五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

ホイッスラー展

2015年01月24日 | 第2章 五感と体感
横浜美術館で開催されているホイッスラー展を観ました。

先週末からぶっ通しの仕事が一段落し、ホイッスラー展だったら観ても疲れないだろう、、、という思いで入りました。

ホイッスラーについては、語るほどの知識がありませんが、時代の変化、価値観の変化、そして政治、経済、そして戦争で混沌としている時代に、宗教的なもの、政治的なものを全て排して、「美のみ」を表現するという主義を貫き通した画家であることを知り、私の妄想癖がふつふつと蘇り、自分の癒しのための時間ではなくなってしまいました。

時は世紀末19世紀から20世紀を跨いだ時代に生きたホイッスラー。

絵の前に立ち、私とは違う美の概念に戸惑い、自問自答が始まりました。しかし、生育史の背景、時代性を考えると、彼の気持ちも解らないでもない、と、思いつつ、もし、ジャポニズムに傾倒したホイッスラーが浮世絵ではなく、茶の湯の世界を先に知ったら、何を表現したのでしょう。

それぞれの国や地域で育まれて柱となるアイデンティティを自らが排除しようとしても、なかなか排することができるものではありません。何故なら、自分自身に分化されているものに意識を向けようとしても違和感が芽生えない限り意識化することは難しいからです。
ならば、何を描くかよりも、どう描くかに、自分の方向性の焦点を向けた彼に、私自身納得するものもありますが、どうしても物足りなさを感じます。

「どう描くか」に至るまでの背景を何とはなしに察しつつ、個性豊かな芸術家をまとめるセンスのあるスマートで器用で上手な人の悩みを観ている様な、そんな虚ろさを感じながら、美術館を後にしました。

ホイッスラーが、今の時代に生まれてきたらグローバルなセンスを存分に活かせたでしょうし、彼自身が満足できる表現をできたかもしれません。

今年初の美術展。
思索のモチーフを突き付けられた様な、そんな展覧会でした。

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