が見事に昇華されている歌も素敵だ。こんな歌を読む額田王はどのような人であったか?

 とても興味をそそるのであるが、次の歌は、天智天皇が近江京で大友皇子等側近と宴を開いた時の歌だ。春山と秋山とどちらがよいかというお題で、詩(漢詩)を競わす楽しみであったようだ。その中で額田王が漢詩ではなく和歌で応えた歌で、良く読むと心理学的にも実に興味が湧く。

冬こもり 春さり来れば 
鳴かずありし 鳥も来鳴きぬ
咲かずありし 花も咲けども
山を茂(し)み 入りても取らず
草深み 取りても見ず

秋山の 木の葉を見ては
黄葉(もみち)をば  取りてぞ偲(しの)ふ
青きをば  置きてぞ嘆く  そこし恨めし

秋山我(わ)れは 
         
巻1-16 額田王

 この歌は取るとか見るという距離感を感じる動詞を使いながら、春山と秋山の自分にとっての距離を様々に述べ、やはり黄葉を取って偲んだ秋山(距離が一番近い)を選ぶようだが、その時に力づよく、「秋山我はと締めている。歌に込められた心中は本人でないので伺うことはかなわないが、その意志力はとても伝わってくる。

 さて、エリクソンの心理学では、疑惑感・恥辱(迷いというか)を克服するヒントとして意志力と自律性を挙げているが、この歌は絵にかいたように疑惑感などの不安に対する、意志力の大事さを述べているようだ。さらに言えば五感と体感に基づく判断の大切さも暗に語っている。

 ところで「天上の虹」では、そうした額田王に持統天皇が感動して影響を受けるシーンがあるが、これも万葉集の成立過程を調べたりすると、持統天皇の晩年に原万葉集と関わっていた可能性もあり、そういう見方もあるんだなと思った。

 近江京での天智天皇の崩御の後、持統天皇は天武天皇(大海人皇子)について一大決心をして、吉野に向かうが、その時の意志力は額田王と関係があるのかもしれない。

 愛の疑惑感で悩むとき、良くわからない他者に心を惑わされるよりも、自分の柱を確認し自分を定めることのが大事なようだ。それが心の平安をもたらす。

不安感を思索する 8/10

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